副業や兼業などの自由な働き方が促進されるようになり、コロナ禍やテレワークなども相まって副業を考えるという人も増えています。
ただ副業の種類はとても多く、初めて副業をするという人にとってはどんな副業を選んだら良いのか悩んでしまいますよね。
おすすめの副業が人によってそれぞれ違うように、その人によっておすすめできない副業もあります。この記事では、副業をおすすめしない理由や副業の種類、副業が向かない人の特徴について解説していますので、副業を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
人によっては副業をおすすめしない場合もある
副業を行う目的は人それぞれです。収入を上げることが目的の人もいれば、興味のある仕事に挑戦してみたい人や趣味をビジネスにしたい人、将来的な転職や起業のためなど、さまざまな目的を持った人がいます。
副業にもたくさんの種類があるため、人によって向きや不向きが存在します。職種や仕事内容によって合う合わないがあるように、副業にも目的や仕事内容によってはおすすめできないものもあります。
副業がおすすめできない理由として、次のようなケースが挙げられます。
すぐに成果が出るとは限らない副業もある
副業で本業以上に稼いでいる人の姿や成功体験を見て、「自分もやってみたい」「趣味を仕事にしてみたい」と考えたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
副業は初期投資をかけずにスマホやパソコンがあればすぐに始められる仕事も多いです。自分の好きな仕事や興味のある仕事にも手軽に挑戦できるため、副業を始めるハードルは低いと言えます。
ただし、全ての副業が始めてすぐに成果が出せるわけではありません。特にブログやYouTubeなどは稼げるまでに時間がかかるため、収益化する前に挫折してしまうことが多い副業の筆頭です。
すぐに収入につなげたい場合や継続して安定した金額を稼ぎたいという場合は、アルバイトやパートなどの副業を選ぶか、給料が上がる会社に転職する方が早いでしょう。
継続するのが難しい副業もある
副業は継続していくのが大変です。どうしても本業を優先しなければならないため、本業が忙しくなると副業にかけられる時間が少なくなり継続できなくなるというケースもあります。
特に体を動かすアルバイトやウーバーイーツの配達員など、シフト制や体力を消費する仕事を会社が休みの土日などに行っていた場合、疲れを月曜日に持ち越してしまい仕事に身が入らなくなったり、体調に影響してしまったりする場合も。
結果的に会社に迷惑をかけてしまうことになるため、報酬が高くても継続しにくい副業はあまりおすすめできません。一時的に収入が欲しい場合以外は避けたほうが良いでしょう。
リスクが高い副業もある
投資やせどりなど、スキルや時間がない人でも気軽に始められる副業も増えてきていますが、初期資金が必要だったり赤字になってしまう可能性があったりなどのリスクが高い副業もあります。
失敗した場合は私生活や本業にも影響が出てしまう可能性も。資金に余裕がある人や全て自己責任のもとでできる人以外はリスクのある副業は避けたほうが良いでしょう。
詐欺やトラブルに巻き込まれる可能性がある
動画広告やSNSから来る勧誘などには、詐欺案件が紛れている場合があります。「誰でも簡単」「楽に」「たったの3分」などの言葉を聞くととても魅力的に感じてしまいますが、全く別の仕事を紹介されてLINEの登録を要求されるするケースや、高額なセミナー代や準備資金を求められるケースなどもあるようです。
副業していることを周りの人に話さないという人も多いため、騙されている人自身は騙されていることに気づかない場合が多いのが詐欺の特徴です。もしも詐欺やトラブルに巻き込まれているのではないかと思った場合は家族や消費者センターや弁護士、警察署などになるべく早めに相談するようにしましょう。
費やした時間の割に稼げない副業もある
時給制のアルバイトやパートであれば働いた分だけの給料をもらうことができますが、在宅で行う業務委託や成功報酬制の副業の中には、かかった時間の割にあまり稼げないというケースもあります。
特に、クラウドソーシングサイトで発注されている仕事やポイントサイトのアンケートなど誰にでもできるような案件は、数も多いですが単価も低くなりがちです。
副業に費やしている時間が多いのに大した金額が稼げないのはモチベーションの維持に影響し、途中で挫折してしまう原因にもなってしまいます。
副業初心者におすすめしない副業の例
上記のように、副業には人によってあまりおすすめできないものもあります。副業がおすすめできない理由を踏まえて、ここからは副業初心者におすすめしない副業例をご紹介します。初めて副業をするという場合は、目先の利益にとらわれず慎重に副業を決めるようにしましょう。
成果が出るまで時間がかかるブログや動画配信
