テレワークの住宅ローンは経費?サラリーマンが計上できる経費を解説!

最近では、テレワークに移行するサラリーマンが増えてきています。

テレワークをするためにはパソコン・インターネット環境・Webカメラなどを揃える必要があり、出費がかさみますよね。テレワークをしている人のなかには、住宅ローンを経費にしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、サラリーマンが支出した費用を経費として計上したという話は聞いたことがありません。

テレワークの住宅ローンやテレワークのために支出した費用は、経費として認められるのでしょうか。

そこでこのページでは、サラリーマンが自宅でテレワークをしている場合の住宅ローンは経費として認められるのかを解説します。

「テレワークのサラリーマンの支出が経費になるのか知りたい」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

テレワークの住宅ローンは経費になる?

毎月発生する住宅ローンの返済。テレワークをしている人のなかには、住宅ローンを経費にしたいと考えている人もいるでしょう。

まずはテレワークの住宅ローンは経費として計上できるのかを解説します。

住宅ローンは経費として計上できる?

そもそも住宅ローンは経費として認められるのでしょうか。

結論から言うと、住宅ローンの利息部分は経費になりますが、元本部分は経費として認められません。お金の貸し借りは損益に関係しないからです。

税金は売上から経費を差し引いた利益に対して課税され、経費とは事業を行う際に必要な費用のことです。

住宅ローンは事業とは関係のない人との間で行われるお金の貸し借りのため、売り上げでもなければ経費でもありません。

つまり、借入金の元本返済部分は経費として計上することができず、税引後の利益の中から返済しなければならないものなのです。

一方、利息の部分については経費として計上することができます。

たとえば店舗兼自宅の場合には、年間の利息を店舗部分の面積で案分した価額が経費です。

元利均等返済を行っている場合は、返済表から利息の合計額を算出し、その金額に店舗面積の割合を乗じたものが経費として認められます。

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テレワークのサラリーマンの住宅ローンは経費計上できない

テレワークのサラリーマンの住宅ローンを経費として計上することはできません。

自営業やフリーランスであれば、収入を得るために支出した費用は経費として計上可能です。住宅ローンで建てた自宅の一部が仕事場なのであれば、仕事用として使用している面積に対する利息分が経費として認められます。

一方、サラリーマンがテレワークをするうえで支出した費用を経費として計上する場合は、「特定支出控除」に該当する必要があります。

特定支出控除とは、業務にかかる支払いが多い場合に控除できる制度です。

たとえば通勤費や研修費などを自己負担した際に、「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超える支出があった場合、確定申告をすることにより超えた部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。

そもそもサラリーマンの給与所得は、収入に応じて自動的に決まる概算の経費額である「給与所得控除額」を給与収入から差し引いたうえで算出されています。

特定支出控除は自動的に決定される給与所得控除額だけではなく、実際に支出した経費も差し引いて給与所得を算出することができます。つまり給与所得控除を差し引いた上で、さらに特定支出控除額を差し引くことが可能になるのです。

