FXは副業になる?ならない?初心者からのFXの始め方や注意点

副業や兼業が促進されるようになり、会社員の中にも副業を考え始める人も増えてきています。本業の空いた時間を使って取り組める人気の副業として「投資」がありますが、投資は副業にならないため、会社で副業が禁止されている場合でも行うことができるとされています。

FXも投資の一種ですが、FXも副業にはあたらないのでしょうか。また、会社にバレずに行うことはできるのでしょうか。この記事では、FXが副業になるのかどうかやFXを始めるメリット、FXの始め方などについて解説しています。FXに興味がある人や、投資で副収入を得たいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

FXは副業なの?

「FX」は「Foreign Exchange(外国為替)」の略称で、「外国為替証拠金取引」とも呼ばれている投資の一種です。日本からアメリカに旅行した際に日本円を米ドルに両替するように、お金を交換することを「外国為替」といい、FXは通貨を交換する際にレートに応じて出た差額を利益とできるというものになります。

FXは労働ではなく株式投資などと同じように「資産運用」の一種とされているため副業とはみなされません。そのため、副業が禁止されている場合でも基本的にはFXを行うことができます。

ただし、副業ではないとしてもFXが原因で本業に支障が出たり、勤務時間中にFX取り引きをしたりすることはもちろん禁止です。FXのせいで金銭トラブルを起こして会社に迷惑をかけるような行為をした場合した場合なども規則違反とされて処分を受ける可能性もあるため注意しましょう。

また、金融商品取引業者や役員は、FX取り引きをしてはならないと法律で定められています。金融商品取引業者とは、銀行や証券会社・保険会社などの金融機関が扱っている預金や投資信託、株式、社債などの金融商品を取り扱うために金融庁に登録を受けている業者のことで、証券会社や投資信託委託会社などがあります。

金融商品取引業者に関する内閣府令 第百十七条(禁止行為)

個人である金融商品取引業者又は金融商品取引業者等の役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)若しくは使用人が、自己の職務上の地位を利用して、顧客の有価証券の売買その他の取引等に係る注文の動向その他職務上知り得た特別の情報に基づいて、又は専ら役機的利益の追求を目的として有価証券の売買その他の取引等をする行為

参照:e-GOV法令検索/金融商品取引業者に関する内閣府令

FXは会社にバレる?

FXが会社にバレてしまう大きな原因は、FXで出た利益によって発生した住民税です。

基本的に住民税は会社の給与から天引きされる「特別徴収」という形が取られています。前年にFXで得た所得があった場合、その分の住民税が加算されて給与から天引きされるため、会社の所得に見合わない住民税額だった場合に副業しているのではないかと会社側から疑われてしまう可能性があります。

会社に副業が疑われたくない場合や、FXをしていることがバレたくない場合は、住民税を申請する際に自分で直接納税を行う「普通徴収」を選びましょう。そうすると、FXでの所得分の住民税だけを普通徴収にすることが可能です。

また、住民税以外にも、勤務時間中にFXの取引をしているのを見られてバレてしまったり、会社の人に話したことから会社中の噂として広まってバレてしまったりする可能性もあります。

公務員でもFXはできる?

上記の通りFXは副業にはあたらないため、副業が禁止されている公務員でもFXを行うことは基本的には可能です。ただ、公務員は国や国民に対しての奉仕者という責任があるため、「職務専念義務」「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」という法律で定められた規則を守らなければなりません。

そのため、FXが原因で仕事や私生活に悪影響が出た場合は会社員よりも厳しく処分される可能性があります。

FXは確定申告が必要?

副業にならないFXであっても、副収入を得た場合はその分の納税義務が発生します。基本的に会社員の場合は年間の副収入が20万円を超えた際に確定申告が必要です。

FXの利益は副業所得と同じように「雑所得」にあたり、20,315%の税金が課されます。雑所得は経費の申告が認められるため、FXで利益を得るために使用した費用を経費として計上することも可能です。経費の例として、FX取り引きの手数料やFXに関わる書籍や雑誌代などがあります。利益額から経費を差し引いた金額が所得となり、この所得額によって所得税や住民税が決定されます。

年間所得が20万円に満たず、確定申告が必要ない場合であっても住民税の申告は必要です。少額だからといってきちんと申告しないのはNG。脱税していることが分かると、追加徴税を課される可能性もあります。

FXを始めるメリット・デメリット

FXは副業にはあたらないため、副業が禁止されている場合であっても空いた時間を使って副収入を得られる方法として会社員や公務員などにも人気です。しかし、投資というと難しいというイメージもありますよね。

ここからはFXにはどんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。

FXのメリット

FXのメリットは以下の通りです。

24時間好きな時間に取引できる

FXは基本的に平日24時間いつでも取引を行うことが可能です。そのため、空いた時間を使って好きな時間にできるというメリットがあります。スマホアプリを導入しているFX会社も多いため、通勤時間や休憩時間などを使って手軽に取引できるというのも魅力です。

小額から取引可能

FXは小額から取引を行うことが可能です。FX会社によっても最低保証金額は異なりますが、数百円や数千円単位から取引が可能になります。少額の取引でも、保証金を最大25倍にまで高めることができるレバリッジ制度を活用して利益を増幅させられる可能性もあります。

副業が禁止されている会社でもできる場合がある

上述したようにFXには副業にはあたらないため、副業が禁止されている会社であってもFXで副収入を得ることが可能です。ただし、金融機関に勤めている場合はFXなどの投資が禁止されている場合があるため注意が必要です。投資においても副業においても、まずは始める前に就業規則を確認したり会社側に相談したりするのが安心でしょう。

経済情勢や政治について詳しくなる

FXを行うことで海外の通貨や為替の情勢に詳しくなれるので、世界経済や政治の知識も深めることができます。常に新しい情報を仕入れたり勉強することが必要ですが、将来的に本業に活かせる場合もあり、自分自身のスキルアップやキャリアアップにつなげられる可能性があります。

FXのデメリット

FXのデメリットは以下の通りです。

損失を出してしまう可能性もある

小額から始められるFXでもリスクはあります。為替価格や金利が上下する「為替変動リスク」や「金利変動リスク」、レバリッジという利益も損失も倍増させる「レバリッジリスク」などによって損失を出してしまう可能性もあります。

FXのレートは時間を問わず変動する可能性がありますが、勤務時間中に為替レートの変動が起こっても対応することはできないため注意する必要があります。

本業に影響が出る可能性がある

FXは日中や夜中にレート変動することもあります。そのため、寝る間を惜しんでチェックしたり、本業の勤務時間中に値動きが気になって業務に集中できなくなってしまったりすることもあるかもしれません。しかし、そのせいで睡眠不足や体調不良になり本業に支障が出てしまった場合は処分の対象になる可能性もあります。

安定した収入は得られない

FXは他の副業のように、労働した分の対価がもらえるというものではありません。一度に大きな利益が発生する可能性がある分、大きな損失を受けてしまう可能性もあります。毎月○万円稼ぎたいという目標がある場合には、FXなどの投資はあまりおすすめできません。

FXの始め方

ここからはFXの始め方を解説します。初心者から始める場合は事前準備をしっかりと行うようにしましょう。

FX会社に口座を開設する

まずはFX会社を選んで口座を開設します。会社員の場合はスマホアプリで取引や管理ができるFX会社を選ぶのがおすすめです。会社によって取引単位や通貨ペア数などが異なるため、会社ごとの特徴を見比べながら自分に合うFX会社を選びましょう。口座開設はほとんどオンライン上で行うことが可能です。

口座を開設するにあたって、資産の情報やマイナンバー情報などから審査が行われます。最短1時間程度で口座が開設できるため、口座の開設ができ次第すぐに取引を開始することも可能です。

口座に入金する

口座開設ができたら、口座に証拠金という資金を入金します。初めてのFXの場合は少額から始めるのが良いでしょう。少しずつ経験を積んで慣れてきたら金額を増やしていくのがおすすめです。

口座への入金方法には、直接口座に振り込む方法とネットバンキングを使って入金する方法があります。

FXの勉強をする

実際にFXの取引を行う前に、FXについての勉強をして知識を深めておくことが大切です。FXは値動きが激しくリスクも高いため、基本的な取引方法やスプレッド、レバリッジなどについて理解しておく必要があります。デモトレードなども活用しながら取引の流れやコツをつかめるようにしておきましょう。

取引を行う

準備が整ったら取引を開始することができます。FXでは会社ごとに取り扱っている通貨ペアの中から選んで取引を行います。通貨ペアとは日本円と米ドルのような2つの通貨の組み合わせのことです。各通貨にはそれぞれ特徴があり、取引量の多い通貨や値動きが激しい通貨などさまざまなので、各通貨の特徴を確認しながら組み合わせを選ぶようにしましょう。

通貨ペアが決まったら、新規注文を行います。レートが上がることを予想して利益を狙う場合は新規買い、レートが下がるのを予想する場合は新規売りで注文します。取引の方法にもいくつかあるため、慣れてきたら使い分けていくことで効率的に取引ができるようになります。

