副業を禁止している会社はまだまだ多く、「副収入を得たいけれど諦めている」という方も多いのではないでしょうか。
しかし就業規則で副業を禁止されている会社員でも、投資は副業にならない可能性があります。
余剰金がある方は、投資を始めることで副収入を得られるかもしれません。
そこでこのページでは副業と投資の違いや、投資が副業に該当しない理由を解説します。
おすすめの投資や投資をする際の注意点もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
投資は副業にならない
副業と投資はそもそも性質が異なるため、一般的に、投資は副業にならないとされています。
まずは副業と投資について解説します。
副業とは
実は副業には明確な定義はありません。しかし一般的に副業とは「本業とは別に副収入を得る仕事」のことです。
副業には様々な種類があり、クラウドソーシングを利用して行うライティングや文字起こしなどはインターネット環境があれば誰でも簡単に始められます。
ほかにもネットショッピングサイトを利用した物販ビジネス、ハンドメイド作品の販売などを副業とし、収入を得ている人も多いです。
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投資とは「資産を運用すること」です。
副収入を得るという面では副業と似ていますが、投資は別の仕事をもつわけではありません。
副業は自身が働いた報酬として収入を得るのに対し、投資は株式や債券といった金融商品を利用してお金を増やすという点が大きく異なります。
投資は副業にならない
副業に明確な定義がないため、会社によって副業の捉え方に差があります。
しかし一般的に、投資は副業にならないことが多いです。
投資は、他の会社と雇用関係を結ぶようなことはありません。毎月決まった収入が得られるわけでもなく、起業するわけでもないので、副業とはみなされないことが多いのです。
また副業を禁止している理由として多いのは「自社での業務がおろそかになること」「情報漏洩のリスクがあること」「競業・利益相反になること」の3点です。
投資は基本的に個人の判断で行うので「情報漏洩」や「競業・利益相反」の恐れがなく、副業禁止でも投資は認めているという会社が多いです。
ただし証券会社・銀行・取引所など、投資に関連する職種は投資自体を禁止していることもあります。
また就業時間中に投資を頻繁に行ったり、投資による寝不足などで本業がおろそかになっている場合には、服務規律違反や就業規則違反に問われる可能性があるので注意してください。
副業にならない投資9選
投資と一口に言っても株式投資や投資信託、FXや不動産投資、仮想通貨など種類はさまざまです。
副収入を得たいと思っても、なにをすればいいのかわからなくて困っているという人が多いのではないでしょうか。
投資は必ず利益を出せるとは限らないので、どんな投資があるのか種類や特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
ここからは副業禁止の会社で働いている人におすすめの、副業にならない投資をご紹介します。
- 株式投資
- 投資信託
- FX
- ETF(上場投資信託)
- 仮想通貨
- 不動産投資
- REIT
- 国債
- 金投資
株式投資
株式投資は企業が発行する株式を売買した差額や、企業から分配される配当金で利益を得ることを目的としている投資方法です。
売却益と配当金のほかに、株主優待で企業の商品を貰えたり、旅行や施設の割引サービスを受けることもできます。
株式投資は一定期間株式を所有することで配当金や株主優待を受けることができるので、1ヵ月や半年などの長い期間株式を保有したいという人に向いています。
しかし株価は時間とともに変動するため、常に動向をチェックしておく必要がありますが、本業をしている間はなかなか確認できません。そのため副業として行う場合は、株価が上がりそうな銘柄に投資をして長期保有せずに1日で取引を行うデイトレーダーも人気です。
株式投資を始める際には、ある程度の資金を貯金しておくことをおすすめします。
月数万円の副収入がほしい場合、50万以上のまとまった資金を用意しなければいけません。
少額を投資することもできますがそのぶん利益も小さくなってしまうので、ある程度の資金を用意できる人に向いている投資方法です。
現物取引や信用取引があり、現物取引は買い注文からのみ取引できますが、信用取引は売り注文からも始められます。
投資信託
投資信託とは、投資をしたい人から集めた資金をプロの投資家が運用するという投資方法です。
プロの投資家が株式や債券に投資してくれるので、株式投資のように自分でリサーチする必要がありません。
調べるのが苦手という人や、投資未経験の人でも手軽に始めやすい投資方法です。
一方で、他人が選んだ投資先で損失が出たときに納得できない人にはおすすめできません。
