PHPのインストール方法についてOS別に詳しく解説!

プログラミングを学習していくにあたって「まずはPHPから」と思っている方は少なくないでしょう。
最近はPHPを利用できる無料のレンタルサーバーも増えたため、環境を構築する必要性が低くなってきたとは言えるものの、やはり、エンジニアとしてステップアップしていくには、自分でサーバーを構築でき、複数のPHPバージョンを自在に切り替えて利用できるようになっておきたいものです。

今回は、そんな方を対象にOS別にPHPのインストール方法を紹介していきます。

PHPのインストール方法 Windows

それでは早速、PHPのインストール方法を見ていきましょう。
PHPは様々なプラットフォームに環境を構築することができますので、各OS別に紹介していきたいと思います。

WindowsにPHPをインストールする方法

WindowsにPHPをインストールするためには、PHPの公式サイトからzipファイルをダウンロードし、任意の場所に展開する必要があります。

ダウンロードの手順は以下の通りです。

  1. 公式サイトにアクセスし「Download」をクリックする
  2. 「Windows Downloads」をクリックする

公式サイトの「Windows downloads」の画面を見るとPHPのバージョンごとに4つのタイプがあることが分かります。
インストール先のWindowsのbit数や、WebサーバーにIISかApacheのどちらを導入するかによって分かれていますので、以下の内容を参考に必要なものを選択しましょう。

  • VC15 x86 Non Thread Safe
    32bit版Windows用
    WEBサーバーとして IIS を利用する場合
  • VC15 x86 Thread Safe
    32bit版Windows用
    WEBサーバーとして Apache を利用する場合
  • VC15 x64 Non Thread Safe
    64bit版Windows用
    WEBサーバーとして IIS を利用する場合
  • VC15 x64 Thread Safe
    64bit版Windows用
    WEBサーバーとして Apache を利用する場合

zipファイルをダウンロードしたら任意の場所に展開することでインストールは完了です。
ですが、そのままではPHPを利用することができませんので、インストールしたPHPに「パスを通す」必要があります。

Windowsの環境変数の設定

インストールしたPHPにパスを通す方法は、Windowsの「コントロールパネル」から「システム」の設定を開き、「環境変数」の内容を変更します。
具体的には環境変数の「Path」を選択した状態で「編集」ボタンをクリックし、「変数値」にPHPを展開したフォルダを追加します。

例えば、「Cドライブ」直下に「php-7.3」というフォルダ名でPHPを展開しているのであれば、「変数値」の末尾に「;C:¥php-7.3」と追加します。
設定しているフォルダは「セミコロン(;)」で区切って指定しますので、セミコロンをつけ忘れないように気をつけてください。

パスを通したあと、「コマンドプロンプト」を開いてPHPのコマンドが利用できるようになればインストール成功です。
以下のコマンドを入力して、phpのバージョンが表示されるか確認しておきましょう。

複数バージョンのPHPを管理する場合

Windowsマシンに異なるバージョンのPHPを複数インストールし、状況に応じて利用するバージョンを切り替えるには、先述したWindowsの環境変数を変更することになります。

同じバージョンを長く使っていく場合であれば、必要に応じて環境変数を変更するのも苦にはなりませんが、異なるバージョンを頻繁に切り替えて利用していく場合、そのたびごとに環境変数を変更しなければならないのは少し億劫です。

そこで、バッチファイルを使ってバージョンを切り替える方法を紹介しておきたいと思います。

バッチファイルでPHPバージョンの切り替え

今回紹介する内容は、Cドライブ直下に「PHP-7.3」と「PHP-7.4」がインストールされている状態で「Windowsの環境変数が設定されていない場合(PHPのパスを通していない状態)」を例にしたものとなります。

