副業解禁のメリット・デメリット!企業がしておくべき準備を徹底解説!

これまでは副業を原則禁止としている企業が数多くありましたが、近年では国が副業を推進しており、副業の解禁を検討している企業も増えてきました。

配送業やデータ入力・Webライターなど様々な副業があり、「収入を増やしたい」「スキルを向上したい」と考えている会社員にとっては嬉しい流れですよね。

副業解禁は会社員にとってだけではなく、企業にとっても多くのメリットをもたらします。

しかしその一方でデメリットも存在し、「本業に支障が出るのでは」「会社の情報が漏洩しては困る」と解禁を躊躇しているという企業も多いのではないでしょうか。

そこでこのページでは副業の解禁が企業にもたらすメリットやデメリットを挙げるとともに、副業解禁に向けて企業が行うべき準備や注意点について解説します。

副業とは?

副業は兼業やサイドビジネスとも呼ばれており、一般的に、会社員のように本業を持つ人がそれ以外の仕事で収入を得ることをいいます。

副業に明確な定義はなく、本業以外に雇用契約を結ぶことを禁止している企業もあれば、収入を得ること自体を禁止している企業もあります。

禁止されている副業の定義を知るためには、本業の就業規則を確認してみてください。

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企業にとっての副業のメリット

以前はネガティブなイメージがあった副業ですが、会社員に副業を認めることは、企業側にとっても多くのメリットがあります。

まずは副業を認めることによって生まれる企業にとっての7つのメリットを解説します。

  • メリット①社員のスキルアップにつながる
  • メリット②優秀な人材を確保しやすくなる
  • メリット③優秀な人材の流出を防げる
  • メリット④社員の主体性が上げられる
  • メリット⑤社員の不満を軽減できる
  • メリット⑥事業の拡大につなげられる
  • メリット⑦企業ブランディングができる