専門家が投資を行うからといって必ずしも利益が出るわけではなく、運用によっては損をしてしまう可能性もあります。投資信託は元本保証のある投資ではないということを覚えておきましょう。
投資信託は短期間では利益を出しにくく、長い期間をかけて資産を構築するという特徴があるので、数週間や1ヵ月など短期間で副収入を得たいという人には向いていません。
また投資信託では運用や販売している販売会社に対して手数料を支払う必要があり、売買委託手数料や換金手数料がかかるので、しっかりと確認してから始めてください。
FX
FXとはForeign Exchangeの略で、外国為替証拠金取引のことです。
為替レートが上がるか下がるかを予想し、日本円やドル、ユーロなど法定通貨を売買することで利益を得ることを目的としている投資方法です。
たとえば1ドル100円のときにドルを購入し、1ドル110円になったときにドルを売ることで10円の利益が得られます。
為替や世界経済の知識がある人や、50万円などまとまった資金を用意できる人に向いている投資方法です。
株式投資とは異なり、長期間保有していてもメリットがないので、短期投資として利用している人がほとんどです。
為替ルートは数秒で大きく値動きするため価格予測が難しく、短期間で利益を出せる反面、損をしてしまうリスクも存在します。
副業未経験者だけでなく投資経験者にとっても厳しい商品だということを覚えておきましょう。
またFXは取引に口座開設費用・取引手数料・スプレッド(交換レートの差額)・スワップポイント(金利差調整分)・税金などの費用がかかるのであらかじめ確認しておいてください。
ETF(上場投資信託)
ETFとは上場投資信託のことで、証券取引所で上場している株式や債券を購入し、売買することで利益を得ることを目的としている投資方法です。
日経平均株価に連動した指数が商品となっており、購入や利益を得る方法は株式投資とほぼ同じです。
異なるのは上場しているのがETF、上場していないのが投資信託という点なので、株式投資に慣れている人や資金がある人に向いています。
ETFは株式と同じように日々の値動きがある中で売買の注文を出すことができ、日経平均株価やOPIXなど、既に複数の株式や債券を平均化させたものに対しても投資できるのが最大の特徴です。
たとえばTOPIXを購入すれば東証一部の銘柄を全て買ったのと同じ効果が得られるので、1つの商品を購入するだけで分散投資することができます。
ただし、何らかの問題が生じると上場廃止銘柄になるというリスクがあります。また、市場価格と基準価格が数パーセント乖離することがあり、初心者だとわかりにくく悩んでしまうかもしれません。
仮想通貨
仮想通貨とは「ビットコイン(BTC)」などの仮想通貨を売買することで利益を得ることを目指す投資方法です。
日本では「ビットコイン(BTC)」が有名ですが、仮想通貨の種類は多く、1000種類以上もあると言われています。
通貨レートの差額で利益を生みだす投資という面ではFXと似ています。
しかしFXは円やドルのように実際に手にとることができる通貨で行うのに対し、仮想通貨はデジタル上に存在する通貨なので手に取ることができないものを扱うという点で異なります。
5000円など少額でも投資できるので少額投資を始めたい方や、最新技術に興味がある方などに向いています。24時間365日取引可能なので、仕事が忙しいという人でも始めやすいでしょう。
仮想通貨は近年人気が高まっている投資方法ですが、為替よりもルートの上下幅が大きく、短時間に1万円単位で上下することもあります。
短期間で利益を生むことが期待できますが損失リスクも大きく、ハイリスク・ハイリターンの投資だということを覚えておいてください。
またデジタル上の通貨なのでハッキングによる被害も多く、取引をするのであれば安心できる販売所か取引所を利用することが重要なポイントです。
また仮想通貨で得た利益は「雑所得」扱いとなるため、ほかの投資と比べると税金面で不利になるので注意してください。
不動産投資
不動産投資とは毎月の家賃収入を得ることや、所有している不動産の売買により利益を得ることを目的としている投資方法です。
利益が出るのは物件を購入した費用を回収してからになるので、ローリターンの長期的な投資が特徴です。
しかし購入した戸建てやアパートは資産となり、もし利益が出なくても持ち家として活用することもできるため、ローリスクの投資として昔から人気があります。
不動産投資ローンを受けることができるので、万が一のときの生命保険代わりにできるというのもメリットです。
ただし自己資金を100万円単位で用意する必要があり、高額な初期費用がかかります。残りの費用は融資を受けることになるので、多額の余剰資金があり、融資に関する知識がある人に向いています。
家賃収入を得る場合、入居者がいれば毎月賃料収入を得ることができるので、安定した副収入を得やすい投資です。ただし賃料収入が想定通りに得られるという保証はないので、慎重に検討しましょう。