まずはテキストエディタを開き、「php-7.3.bat」「php-7.4.bat」を作成し、それぞれのファイルに以下の内容を記述してください。

Cドライブ直下「php-7.3」フォルダ内の「php-7.3.bat」

Cドライブ直下「php-7.4」フォルダ内の「php-7.4.bat」

2つのバッチファイルを作成したら、Cドライブ直下に、2つのバッチファイルを動作させる「phpSelectVer.bat」を作成します。

「phpSelectVer.bat」には以下の内容を記述します。

以上でPHPのバージョンを管理するためのバッチファイル作成作業は完了です。

「phpSelectVer.bat」を実行すると「PHPのバージョンを指定:」というメッセージが表示されるので、利用したいPHPのバージョン(7.3か7.4)を入力し、指定したバージョンのPHPにパスを通してください。

バッチファイルを実行した後は、そのままコマンドプロンプト画面での操作を続行できますので、試しに以下のコマンドを入力してPHPの設定内容を確認してみましょう。

PHPの設定情報が出力されれば、バッチファイルの設置は成功です。

php.iniを同一フォルダで管理

なお、「php.ini」を各々のPHPバージョンのフォルダに配置せず、同一のフォルダに配置することで、PHPのバージョンを切り替えても同じ環境設定を利用することができるようになります。

その場合は、Cドライブに「phpconf」フォルダを作って「php.ini」ファイルを配置し、「php-7.3.bat」と「php-7.4.bat」の2行目に以下の内容を挿入してください。

PHPのバージョンを切り替えても同じphp.iniの設定が適用されていれば成功です。

以上が、WindowsにPHPをインストールする方法と、複数のバージョンを管理する一例となります。
PHPのバージョンを管理する方法は人それぞれかと思いますので、自分にあった管理方法を探してみていただければと思います。

PHPのインストール方法 Linux(Ubuntu)

次にUbuntuにPHPをインストールする方法を紹介いたします。

UbuntuにPHPをインストールする方法

UbuntuにPHPをインストールしたい場合、「ターミナル」を使ってインストールします。
ターミナルを起動し、試しに以下のコマンドを入力してPHPがインストールされているか確認しましょう。

PHPがインストールされていればPHPのバージョンが表示されますが、PHPがインストールされていなければ、以下のメッセージが表示されます。

メッセージに記載された内容がPHPをインストールする方法となりますので、メッセージに従って以下のコマンドを実行してみましょう。

「php -v」コマンドを実行し、PHPのバージョン(7.2)が表示されていればインストール成功です。

ppa:ondrej/phpリポジトリで複数バージョンを管理

UbuntuでPHPのバージョンを管理したい場合「ppa:ondrej/php」というリポジトリを使うと便利です。
以下のコマンドを実行してリポジトリを導入してみましょう。

このリポジトリが導入されている状態で、PHP-7.4をインストールすることでPHPのバージョンを切り替えて利用できるようになります。
以下のコマンドでPHP-7.4をインストールしてください。

これでPHP-7.2とPHP-7.4がインストールされている状態となりましたが、PHPのバージョンを切り替える場合は以下のコマンドを実行します。

インストールされているPHPのバージョンが表示されますので、切り替えたいバージョンの番号を入力します。
以下の画面で、PHP7.2に切り替えたい場合、「1」を入力することでPHP7.2に切り替わります。

以上が、UbuntuにPHPをインストールする方法と、複数のバージョンを管理する一例となります。

PHPのインストール方法 Linux(CentOS)

続いて、CentOSでPHPをインストールする方法を紹介します。
CentOSの場合、YUMという統合管理システムで管理していくことになります。

CentOSにPHPをインストールする方法

PHPのインストールは以下のコマンドを実行します。

Remiリポジトリ

CentOSにインストールした複数のPHPバージョンを管理したい場合「Remiリポジトリ」を使うのが便利です。
Remiリポジトリは以下のコマンドでインストール可能です。

