日頃から連絡やメッセージのやり取りのためにたくさんの人に利用されているline。日本だけでなく海外の人にも利用されており、世界的なコミュニケーションツールとして欠かせないものになっています。
メッセージのやり取りに役立つスタンプ機能も有名で、個人でも自由にlineスタンプを作成、販売できるとして一時期副業としても人気が出ました。
しかしスタンプを販売できるようになった2014年以来、クリエイターの数はどんどん増えたため、ネット上ではlineスタンプ副業は稼げないという声も増えています。
そこで、この記事ではlineスタンプ副業は稼げるのか、またlineスタンプで稼ぐためにはどうすればいいのかを解説します。自分でlineスタンプを作成、販売してみたいという人は参考にしてみてください。
lineスタンプの副業は稼げるのか?
誰でも自由に作成して販売することができるlineスタンプ副業。lineスタンプをlineユーザーに販売して収益を得るという副業です。登録をすれば誰でもスタンプの作成や販売を行うことができます。
スタンプの種類には、通常のスタンプの他にも複数の種類のスタンプがあります。
- アニメーションスタンプ
- カスタムスタンプ
- メッセージスタンプ
- BIGスタンプ
- ポップアップスタンプ
- エフェクトスタンプ
lineスタンプの人気クリエイターの中には月100万円以上稼ぐという人もいますが、それはほんの一握りです。平均すると月1,000円以下というクリエイターが多く、全く売れずに稼げないという人もいます。
プロのイラストレーターだけでなく主婦や会社員もスキマ時間に取り組みやすい副業ですが、実際にlineスタンプで稼ぐのは大変だと言えるでしょう。その理由として大きく3つの理由が挙げられます。
競争率が高い
lineスタンプを販売しているクリエイターの数は年々増えており、販売スタンプ数は1,000万を超えています。公式スタンプや有名クリエイターが販売するスタンプが多い中で売上を出していくことはなかなか難しいのが現状です。
他の副業のほうが稼げる可能性が高い
lineスタンプを作って販売しても売れないという可能性もあります。上記のように競争率も高くなっているため、頑張ってたくさん作っても売れない場合、収益は0円です。特に、始めたばかりの頃は全く売れないという人も多いため、知人や友達に声をかけて購入してもらうというパターンも多くなっているようです。
月に数万円を稼ぐためには、知名度を上げて沢山の人に購入して貰う必要があります。時間をかけても売れないのであれば、他の副業をした方が良いと思うようになることもあるでしょう。
手数料が高い
lineスタンプ販売の大きなデメリットと言えるのが、手数料の高さです。アプリ元のApp StoreやGooglePlayに対して30%の手数料、販売するlineに35%の手数料が取られます。差し引いて残った35%が自分の取り分です。
120円で1つスタンプが売れたとしても、実際の取り分は50円ほどとなるため、1,000円稼ぐためには20個以上スタンプを販売して売る必要があります。売れない限りは収入につなげることができない分、見通しが立たないという不安な面も大きいでしょう。
また、lineスタンプの売上の入金方法は「銀行口座振込」と「linePay入金」のどちらかを選択することができますが、手数料が有料である銀行振込に比べてlinePayは入金手数料が無料になるため、少しでも手数料を抑えたい場合は「linePayへの入金」を利用するのがおすすめです。
lineスタンプで稼ぐためのコツ
ここからはlineスタンプ副業で稼ぐためのコツについて解説します。lineスタンプは誰でも簡単に始めることができますが、1つのスタンプを売るまでには時間がかかる可能性もあります。稼ぐためのコツを押さえておきましょう。
どういうスタンプが売れているかを研究する
まずは売れているlineスタンプと売れていないlineスタンプにはどういったものがあるのかどうかを確認し、研究することが大切です。人気のスタンプはlineクリエイターズスタンプの販売サイトから確認することができます。
ランキング上位のスタンプを実際に自分で使ってみて、使いやすいスタンプの傾向を押さえておくと参考になりますよ。
ターゲットを明確にする
lineスタンプを使うユーザーのターゲット設定をすることも大切です。「会社員」「主婦」「女子高生」など、ターゲットを絞ることによってよりターゲット層が好むスタンプを作成しやすくなるため、売れる可能性も高くなります。
シチュエーションに合ったスタンプを考える
スタンプを使うユーザーの目線に立って考えることも大切です。lineを使ってメッセージのやり取りを行っているユーザーはどんな場面でどんなスタンプを使うのか、どんなシチュエーションでスタンプを使いたいと思うのかを想定しながら日常的に使えるようなスタンプを制作しましょう。