ブログやYouTubeをはじめとした動画配信は、初期投資をかけずにスマホやパソコンがあれば誰でも始められる副業です。収益化できると本業よりも稼げる可能性も出てくるというメリットもあり、YouTubeは小学生の将来なりたい仕事ランキングの上位に入るほど人気の仕事でもあります。
ただし、ブログやYouTube等の動画配信は収益化できるまでが大変です。時間がかかっても収益化まで到達できればいいですが、収益化できるまでに挫折してしまうケースも多く見られます。
継続が難しいアルバイトやパート
アルバイトやパートなどの副業は時給制であることが多いため、働けば働いた分だけの給料をもらうことができます。ただ、長期的に続けていくことを考えるならアルバイトやパートは副業向きではないでしょう。
なぜなら、アルバイトやパートは体力面や精神的にも大変であり、時給が大きく上がる可能性も少ないからです。
仕事の後や休みの日に副業をすることで休息時間が減り、本業に支障が出てしまったり、副業の場所での人間関係でストレスを感じてしまったりする可能性もあります。
また、アルバイトやパートの場合は給与所得になるため確定申告をしなければならず、住民税を普通徴収にできないので会社に副業所得がバレてしまう可能性も高くなります。
一時的な収入が得たい場合は単発のアルバイトなどでも問題ないですが、長期的に続けていくことを考えるならアルバイトやパート以外の副業を選ぶ方が良いでしょう。
リスクが高い投資
株式やFXなどの投資全般も、初心者にはあまりおすすめできません。なぜなら、相場価格の変動や元本割れなどのリスクが高いからです。
証券会社によっては少額から始めやすい投資の種類などもあり、投資に対しての敷居は低くなってきていますが、投資を始める場合は正しい知識や情勢を見極める能力が必要となります。
投資に対しての知識があり世界経済に精通している人や、資産に余裕がある人以外は、最初に投資を副業に選ぶのは避けたほうが良いでしょう。
あまり稼げないポイントサイト
「ポイ活」とも言われており、スマホがあれば誰でも手軽に行うことができる副業です。ポイントサイト内でポイントを稼ぎ、たまったポイントは現金や電子マネーなどに交換することができます。
ポイントを貯める方法は、ポイントサイトによっても異なりますが主に以下の種類があります。
- アンケート
- 動画視聴
- ゲームやクイズをする
- クレジットカードの新規登録
- アプリの新規会員登録
- ショッピング
クレジットカードや口座開設、アプリの会員登録などはポイント還元率も高くなりますが、ゲームやアンケートなどは1つにつき0,5円〜1円相当のものが多くなります。他にもネットショッピングでポイント還元が受けられたり、レシートを撮影するだけでポイントがたまったりするものもあります。
時間のない人でもちょっとしたスキマ時間を使って稼ぐことが出来るため人気の副業ですが、稼げる金額はお小遣い程度で、ポイ活のみで大きな金額を稼ぐことは難しいでしょう。
ポイ活をするなら複数のポイントサイトを使ったり、ポイ活は少額しか稼げないものと割り切って他の副業と並行して行っていくことをおすすめします。
赤字になる可能性があるせどり
せどりとは転売の一種で、「安く仕入れた物を高く売る」という仕組みで稼ぐ副業です。
商品の仕入、梱包・発送に使う資金や、在庫を保管しておくスペース、安く仕入れて高く売るための工夫が必要になります。
商品を安く仕入れても売れ残ってしまった場合はその分赤字になってしまいます。商品のリサーチや情報収集作業もあるため、思っている以上に時間がかかる仕事です。
初心者からせどりを始めたいという場合は、まず家の不用品の販売から慣れていくのが良いでしょう。
物販副業についてはこちらの記事でも解説していますので興味がある人はこちらも合わせてご覧ください。
副業が向かない人の特徴
ここまでおすすめしない副業について解説しましたが、人によっておすすめできない副業があるのと同様に、副業するのにあまり向かないという人もいます。
副業を始めてみたいと思った場合は、以下の条件に当てはまっていないかどうか自分に照らし合わせて考えてみましょう。
本業の会社で副業が禁止されている人
本業の会社で副業が禁止されている場合、副業はあまりおすすめできません。会社に100%バレずに副業をすることは難しく、いつかは必ずバレてしまう可能性も高いです。
副業がバレてしまった場合、会社の規定によりますが懲戒処分などを受ける可能性もあります。会社員の場合は副業を禁止する法律がないため無効になるケースもありますが、法律で副業を制限されている公務員は減給や戒告などの処分が課される場合があるため注意が必要です。
本業が忙しい人
本業が忙しい人に副業は向いていません。残業や出張などがあったり日頃から忙しく働いていたりする場合、副業で労働時間が増えることでゆっくり休む時間が減って睡眠不足や体調不良を引き起こしてしまう可能性も高くなるため、本業に支障が出てしまう場合もあります。