バージョンの切り替えは以下のコマンドを実行します。

以上が、CentOSにPHPをインストールする方法と、複数のバージョンを管理する一例となります。

PHPのインストール方法 Mac

最後にMacにPHPをインストールする方法を紹介したいと思います。

これまで、Macには標準でPHPがインストールされていたため、自分でPHPをインストールする必要性は少なかったのですが、最近になって、MacOS11(BigSur)でのPHPのバージョンを確認すると以下のメッセージが表示されるようになりました。

将来的にPHPを自分でインストールしなければならなくなったようなので、ここでは、Macに複数バージョンのPHPをインストールする方法と、それらをbrew-php-switcherを使って管理する方法を紹介します。

MacでPHPの複数バージョンを切り替える方法

MacにインストールしたPHPを管理する場合、「brew-php-switcher」を使うと便利です。
「brew-php-switcher」とは、MacのHomebrew上でインストールしたPHPを管理し、ひとつのコマンドでPHPのバージョンを切り替えることができるツールです。

「brew-php-switcher」を使うにはHomebrew経由でPHPをインストールする必要がありますので、PHPをインストールする前にHomebrewをインストールしておきましょう。

Homebrewのインストール

Homebrewは公式ページにあるインストール用のスクリプトをコピーしてターミナルで実行してインストールします。

インストールが成功したかどうかは以下のコマンドで確認できます。

Homebrewのバージョンが表示されていれば成功です。

PHPのインストール

Homebrewを使ってPHPをインストールするコマンドは以下の通りです。

インストールした後、本来であればパスを通すための記述を「.bash_profile」に追加する必要がありますが、brew-php-switcherを使って複数のPHPのバージョンを切り替えたい場合は、パスを通さず、そのままbrew-php-switcherをインストールしましょう。

brew-php-switcherのインストール

brew-php-switcherをインストールするコマンドは以下の通りです。

「brew-php-switcher」がインストールされている状態で以下のようにコマンドを実行することで、PHPのバージョンを切り替えることができるようになります。

以上が、MacにPHPをインストールする方法と、複数のバージョンを管理する一例となります。

MAMPでPHPバージョンを管理する方法

これまでコマンドでPHPのバージョンを切り替えて使う方法を紹介してきましたが、MAMPや、XAMPPといった、GUIでPHPのバージョンを切り替えることができるアプリも存在します。

PHPだけでなくApacheやNginxなどのWebサーバーやMySQLといったデータベースもまとめて管理することができ、Web開発時に重宝しますので、ここで、少しだけMAMPというアプリを紹介したいと思います。

MAMPとは

MAMP(マンプ)とはMacOSで動作するWeb開発者向けのツールで、前述したとおり、ApacheやMySQL、PHPを一括で管理することができます。

Apache、MySQL、PHPの頭文字に、Macの「M」を加えて「MAMP」と名付けられているようです。

PHPの格納場所

MAMPをインストールすると、「アプリケーション」フォルダの「MAMP/bin」内にいくつかのバージョンのPHPが格納されていることが分かります。

このPHPにパスを通すことで、MAMPで使えるPHPのバージョンを利用することもできますので、試してみましょう。

MAMPにあるPHPにパスが通ったか確認するには以下のコマンドを使います。

以下のように出力されればMAMPのPHPにパスが通っています。

「MAMP/bin」内にあるPHPはすでにビルド済ですので、急ぎの案件で異なるバージョンのPHPをビルドする時間がない場合などに重宝します。

有料版のMAMP Proであれば、ビルド済のPHPをいくつかダウンロードすることができますので、余裕のある方は試してみていただければと思います。

まとめ

いかがでしたか。

PHPのインストール方法バージョン切替方法がお分かりいただけましたでしょうか。

今回、PHPのバージョンを簡単に切り替える方法をいくつか紹介させていただきましたが、これで、どんなバージョンの案件が来てもスムーズに対応できるのではないでしょうか。

今後、PHPのバージョンを切り替える必要が発生した場合にでも、こちらの記事を思い出していただければ幸いです。

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