普段から自分でもlineでスタンプを利用していると、新しいアイディアが浮かぶ可能性も高くなります。
いくつか作ってみる
売れるスタンプにするためには、まず実際にいくつか作ってユーザーの反応を見てみることも大切です。その中で売れたスタンプがあれば、気に入ってもらえたキャラクターをシリーズ化させてバリエーションを広げやすくなります。
人気のキャラクターを使ってシリーズ化することで他のスタンプも売れるようになるため、認知度を上げることも期待できます。
日本だけでなく海外でも販売する
日本のみでの販売はどうしても人気のスタンプに売上が傾いてしまうため売れにくいと言ったことがありますが、世界に向けた販売を行うことで海外の人に購入してもらえる可能性もあります。
lineは世界中で利用されているアプリです。海外の人に向けたスタンプを作る際は、画像だけで気持ちを伝えられるようなスタンプや、英語でのメッセージなど工夫をこらしたスタンプの製作が必要となります。
SNSを活用する
自分のSNSを活用してスタンプを宣伝するという方法もおすすめです。lineスタンプはどんどん新しいものが出てくるため、新着で登録したとしてもすぐに宣伝から外されてしまう可能性もあります。
lineスタンプ販売で稼ぐためには知名度を上げてランキングに入ることが必要になってくるため、ツイッターやインスタグラムなどのSNSを利用して宣伝することでフォロワーからスタンプを購入してもらえる可能性も期待できるでしょう。
lineスタンプ副業の始め方
次に、lineスタンプを実際に作って販売するための方法について解説します。lineアカウントがあれば誰でも簡単に始められるため、興味がある人はチャレンジしてみてもいいでしょう。
lineクリエイターズマーケットに登録する
lineスタンプを販売するためには、まず「lineクリエイターズマーケット」に登録する必要があります。lineクリエイターズマーケットは、lineアカウントでクリエイターの登録を行い、オリジナルのlineスタンプを販売することができるマーケットサイトです。
登録は無料で、lineのアカウントがあれば登録も簡単。イラストレーターだけでなく一般のユーザーでもクリエイターとして登録できます。自由に制作したスタンプは日本だけでなく世界に向けて販売することが可能です。
登録や作成はlineクリエイターズマーケットの「制作ガイドライン」に沿って行うようにしましょう。
販売するイラスト作成や画像加工を行う
lineクリエイターズマーケットに登録後は、実際にスタンプ制作を行います。
スタンプの種類によって画像数やサイズなどの項目が異なっている場合もあるため気をつけましょう。
メイン画像 | スタンプ画像 | トークルームタブ画像 | |
---|---|---|---|
スタンプ | 1個
横240px×縦240px |
8個/16個/24個/32個/40個
横370px×縦320px(最大) |
1個
横96px×縦74px |
アニメーションスタンプ | 1個
横240px×縦240px |
8個/16個/24個
W320×H270(最大) |
1個
横96px×縦74px |
カスタムスタンプ | 1個
横240px×縦240px |
8個/16個/24個/32個/40個
横370px×縦320px |
1個
横96px×縦74px |
メッセージスタンプ | 1個
横240px×縦240px |
8個/16個/24個
横370px×縦320px(最大) |
1個
横96px×縦74px |
BIGスタンプ | 1個
横240px×縦240px |
8個/16個/24個/32個/40個
横80px×縦524px(最小) 横396px×縦660px(最大) |
1個
横96px×縦74px |
ポップアップスタンプ | 1個 横240px×縦240px(ポップアップメイン画像)1個 横480px×縦480px |
8個/16個/24個 横370px×縦320px(最大)(ポップアップ画像)8個/16個/24個 横480px×縦480px(最大) |
1個
横96px×縦74px |
エフェクトスタンプ | 1個 横240px×縦240px(エフェクトメイン画像)1個 横480px×縦480px |
8個/16個/24個 横370px×縦320px(最大)(エフェクト画像)8個/16個/24個 横480px×縦480px(最大) |
1個
横96px×縦74px |
基本的にスタンプは8個/16個/24個/32個/40個の中から自由に選択できます。審査をリクエストしたあとは、個数の変更ができなくなるので注意しましょう。スタンプ画像に加え、メイン画像とトークルーム画像も必要です。
自分で描いたイラスト以外にも、スマホやカメラで撮影した写真を使用することもできます。イラストなどの背景は透明にしておくようにしましょう。