本業と副業の両立は思っている以上に難しいものです。忙しい中で副業を始めても途中で挫折してしまう可能性が高いため、まずは本業での仕事の環境を整えたり、副業ができるような会社に転職するなどの副業しやすい環境を整えることが大切です。
趣味が多い人
熱中できる趣味を持っていたり、プライベートの時間を使って取り組んでいることがあるという人は、副業をするとそれまで趣味に充てていた時間がなくなってしまうためあまりおすすめできません。
副業を始めたばかりの頃は副業に対するモチベーションも高くなっているためやる気が続きますが、仕事やプライベートの時間との切り替えがうまくいかなくなってくるとストレスが溜まってしまったり、挫折してしまったりする可能性も高くなります。
すぐに収入が得られると思っている人
ブログや動画などで「副業で本業以上の収入が得られた」という成功体験を聞くと、自分も同じようにやってみたいと思う人もいるでしょう。しかし、誰でもすぐに稼げるようになるとは限りません。
副業で成功している多くの人は、コツコツ努力を続けることで結果を出しています。すぐに稼げるという謳い文句の副業は詐欺などの怪しい案件がほとんどです。
副業で稼げるようになるには、まず継続していくことが大切になります。最初は結果が伴わなくても、続けることで新しいスキルが身についたり、少しずつ収益につなげたりすることができます。
時間の管理が苦手な人
副業は基本的に一人で行うものです。本業のように就業時間が決まっていない副業は、ペース配分や自分の時間のバランスを自分で考えなければなりません。
在宅ワークの場合は、仕事とプライベートが曖昧になりやすいため、集中力が続かなかったりついつい家のことをしてしまいがちになったりします。在宅で副業をする際は仕事の調整やスケジュール管理をしっかりと行う必要があるため、「家では仕事をしたくない」「家にいるとだらけてしまう」という人には副業を継続していくことは難しいかもしれません。
家で集中力が続かないという人は、お気に入りのカフェで仕事をしたり、コワーキングスペースなどを使ってみるのも良いでしょう。仕事の場所を変えることで家での作業よりも集中できる場合もあります。
自分に合った副業の選び方
副業で大切なのが、自分に合った副業を選ぶということです。報酬の高さだけで選んでも、仕事の内容が自分に合っていない場合や長く続けられないという場合もあります。
ここからは副業を選ぶ際のポイントを解説していきましょう。
何のために副業をするのかを明確にする
まずは何のために副業を始めるのか、その目的を明確にすることが大切です。収入を増やすため、新しいスキルの獲得のため、転職や起業の準備のためなど、なぜ副業をするのか考えた時に浮かんでくる目的や目標があるでしょう。
目的や目標が定まっていない状態でなんとなく副業を始めると、少しつまづいた時に挫折してしまう可能性も高くなってしまいます。
継続しやすい副業を選ぶ
副業は自分のペースで取り組める継続しやすい副業を選ぶことが大切です。副業にはさまざまな種類の仕事がありますが、最初慣れるまでは時間がかかってしまうこともあります。
納期などがある仕事の中には、本業の後に睡眠時間やプライベートの時間を削ってやらなければならないというケースもあります。シフト制や体力を使うアルバイト等の場合は、あまり無理をすると本業に支障をきたしてしまう可能性もあります。
本業や家事の時間、プライベートの時間とのバランスを取りながら無理なくできる副業を選ぶようにすると継続しやすくなるでしょう。
趣味や特技を活かした副業を選ぶ
副業にはさまざまな種類があるため、自分の好きなことや得意なことを活かせる仕事もあるはずです。全くの未経験から始めやすいのが副業のメリットではありますが、専門知識やスキルなどがあればその分効率よく仕事ができるため高単価の案件を受注できるようになります。
少しでも早く収入を得たいという人は、自分の持っているスキルや特技を活かした副業を探してみるのも良いでしょう。
ハローワークや求人情報を活用する
アルバイトやパート以外の副業を探す手段というと、主にクラウドソーシングサイトなどを利用することが多いかと思いますが、ハローワークや多くの求人情報にも掲載されている場合もありそちらを活用するのもおすすめです。
副業について疑問があった場合でも、ハローワークの職員に相談したり、気になる仕事内容について詳細を聞いたりすることができるので上手く活用していきましょう。
副業にはメリットもある
上記で挙げた副業がデメリットばかりというわけではありません。副業にもたくさんのメリットがあり、これから先の人生のターニングポイントになる可能性もあります。
副業のメリットは以下の記事でも解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
副業する時の注意点
最後に、副業をする際の注意点について解説します。
本業とのバランスに気をつける
副業を行う場合は本業に支障が出ないように注意しましょう。本業も副業も仕事という意味ではどちらもおろそかにはできませんが、自分の責任で副業を始めた以上、本業にはしっかりと取り組む必要があります。
