ソフトウェアベンダーとは?他のベンダーとの違いは何?

IT業界に関わる人は、「ソフトウェアベンダー」という言葉を聞く機会が多いでしょう。また、ITベンダーや開発ベンダーといった似たような言葉を聞いたことのある人も多いでしょう。

そこで今回は、ソフトウェアベンダーについて詳しく解説していきます。また、他の用語との違いについても紹介しているので、この機会に理解してしまいましょう。

ソフトウェアベンダーとは

ソフトウェアベンダーとは、ソフトウェアの開発を行う企業のことです。ソフトウェアベンダーは、工場などで利用される生産管理システム、営業時に役立つ営業支援システム、経理の決算書作成を効率化する会計システムなどを販売することで、利益を得ています。

ソフトウェアベンダーが多くの業務システムを開発したことで、現在行われている管理業務が効率化されました。以前に比べて、管理業務に携わる人数が少なくて済むようになったのは、ソフトウェアベンダーによる影響が大きいでしょう。

ハードウェアベンダーとの違い

ソフトウェアベンダーに対して、ハードウェアの販売を行う企業のことをハードウェアベンダーといいます。ハードウェアとは、PCや家電製品などの製品そのものです。一般消費者向けの製品だけでなく、データサーバーなどの法人向け製品も多く販売されています。

なお、ソフトウェアはハードウェア上で動きますが、ソフトウェアの動作はハードウェアのスペックに依存することになります。そのため、ハードウェアとソフトウェアの両方を開発している企業も多く存在します。

もちろん、PCの内部パーツであるハードディスクやCPU、メモリなどを専門に販売するハードウェアベンダーも多く存在します。

ソフトウェアベンダーに似た用語

ソフトウェアベンダー以外にも同じような意味で使われている用語は多くあります。ハードウェアベンダーは、明確に意味が違いましたが、名前が違うだけで、意味は同じだったりする用語も多くあります。

今回は、次の用語が指す意味について紹介していきます。

  • ITベンダー
  • 開発ベンダー
  • システムベンダー
  • システムインテグレーター(SIer)
  • ITコンサルタント
  • ソリューションベンダー

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ITベンダー

ITベンダーは、ハードウェアとソフトウェアの両方を開発し、販売する企業のことをいいます。

一般的には、法人の業務効率化を目的としたシステムを開発し、各企業に営業を行って販売している企業が多いです。レジで利用されているPOSシステムや、業務データを一括管理できるデータサーバーなどがイメージしやすいでしょう。

なお、開発システムの販売だけでなく、運用・保守といったサポート業務を行って、継続的に利益を得る企業も多く存在します。

システムベンダー

システムベンダーは、ITベンダーとほぼ同じ意味です。ソフトウェア単体の開発というよりは、ハードウェアとソフトウェアの両方を組み合わせて、システム全体を構築し、販売する企業のことです。

開発ベンダー

開発ベンダーは、ソフトウェアベンダーの別の言い方だと思って良いでしょう。ITベンダーからソフトウェア部分の開発のみを依頼され、開発を行う企業なども珍しくありません。

システムインテグレーター(SIer)

システムインテグレーター(Systems Integrator)は、企業の業務課題を解決するためのシステムを開発する人のことです。SIerと呼ばれることが多いです。

ITベンダーが開発するシステムは、不特定多数に対して販売されます。一方、SIerは業務課題を解決するために、各企業に個別でシステムの提案や開発を行います。

その企業に合ったシステムを提案し、開発することもありますが、SIerはメーカーを兼ねていることが多いため、自社製品のハードウェアとソフトウェアを組み合わせたシステムを提供することで、クライアント企業の業務課題を解決する場合が多いです。開発よりも、営業に近い仕事だともいえます。

ITコンサルタント

ITコンサルタントもIT技術でクライアント企業の業務課題を解決する人のことです。しかし、その役割はSIerに比べて、システム開発に近いといえます。

ITコンサルタントは、クライアント企業の業務を分析し、課題を解決するためのシステム開発を行います。開発システムの上流工程を受け持つことになるので、専門的な知識が必要です。なお、開発の下流工程は、関連企業に任せたり、開発ベンダーに依頼することもあります。

ソリューションベンダー

ソリューションベンダーは、IT技術で業務課題を解決する企業のことです。クライアント企業の業務を分析して改善案を提案する必要があるので、IT知識だけでなく、企業運営に関する知識も重要です。

ソリューションベンダーで働く人達のことを、SIerやITコンサルタントと呼ぶのだと認識しておきましょう。

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ベンダーにとって重要なこと

ソフトウェアベンダーを始め、システム開発に携わるベンダーには、絶対に意識しなければいけないことがあります。ベンダーが意識しなければいけない重要なことは次の通りです。

  • 開発コストの見積もり
  • 効率的な開発業務
  • 運用コストの見積もり
  • 開発システムの品質

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

開発コストの見積もり

ソフトウェアベンダーなどがシステムを開発する場合、最も必要となる経費が人件費です。開発のために必要な人員や期間、外注費用などの見積もりが甘いと、開発自体が赤字になってしまいます。

システム開発に携わるプログラマーが、長時間労働で残業代が出ないブラック企業で働いているイメージが強いのは、開発コストの見積もりが甘いことを、現場の担当者に負担させていることが多いからだといえるでしょう。

効率的な開発業務

開発コストの多くを占めるのは、人件費です。つまり、効率良く仕事を進めることによって、開発コストを抑えることができます。そのため、開発者にはコストパフォーマンスの高い業務が求められます。そして、仕事の効率性が人事評価の対象になることも多いです。

業務を効率化するためのシステムを、効率よく開発するのがソフトウェアベンダーで働く人達の仕事というわけですね。

運用コストの見積もり

各ベンダーは、クライアント企業にシステムを提供した後に、運用や保守業務を受け持つ場合もあります。そのため、システムの運用しやすさもベンダーにとっては重要です。

担当者1人で、複数のシステムを管理できるのであれば良いですが、1つのシステムに複数の担当者が必要であれば、運用コストで赤字になってしまう場合があります。

特に、サブスクリプション(定額制)サービスの場合には、開発コストよりも運用コストの見積もりの方が重要となってくるでしょう。

開発システムの品質

納期に間に合わせるために、品質の低い開発システムを提供してしまった場合、大きな問題に発展することもあるので注意が必要です。

例えば、システムが原因で重要なデータを紛失してしまったり、顧客データを奪われてしまうといったトラブルが起きれば訴訟問題になりかねません。

納期に遅れずにシステムを納品することも大切です。しかし、十分なテストを行った品質の高いシステムを納品することもベンダーにとっては重要なことです。

まとめ

ソフトウェアベンダーとは、ソフトウェア開発を行う企業のことです。ハードウェアベンダーやITベンダーなど、似たような用語もあるので、その違いはしっかりと理解しておきましょう。

ソフトウェアベンダーを始め、システム開発に携わる各ベンダーは、開発コストや運用コストの見積もりをしっかりと行った上で、効率よく業務をこなす必要があります。無理な開発スケジュールは、システムの品質低下やブラック労働の原因になってしまいます。

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