簡単にlineスタンプを作成する方法については以下の記事でも解説していますので、合わせてご覧ください。
販売するスタンプを申請する
販売するスタンプが完成したら、スタンプを販売するための登録を行い、審査を受ける必要があります。スタンプをアップロードして販売価格を決め、スタンプを申請しましょう。
販売価格は5種類から選ぶことができます。
- 120円
- 240円
- 360円
- 480円
- 600円
あまり高く設定しても売れない可能性が高いため、初めての販売の場合は120円からはじめるのがおすすめです。実際に販売されているスタンプも120円のものがほとんどとなっています。
また、「スタンプ審査ガイドライン」では、スタンプの審査基準を以下のように定めています。
推奨するスタンプ
- 日常会話、コミュニケーションで使いやすいもの
- 表情、メッセージ、イラストが分かりやすくシンプルなもの
NGなスタンプ
- 日常会話で使用しにくいもの(例:物体、景色など)
- 視認性が悪いもの(例:横長な画像や、8頭身キャラクターの全身など)
- スタンプ全身のバランスを著しく欠いているもの(例:淡色ばかりのもの、単なる数字の羅列など)
- 公序良俗に反するもの、未成年者の飲酒喫煙を想起するもの、性的表現、暴力的表現、ナショナリズムを煽るもの
許可されない場合は修正して再申請する必要があるため注意しましょう。詳しくはlineクリエイターズマーケット「スタンプ審査ガイドライン」に定められていますので、そちらも合わせてご確認ください。
審査終了後、スタンプを販売開始
審査結果はおよそ1週間程度でlineに通知が届くようになっており、スタンプの審査に通ればスタンプを販売することができるようになります。スタンプが売れた場合、手数料を引いた売上額が1,000円を超えると送金申請が可能です。
linePayの場合は送金手数料が無料ですが、出金する場合は手数料が220円かかります。また、銀行振込の場合は振込手数料が550円かかるため注意しましょう。
lineスタンプ副業に向いている人
年々競争率が高くなっており、lineスタンプ副業で稼ぐのは大変になってきていますが、初期投資なども必要なく空いた時間を使って手軽に始められるというメリットもあります。
- イラストを描くのが好きな人
- 写真を撮ったり画像を編集したりするのが好きな人
- 自分だけのオリジナル作品を作ってみたい人
上記に当てはまる人は、lineスタンプ販売は楽しみながらできる副業であると言えるでしょう。lineスタンプ販売は時間をかけずに空いた時間を使って行うことができるため、他の副業と組み合わせて行うことで収入を得られる可能性も高くなります。
逆に、売れるまで時間がかかる場合もあるため、すぐに収入につなげたいという人にはlineスタンプ販売はあまり向いていないと言えるでしょう。
lineスタンプ副業の注意点
lineスタンプ副業を始めるにあたって注意しなければならない項目もあります。スタンプを販売する前にガイドラインを確認し、禁止項目などを確認しておくようにしましょう。
著作権に注意する
lineスタンプを販売する場合は著作権に注意しましょう。lineスタンプはオリジナル作品である必要があり、他の人が作成した画像やイラストを使うと著作権の侵害になるケースもあります。
ネット上で見られるフリー素材であっても、営利目的での利用ができるかどうかは全く別問題です。フリー素材を利用したい場合は、作成者へ確認する必要があるため気をつけるようにしましょう。
個人情報を求めることは禁止
スタンプの購入者に対して電話番号や名前などの個人情報の提供を求めることは禁止されています。スタンプを販売する側もアドレスやSNSツールの名前などをスタンプ内に含めることはできません。
宣伝を目的とした販売はできない
有料で販売するスタンプは、宣伝を目的として販売することはできません。企業のロゴのみや告知を行うためのスタンプは作成できないため気をつけましょう。
売上が出た場合は金額に応じて確定申告や住民税の申告が必要
ラインスタンプ販売は副業にあたるため、年間所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。売上額が少ない場合でも、住民税の申告は必要となるため忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、lineスタンプで稼ぐための方法や始め方、注意点について解説しました。
- lineスタンプは誰でも簡単に始めることができるが、その分競争率や手数料が高く、他の副業の方が稼げる可能性が高い
- lineスタンプ販売を副業として行う場合は、売れているスタンプの傾向をつかみ、宣伝を行いながら工夫をこらしたスタンプを考えていくことが必要
- lineスタンプを販売する際は、著作権や個人情報には十分注意することが大切