マーケティング戦略とは?フレームワークと事例を紹介

企業のWebサイトではWebサイトに集客し、商談や売上につなげることが求められます。このため、Webサイトの運営者にもマーケティングの知識が必要です。

Webマーケティングの成否のカギを握るのがマーケティング戦略です。この記事ではフレームワークを紹介しながらマーケティング戦略の立案方法と事例を紹介します。

マーケティング戦略とは?

マーケティング戦略とは自社が提供する商品やサービスを「誰に」「どのような価値を」「どのように提供するか」を決めることを指します。

かの有名なピーター・ドラッガーは「企業には二つの基本的な機能が存在する。すなわち、マーケティングとイノベーションである」という名言を残しています。このように、マーケティングは企業において重要な活動として位置付けられています。

マーケティング戦略に欠かせない代表的フレームワーク

マーケティング戦略を立案する上でフレームワークは必要不可欠なツールです。ここでは、マーケティング戦略立案に使用されるフレームワークを3つ紹介します。

3C分析

3Cとは「Customer(顧客)」「Campany(自社)」「Competitor(競合)」の頭文字を取ったものです。3C分析とは、これら3つの要素を分析して市場における自社のポジションを明確にするためのフレームワークです。

3C分析では、まずターゲットとするマーケットを設定します。マーケットを定めることで、「市場規模」「将来の成長性」などを把握できます。

次に設定したマーケットで競合となる企業や製品を把握します。競合製品の売上高やシェアなどを把握し、競合企業のマーケティング戦略を分析することでベンチマークとなる指標の設定や差別化戦略の立案につなげることができます。

そして、これらの分析結果をもとに自社の戦略を決定します。

STP分析

STPとは「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字をとったものです。それぞれの内容は以下の通りです。

Segmentationは市場を細分化することです。Segmentationの要素としては、「地理的変数(都道府県や市町村など)」「人口動態変数(年齢・性別・職業・所得など)」「心理的変数(価値観・ライフスタイル・好みなど)」などがあります。

Targetingは細分化した市場の中で、どの市場をターゲットとするかを決めることです。Targetingの要素としては「市場規模」「成長性や将来性」「競合状況」「測定可能性」などがあります。

Positioningはターゲットとした市場の中で、自社の立ち位置を決めることです。差別化などがこれに該当します。

STP分析とは「市場を細分化して狙うべき市場を定め、その市場の中で自社の立ち位置を決める」ためのフレームワークです。

4P分析

4Pとは「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」の頭文字を取ったものです。4P分析とは、これら4つの要素を分析してマーケティング戦略を決定するフレームワークです。

4P分析の具体的な内容は以下の通りです。

  • Product(製品):どんな製品やサービスを販売するのか?(機能やブランドなど)
  • Price(価格):製品やサービスをいくらで売るのか?
  • Place(流通):製品やサービスをどのチャネルで販売するのか?(店舗やオンラインなど)
  • Promotion(プロモーション):製品やサービスをどのように顧客に知ってもらうか?(広告やCMなど)

これら4つのPの適切な組み合わせを検討することを「マーケティングミックス」といいます。

マーケティング戦略立案の流れ

では、マーケティング戦略を立案するためにはどのような流れで行えばよいのでしょうか?ここでは、マーケティング戦略立案の流れについて解説します。

市場調査

まずはSTPや4Pを検討する上で必要な情報を収集するために市場調査を行います。「市場にはどれくらいの消費者がいるのか?」「どれくらいの市場規模があるのか?」などです。

また、競合となる商品やサービスについても、シェアや市場における立ち位置などを収集します。

セグメンテーション

市場調査結果をもとに、STP分析にて地理的変数や心理的変数を用いて市場を細分化します。例えば「20代後半で東京23区内に住む未婚のサラリーマン」などです。

細分化したセグメントを分析することで、そのセグメントに属する人たちの特性や共通のニーズを検討することができます。

ターゲティング

セグメンテーションで細分化した複数のグループのうち、購買力の高さや親和性の高さなどから自社の製品やサービスに適したマーケットを検討します。

この時によく用いられる分析方法がSWOT分析です。SWOTとは「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threat[s)」の4つのカテゴリーで要因を分析するフレームワークです。

SWOT分析の結果を踏まえて参入するマーケットを決定します。

ポジショニング

参入するマーケットを定めたら、自社の製品やサービスを対象となるマーケットでどのように位置付けるかを検討します。具体的には「差別化」「同質化」などです。

ポジショニングを行う上で重要なのは「競合と比較するための軸を持つこと」です。例えば、機能、品質、販売チャネル、顧客数などです。

競合と自社の強みや弱みを比較しながら自社製品やサービスがマーケットで勝負できるポジションを探します。

なお、ポジショニングはフリーランスのエンジニアとして稼ぐためにも必要なスキルです。「フリーランスエンジニアで稼ぎたい」と思っている人は、こちらの記事も読んでみてください。

稼ぐために必要なことは○○化である

マーケティングミックス(4P)

STPを決めた後は、「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」の4Pの組み合わせ(マーケティングミックス)を検討します。

4P分析とセットで使われられるのが「4C分析」です。4Cとは「Customer Value(顧客価値)」「Cost(経費)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の頭文字を取った言葉です。

4Pと4Cを合わせてマーケティング戦略を決定して実行に移します。

マーケティング戦略の事例

ここでは実例を紹介しながらマーケティング戦略をどのように行っているのかを紹介します。

ライフネット生命

https://www.lifenet-seimei.co.jp/

ライフネット生命は2006年に設立されたインターネット販売に特化した生命保険会社です。ライフネット生命の4Pは以下の通りです。

  • 製品(Product):終身保険をはじめとした各種生命保険
  • 価格(Price):インターネット販売に特化することで人件費をはじめとしたコストを抑えて低価格を実現
  • 流通(Place):22時までコールセンターでの相談を受け付けるなど、顧客がアクセスしやすいチャネルを構築
  • プロモーション(Promotion):テレビCMを活用しながら認知度を高め、ソーシャルメディアや検索エンジンを活用しながら集客した

ライフネット生命は保険料の内訳を全て公開することで他社との差別化を図り、20〜30代の子育て世代の支持を集めました。

ライザップ

https://www.rizap.jp/

ライザップはテレビCMが話題のトレーニングジム運営会社です。ライザップの4Pは以下の通りです。

  • 製品(Product):身体作りにつながるトレーニングメソッドやトレーニング場所の提供
  • 価格(Price):会員一人ひとりに合わせたパーソナルトレーニングで高価格
  • 流通(Place):駅前など立地の良い場所にトレーニングジムを解説
  • プロモーション(Promotion):テレビCMでビフォー・アフターを見せることでトレーニングの効果を伝える

トレーニング前とトレーニング後のギャップの大きさが大きな反響につながりました。

まとめ

この記事ではフレームワークを紹介しながらマーケティング戦略の立案方法と事例を紹介しました。

マーケティング戦略とは自社が提供する商品やサービスを「誰に」「どのような価値を」「どのように提供するか」を決めることです。STP分析や4P分析などのフレームワークを用いてマーケティング戦略を立案します。

Webサイトの構築や運用を行うにあたり、マーケティング戦略はエンジニアであっても身につけておいた方がよい知識です。

この記事をきっかけに、是非マーケティング戦略を学習してみてください。

BLOGコンテンツをパーソナライズします

あなたは現在「プログラミング学習者」ですか?