REIT
REIT(リート)は不動産投資信託のことで、資産家から資金を集めて不動産投資を行い、家賃収入や売却益から配当金を得ることを目的とした投資です。
通常不動産投資には多額の資金が必要になりますが、REITは少額の資金から気軽に不動産投資を始められます。
分散投資でリスクを分散できることや、不動産の運用や管理業務はすべてそれぞれのプロが行ってくれるため管理の手間がないという点からも副業として人気を集めています。
また不動産はインフレに強いといわれており、物価が上昇した場合は不動産の資産価値や賃貸料も同時に上がることが多く、分配金や売却益も増加する傾向があります。
もしインフレにより個人資産が減少してしまった場合でも、REITを保有しておくことで資産減少のリスクに対応できるかもしれません。
国債(国庫債券)
国債とは国庫債券の略で、国の債券を購入し、金利で利益を得るという投資方法です。
国債は値上がりによる利益を狙う投資ですが、満期日までに全額が返金される保証があり、満期日より前に売却することもできます。
元本保証は国が担っており、国が破綻しない限り元本が保証されるので、ローリスクで投資できます。
個人向け国債は金融機関で簡単に購入できるうえ、銀行に預金しておくよりも金利が高いのが嬉しいポイントです。
ローリスクローリターンで投資したい人や、長期間の投資を検討している人におすすめです。
金投資
金投資とは鉱物のゴールドに投資することで、純金積み立てや、ゴールドバーを購入して利益を得ることを目的として行われる投資方法です。
金投資は値上がり益を狙って売買するという面では株式投資やFXと似ていますが、価格が大きく変化しにくく相場に安定性があり、価値が長期的に続くというのがメリットです。
そのためインフレに備えたいという人や、実物資産を保有したいという人に向いています。
一方、短期で収益を得たいという人や、配当金を得たいという人には向いていない方法なので注意してください。
投資を行う場合の注意点
投資は副業になりませんが、始める場合、いくつかの注意点があります。
トラブルを回避するために、あらかじめしっかりと確認しておいてください。
確定申告が必要になる場合がある
会社員は年末調整をするため、一般的には確定申告は不要です。
しかし副業として投資を行い、一定の金額を超える収入があった場合には、確定申告が必要になることがあります。
確定申告が必要になる主なケースは、以下の4つです。
- サラリーマンなど給与所得者が年、間20万円以上の利益を得た場合
- 専業主婦など給与所得がない人が年間38万円以上の利益を得た場合
- 不動産を売却した場合
- 株式投資で特定口座を指定していない場合
確定申告が必要なケースであるにも関わらず確定申告を行わなかった場合、所得税を支払っていないことになり、ペナルティーを受ける可能性があります。
所得税についての確定申告が不要でも、住民税については確定申告が必要な場合もあります。
投資をする際は税についてしっかりと調べて、必要に応じてきちんと申告しましょう。
心配な人は税理士事務所などで相談するのがおすすめです。確定申告が必要かどうかはもちろん、経費にできるものについてのアドバイスや、場合によっては確定申告書の作成を依頼することもできます。
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投資を始める際には、就業規則をしっかりと確認しておきましょう。
投資は副業にならないことが多いですが、証券会社や投資銀行、取引所など投資関連の会社の場合は投資自体を禁止していることがあるので注意が必要です。
禁止されていることに気づかずに投資を始めてしまうと、懲戒処分などの思いペナルティーを受ける可能性があります。
投資を始めてもよいのかわからない場合は、専門の部署に確認しましょう。
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投資は余剰金で行うようにしましょう。
投資は必ず収入が得られるわけではなく、場合によっては大きく損をしてしまうリスクもあります。
利益を得るためには冷静な判断を行う必要があり、資金や時間に余裕をもって投資を行うことが大切です。
とくに資金がないときに生活費を削ったりお金を借りて投資を行うと、万が一失敗したときに自分を追い込んでしまうでしょう。
投資を行う際は、もし損をしても当面の生活に困らない「余剰資金」を使うようにしてください。
まとめ
- 副業とは本業とは別に副収入を得る仕事
- 投資とは資産を運用すること
- 一般的に、投資は副業にならない
- おすすめの投資
- 株式投資
- 投資信託
- FX
- ETF(上場投資信託)
- 仮想通貨
- 不動産投資
- REIT
- 国債
- 金投資
- 投資を行う際は確定申告や本業の就業規則を確認し、余剰資金で行う