会社員の場合は平日は8時間働いているというのがほとんどなので、仕事の後や休日に副業に取り組むことになります。プライベートや寝る時間を削って副業をすることになるため体力的にも精神的にも大変です。副業を頑張りすぎて本業に影響が出てしまう可能性も考えられます。
本業に支障をきたすような副業は挫折する可能性も高いため、副業にあてる時間やペースをしっかりと決めておくことが大切です。無理なく副業に取り組める仕事を選ぶことも重要なポイントになります。
詐欺案件に注意する
副業の多くはネット上で探すことができますが、中には「毎日3分で高収入」「誰でも簡単に稼げる」などを謳う広告や案件なども見られます。ただし、楽して稼げるという案件のほとんどは詐欺案件である可能性が高いです。
副業は誰でも簡単に稼げるというわけではありません。スキルや知識なども必要なく、初期投資も少ない状態で始められる副業ですが、結果を出すためには時間と努力を重ねる必要があるからです。
副業で活用されているクラウドソーシングサイトにも、仕事の詳細と全く違う仕事を紹介されたり、外部ツールへの登録を促したりするといった案件もあるようです。副業での責任は全て自分自身で負うことになるため、副業を選ぶ際は内容を吟味しながら慎重に決めていく必要があるでしょう。
また、もしも騙されていることが分かった場合は、早めに消費者センターや警察署に相談しましょう。
副業の年間所得が20万円を超えたら確定申告が必要
副業の年間所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。「所得」とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことをいいます。副業収入が20万円以上だったとしても、仕入や消耗品などの費用を差し引いた金額が20万円未満であれば基本的に確定申告を行う必要はありません。
ただし、何らかの事情で本業で年末調整を行っていない場合や、2ヶ所以上で給与所得がある場合は20万円以内であっても確定申告が必要です。
所得金額に関わらず住民税の申告は必要
副業所得が20万円未満の場合は確定申告を行う必要はありませんが、住民税の申告は必要です。住民税は所得税と異なり、金額に関わらず所得がある場合は納めなければならない税金となります。
住民税の管轄は市町村のため、住んでいる自治体の役所で手続きを行います。住民税の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」があり、基本的には本業の会社の給与から天引きされる特別徴収という形で納付されています。
もし副業の所得がバレたくないという場合には、確定申告や住民税の申告書へ記載する際に自分で納付する「普通徴収」を選択しましょう。普通徴収にすることで自分の元に納付書が届くため、銀行などの金融機関から直接納付することが可能となります。
ただし、普通徴収ができるのは給与所得以外の副業所得のみです。アルバイトやパートなどの雇用形態で副業している場合は原則として本業の給与と合算した額から算出された住民税が会社の給料から天引きされるため、会社にバレてしまう可能性も高くなってしまいます。
以下の記事では住民税の正しい申告方法や普通徴収について解説していますので合わせて参考にしてください。
まとめ
今回は、副業初心者におすすめしない副業の種類やその理由、副業選びの注意点について解説しました。
- 副業は人によっておすすめしない種類がある
- すぐに成果が出ない副業や継続しにくい副業、リスクが高い副業は人によってはおすすめできない
- 副業の中には詐欺や怪しい案件もあるので注意が必要
- 費やした時間の割に稼ぐことができない副業もある
- 成果が出るまで時間がかかる副業にはブログや動画配信などがある
- アルバイトやパートは継続が難しい
- 投資はリスクが高いので専門知識が必要
- ポイ活は他の副業と組み合わせて行うのがおすすめ
- せどりはやり方によっては赤字になる可能性もある
- 本業の会社で副業が禁止されている人や本業が忙しい人は副業はおすすめしない
- 副業はコツコツ続けることが大事なため、すぐに収入を得たい人やプライベートの時間を割きたくない人にはおすすめしない
- 副業を選ぶ際は、自分の目的や状況に合わせて選ぶことが大切
- 副業を探す際はクラウドソーシングや求人情報の他、ハローワークも活用可能
- 副業をする場合は本業に支障が出ないよう両立させていくことが大切
- 副業の年間所得が20万円を超えたら確定申告が必要
副業の仕事内容もさまざまなので、慎重に考えることももちろん大事ですが一度やってみるということも大切です。副業は準備や資金などが必要ない仕事の種類も多いため、気軽にチャレンジできるというのがメリットでもあります。
副業初心者は最初にどんな副業を選んだらよいか迷ってしまうことも多いと思いますが、この記事の内容が少しでも副業選びの参考になれば幸いです。