メリット①社員のスキルアップにつながる

副業を認めることでもたらされる最大のメリットは、社員のスキルアップによるスキルや知識の還元が期待されることです。

社内教育だけでは得られるスキルに限界があります。

副業を通して新たな知識や経験を身に着けることによって、社内にはない人脈や情報、スキルなどを獲得することができるでしょう。

新しい事業の開発や顧客サービスの向上につながるかもしれません。

新たな視点や意見は他の社員への刺激にもなり、社員同士の競争力を向上させるなど、企業全体の活性化も期待できます。

メリット②優秀な人材を確保しやすくなる

副業を認めることで、優秀な人材を確保しやすくなるというメリットもあります。

転職や就職を考えている求職者から見た場合、副業を禁止している企業よりも、副業を容認しているという企業のほうが良いイメージを抱きやすいです。

柔軟な働き方ができる企業だとアピールすることで、意欲のある優秀な人材を確保できる確率が高くなります。

また副業を認めることによって、幅広い人材を採用できるというメリットもあります。

たとえば十分な人員を確保できない場合でも、業務委託や時短労働者などの副業を希望する労働者を雇うことにより、人材不足を解消することが可能です。

メリット③優秀な人材の流出を防げる

副業を認めることで、優秀な人材が同業他社に流れてしまうリスクを防げるというメリットもあります。

近年では人材不足が社会問題になっており、企業間では優秀な人材の争奪戦が行われています。

副業禁止の企業で働く社員は、他の企業から新しい仕事のオファーを受けたとしても、自分の意志に関係なく断らなければいけません。

それが本当はやりたい仕事だった場合、社員の不満は溜まり「副業を認めている企業で働きたい」と感じるでしょう。

優秀な人材ほどオファーを受ける可能性は高く、他の企業に流れてしまう可能性は高くなります。

副業を認めることで従業員の定着率が向上し、優秀な人材を企業に留めておくことにつながるのです。

メリット④社員の主体性が上げられる

副業を認めることで、社員の主体性が上げられるというメリットもあります。

主体性とは、「どんな状況下においても自分の意志や判断で行動する」ことをいいます。

副業は多種多様で、自身のもつ趣味や特技などから自由に選ぶことができ、興味のある分野にチャレンジして1から学ぶことも可能です。

上司が教育してくれる会社員とは異なり、副業では何をするか決まっていない状況で自分で責任をもって行動する必要があります。

副業を通じて、じっくり考えて目標や計画を考えたうえで自分が必要だと思ったことを実行するなど、主体的な働き方を身に着けることができます。

成長させた主体性は、企業はにも還元されることでしょう。

メリット⑤社員の不満を軽減できる

副業を認めることで、社員の不満を軽減できるというメリットもあります。

まず第一に、副業ができない企業への不満が解消されます

いくらやりたい仕事があっても、そのために転職するのは社員にとってリスクを伴います。

やりたい仕事が思い通りにできないことで、副業が禁止されている企業に対して不満が溜まります。

一方、副業が認められると転職のリスクを取らずに自分のやりたい仕事をできるうえ、会社が後押ししてくれているということで満足度が得られます。

そのほかに、給与面で不満を持つ社員もいるかもしれません。

副業によって副収入を得ることで給与面の不満が解消され、離職者が減るというメリットが得られるでしょう。

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メリット⑥事業の拡大につなげられる

副業を認めることで、事業の拡大につなげられるというメリットがあります。

近年では自社内だけではなく、他の企業や団体と共同で技術開発などを行うことが多いです。

副業によって本業では得られなかった情報や人脈を得ることができ、それを活かして新規事業へ参入するなど、新たな事業を展開することができるかもしれません。

全く付き合ったことがない新規の企業と取引を行うより、社員が副業を通じて信頼性をつくりあげた企業のほうがトラブルを予防できるという面で、企業にもメリットがあります。

企業としても、新規の取引先を開拓することは重要な課題でしょう。副業で生まれた人脈が、本業の事業の拡大に役立つ可能性は大いにあります。

メリット⑦企業ブランディングができる

副業を認めることは、企業ブランディングの面でもメリットになります。

働き方が多様化しているなかで、副業をする人も増加傾向にあります。

「副業を認めている企業かどうか」というのは、自分らしく働きたいと考える求職者にとって、企業選びの重要な選択肢の一つです。

副業をする予定がない求職者にとっても、副業が認められている企業は魅力的に映り、「柔軟な働き方への取り組みに積極的な企業」といったブランディングの効果が期待できるでしょう。

企業にとっての副業のデメリット

社員のみではなく企業にとっても多くのメリットをもたらす副業ですが、一方でデメリットも存在します。

ここからは副業を認めることによって生まれる企業にとっての4つのデメリットを解説します。

  • デメリット①情報漏洩のリスクがある
  • デメリット②本業に支障をきたす可能性がある
  • デメリット③労働時間管理が複雑になる
  • デメリット④社員間で意見が分かれる可能性がある