新規注文後は購入した通貨を保有している「ポジション保有」段階となり、決済すると利益や損失が確定されます。

初心者からFXを始める場合の注意点

最後に、FXを始める際の注意点について解説します。利益を出そうとのめり込みすぎてしまう場合もあるため、FXについて十分に理解した上で取引を始めるようにしましょう。

まずは小額から始める

初めてFXを行う場合は、少額から始めるようにしましょう。FX会社の中には数百円程度の少額から取引ができる種類もあります。資金は生活資金ではなく余剰金を使い、私生活に影響がないようにすることが大切です。

また、少額でも利益を大きく伸ばせる可能性があるレバリッジ制度がありますが、その分損失した際のリスクも高くなってしまうため、初心者に過度なレバリッジはおすすめできません。

FXは値動きの変動も激しいため、まずは取引の流れをつかみながら余裕を持って取引が行えるようにしていきましょう。少額から取引できるFX会社には、「松井証券」や「SBI FXトレード」などがあります。

松井証券

SBI FXトレード

本業の勤務時間内に副業をしないようにする

FXは基本的に副業にはなりませんが、副収入を得る手段として副業と同じように見られてしまう可能性もあります。勤務時間中の取引はもちろんですが、休憩時間や家でのFXに関しても仕事に影響が出ないように気をつけなければなりません。

本業中に気になってしまうことがないように、勤務時間中はAIによる自動売買ツールを利用したり、レートの動きなどがあった場合に通知する機能を活用したりしながら工夫していくことが大切です。

自動売買機能を導入しているFX会社には、「みんなのシストレ」や「ちょいトレ(FXプライムbyGMO)」などがあります。

みんなのシストレ

ちょいトレ(FXプライムbyGMO)

まずはデモトレードで練習する

FXはレート変動や値動きの大きい投資です。大きな損失を受けてしまう可能性もあるため、初めてFXをする場合はいきなり投資を始めるのではなく、まずはデモトレードで練習するのがおすすめです。FX会社の多くはデモ取引ツールを準備していて、0円で本格的な取引の実践練習ができるようになっています。デモトレードには期間が設けられている場合もあるため、十分に練習を積んでから実践に臨めるようにしましょう。

デモトレードができるアプリには、「外為どっとコム」や「楽天証券FX」「GMOクリック証券FXネオ」などがあります。

外為どっとコム

 

楽天証券

GMOクリック証券FXネオ

まとめ

今回は、FXが副業になるのかどうかやFXのメリット・デメリット、はじめ方などについて解説しました。

  • FXは資産運用の一種で副業にはあたらないため、副業を禁止されている会社でもできる可能性がある
  • 会社員や公務員もFXで副収入を得ることができるが、金融証券取引業者はFXを行うことはできず、金融機関に勤めている場合も認められない可能性がある
  • FXは副業ではないが、FXが原因で本業に支障が出たり、金銭トラブルなどで会社に損失を与えた場合は処分の対象になる可能性がある
  • FXが会社にバレても基本的に問題ないが、バレたくない場合は住民税の納税方法を自分で直接納付する「普通徴収」にすることが重要
  • FXは副業ではないが、年間収益から経費を引いた所得が20万円以上の場合は確定申告が必要
  • FXには「平日は時間を問わず取引できる」「少額から始められる」「経済情勢に詳しくなる」といったメリットがある
  • FXには「損失を出してしまう可能性がある」「本業に支障が出てしまう可能性がある」「安定した収入は得られない」といったデメリットがある
  • FXを始める際は、まずは勉強やデモトレードなどでFXについて学んでおくことが大切
  • FXで本業に支障が出ないように、勤務時間中は自動売買や通知機能を活用するのがおすすめ
  • まずは少額から始めてFX取引の流れやコツをつかむことが大切
  • 少額から取引できるFX会社には、「松井証券」や「SBI FXトレード」などがある
  • 自動売買機能を導入しているFX会社には、「みんなのシストレ」や「ちょいトレ(FXプライムbyGMO)」などがある
  • デモトレードができるアプリには、「外為どっとコム」や「楽天証券FX」「GMOクリック証券FXネオ」などがある

FXは副業にはあたらず、会社員でも空いた時間を使って副収入を得ることができますが、損失が出る可能性もあり安定した収入を得られるとは限りません。

初めてFXを始める場合は、リスクをよく理解した上で自分に合ったFX会社ややり方を選んで行うようにしましょう。

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