デメリット①情報漏洩のリスクがある

副業を認めることで、情報漏洩のリスクが生まれるというデメリットが挙げられます。

副業をしている社員から社員情報や顧客データなどの機密情報が漏れてしまうと、会社は危機に陥るかもしれません。

また、副業を行う社員が持っているスキルも「情報」の中の一つです。

本業で得た情報やノウハウを、知らず知らずのうちに副業先に伝えてしまうという可能性も考えられます。

情報漏洩のリスクを減らすために、副業を解禁する際には、機密情報の取り扱いについて改めて社員と確認することが大切です。

デメリット②本業に支障をきたす可能性がある

副業を認めることで、本業に支障をきたす可能性があるというデメリットが挙げられます。

本業の仕事終わりや休日に副業を行う人が多いため、睡眠不足や疲労が原因で本業に支障をきたしてしまうケースも少なくありません。

十分に休めていないと、業務の能率やクオリティーの低下が懸念されます。

副業を解禁する際には、あくまで本業が優先であることをしっかりと伝えておきましょう。

デメリット③労働時間管理が複雑になる

副業を認めることで、労働時間の管理が難しくなるというデメリットが挙げられます。

多くの企業では、副業を解禁する際に「仕事内容・労働時間・副収入額などをあらかじめ提示する」というルールが定められています。

また労災保険などの管理・計算・支払いの調整などといったさまざまな業務が増える可能性もあり、副業をする社員が増えると、労働時間の管理が複雑になってしまいます。

手間は増えますが、副業によるトラブルを回避するためにはこういったルールを設けることが大切です。

デメリット④社員間で意見が分かれる可能性がある

副業を認めると、社員間で意見が分かれる可能性があります。

副業を解禁したばかりのころはまだまだ副業できる環境が整っておらず、副業を行う人は少数派でしょう。

副業に対する意見もさまざまで、副業をしている社員としていない社員の間で関係が悪化してしまう可能性があります。

最悪の場合、優秀な人材が本業を離れて副業のほうへ転職していしまうことも考えられます。

副業を認める際には、社員に対して改めて研修を行う必要が出てくるかもしれません。

企業が副業を解禁する際の準備

副業解禁をスムーズに進めていくためには、就業規則の改定や新ルールの設定など事前の準備が大切です。

ここからは、企業が取り組んでおくべき準備のポイントを解説します。

就業規則の確認・改定

副業を解禁する際にまずやっておくべきことは、就業規則の確認と改定です。

一般的に、副業を禁止している企業では、就業規則で「他の会社等の業務に従事しないこと」といった副業を禁止する項目が定められています。

まずは就業規則を確認し、副業や兼業を禁止するような文言が記載されている場合は削除しましょう。

また、就業規則に副業・兼業に関する基本的な規定を設けておくことも重要です。

就業規則の改定においては、国が定める法を確認しながら慎重に行う必要があります。

労働に関するルールを正確に把握し、賃金・保険・税金・労働時間などの副業によって変化する可能性のある条件についてしっかりと明記しましょう。

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副業に関するルールを設定

副業を解禁する際には、副業に関するルールを設定しておきましょう。

ルールを決めずに解禁してしまうと無断で副業を始めたり、競合他社の仕事をする、情報漏洩が起こるなどのさまざまなトラブルが発生するリスクがあります。

副業は許可制や届出制にし、副業を認めるためのルールを設定しておきましょう。

副業として認める業務内容や、就業時間・就業期間などを設定するかは、企業によって異なるでしょう。

たとえば「競合他社の副業」「本業に支障が出る可能性がある副業」「企業秘密の管理が難しい副業」など、副業を認められないケースも出てくるかもしれません。

もし副業を却下する場合にしっかりとした説明ができなければ、社員との信頼関係を壊してしまう恐れがあります。

そのため副業の許可に関するルールは明確に設定しておくことが大切です

過重労働にならないように対策する

労働基準法における労働時間は、本業と副業を合算した時間数が適用されます。

そのため副業を解禁する場合は、社員ひとりひとりの副業の実施状況を企業が正確に認識しておかなければいけません。

1週間あたりどれくらいの時間副業するのか、どのような業務なのかなどを社員に申告してもらうなどのルールを設け、過重労働にならないように対策をおこないましょう。

社員への周知を徹底する

副業の解禁をスムーズに進めていくためには、社員全員が改定された就業規則や副業についてのルールを理解するよう、周知を徹底することが大切です。

副業を解禁する狙いを正しく理解することで、トラブルが起こる可能性を低くすることができます。

副業を検討している社員からの問い合わせや相談に対応できるよう人事部門での担当者を決めておいたり、専門の窓口を開設しておくと良いでしょう。

周知前に社員と意見交換の場を設けると、解禁後の混乱を防げるでしょう。

離職対策をする

副業を始めた社員の中には、本業よりも副業にやりがいを感じて離職を考える人もいるでしょう。

優秀な人材の離職を防止するために、副業を解禁する際は同時に離職対策を行っておくことが大切です

具体的には、ひとりひとりの希望や能力に合わせて働きやすい環境を整える待遇面の見直しなどが挙げられます。

可能であれば、社内の業務で副業人材を公募するのも離職防止に効果的です。

副業を通してさまざまな部署の業務が経験できるので、社員としても「キャリアアップに繋がる」というメリットがあります。

まとめ

  • 副業とは本業を持つ人がそれ以外の仕事で収入を得ること
  • 企業が副業を解禁することで7つのメリットが挙げられる
    • 社員のスキルアップにつながる
    • 優秀な人材を確保しやすくなる
    • 優秀な人材の流出を防げる
    • 社員の主体性が上げられる
    • 社員の不満を軽減できる
    • 事業の拡大につなげられる
    • 企業ブランディングができる
  • 企業が副業を解禁することで4つのデメリットが挙げられる
    • 情報漏洩のリスクがある
    • 本業に支障をきたす可能性がある
    • 労働時間管理が複雑になる
    • 社員間で意見が分かれる可能性がある
  • 企業が副業を解禁する際には準備が大切
    •  就業規則の確認・改定
    • 副業に関するルールを設定
    • 過重労働にならないように対策する
    • 社員への周知を徹底する
    • 離職対策をする

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