その結果、課税対象となる所得を減らすことができ、節税につながります。

この特定支出控除に該当する場合は、サラリーマンであってもテレワークにかかった支出を経費として計上できます。

しかし住宅ローンはこの特定支出控除に該当しないため、経費として計上することはできません。

テレワークのサラリーマンが経費にできる費用

特定支出控除を利用することで、サラリーマンがテレワークで支出した費用を経費として計上できます。

ただし、特定支出控除にはさまざまな条件があります。

まずはテレワークのサラリーマンが特定支出控除として経費計上できる費用から解説します。

  1. 通勤費用
  2. 転任者の転居費用
  3. 単身赴任者の帰宅費用
  4. 研修費用
  5. 資格取得費用
  6. 職務に必要な経費

①通勤費用

通勤費用とは、通勤に必要な電車賃・バス代・ガソリン代・高速料金などのことです。

会社から支給されず個人で負担している場合や、支給されていてもその額が不足している場合は、実際に負担している費用が特定支出に該当します。

しかしサラリーマンの場合通勤費が支給されていることが多く、そもそもテレワークの場合通勤費用がかからないため、こちらの項目から経費計上することはないでしょう。

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②転任者の転居費用

転任者の転居費用は、転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のことです。

転勤などで必要となった引越し代金・転居に伴う交通費・宿泊費などのうち、個人が支払った分が特定支出に該当します。

これも会社から支給される場合がほとんどなうえ、テレワークのサラリーマンには関係ない項目です。

③単身赴任者の帰宅費用

単身赴任者の帰宅費用とは、単身赴任している人が家族の住む家に帰る際にかかった交通機関の利用料などのことです。

年に数回の帰宅費用を負担してくれる会社が多く、自己負担するケースは少ないうえ、テレワークではこちらの項目から経費計上することはないでしょう。

④研修費用

研修費用は、職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出のことです。

務で使う技術を習得する際の研修の受講費用・研修会場までの交通費などが該当します。

会社が負担するケースも多いですが、個人で研修費を支払う場合には特定支出として計上できます。

⑤資格取得費用

資格取得費用とは、自動車免許・簿記・英語検定・弁護士・医師・公認会計士など、業務上必要な資格を取得するためのに支出した費用のことです。

会社から補助を受けずに業務上必要な資格の試験を受けた場合に該当し、資格の種類は問いません。

また、業務上必要な資格をとるためのスクール等の受講料・教材費・受験料なども特定支出として経費に計上できます。

⑥職務に必要な経費

職務に必要な経費は、業務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされた費用のことです。

テレワークの場合、該当するとすればこちらの項目が多いでしょう。

職務に必要な経費は3つに分類されており、計上できるのは合計65万までが上限となっているので注意してください。

業務に関する図書の購入費用

業務に関する図書の購入費用は、業務で必要となった職務関連の本・雑誌・新聞などを購入するための費用です。

業務に関する衣類の購入費用

業務に関する衣類の購入費用は、業務に必要な制服・事務服・作業服・スーツなどを購入するための費用です。

アパレル関係で、業務中に着用する自社ブランドの服を購入した際の費用も特定支出に該当します。

業務に関する交際費用

業務に関する交際費用は、給与等の支払者の得意先や仕入先など職務上関係のある者に対する接待・供応・贈答などのための費用です。

具体的には、キャバクラやゴルフなどの接待にかかった費用や、取引先へのお歳暮を購入するための費用などが該当します。

しかし交際費は会社が支払うケースが多いため、特定支出にできる人は少ないかもしれません。

サラリーマンがテレワークの経費を計上するのは難しい

「研修費用」「資格取得費用」「勤務に必要な経費」などに該当する支出があった場合は、特定支出控除を利用することでサラリーマンでもテレワークにかかった費用を経費として計上することができます。

しかし、実際に確定申告で経費として計上することは難しいです。

特定支出控除の条件は厳しい

特定支出控除として経費計上できる項目は、先ほど解説した通り非常に限定されています。

それだけではなく、特定支出控除にはさまざまな条件があるため、実際に特定支出控除を利用するサラリーマンは残念ながらほとんどいません。

  1. 確定申告を行う必要がある
  2. 勤務先の証明書が必要
  3. 「職務に必要な経費」は合計65万円まで
  4. 支出総額が「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えなければ適用できない
  5. 支出の合計金額から「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を差し引いた金額が控除額

特定支出控除を利用する場合、普段は確定申告の必要がないサラリーマンでも、確定申告を行わなければいけません。

さまざまな書類を揃えなければならず、特定支出に関する明細書や領収書等を添付したり、勤務先による証明書も必要になります。

また、特定支出控除で差し引けるのは「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えた部分のみとなっているため、非常にハードルが高くなっています。

「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」とは?

「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」は、年内の給与所得控除額の2分の1です。

たとえば給与収入が300万円のサラリーマンの場合、給与所得控除額は98万円です。

この場合特定支出控除の判定基準額は49万円となり、特定支出に該当する費用の合計が年間で49万円を超えなければ、特定支出控除を受けることはできません。

年収400万円の場合、特定支出控除の判定基準額は62万円です。サラリーマンがテレワークで1年間に62万円の支出を支払うケースはほとんどないでしょう。

仮に特定支出が70万円発生したとしても、控除の対象となるのは超過額の8万円です。所得税の税率が10%の場合、還付される金額は8,000円と、支出した金額と比較すると少なく感じてしまいます。

また確定申告には手間がかかるため、特定支出控除の制度は存在しますが、実際に利用しているサラリーマンはほとんどいないというのが現状です。

サラリーマンのテレワークの負担を軽減する方法

テレワークで支出した費用を経費として計上するのは難しいことです。

しかし諦めるのはまだ早いです。経費として計上できなくても、会社が負担してくれるかもしれません。

テレワークの経費は会社に請求できるのでしょうか。

会社が認めれば請求できる

会社が請求内容を確認して認めれば、会社にテレワークの費用を請求することが可能です。

会社がテレワークを推進しているのであれば、テレワーク環境を整えるためにかかった費用を会社が負担してくれるかもしれません。

ただし会社には予算があり、すべての請求を認めてしまうと事業の経営状況の悪化を招いてしまいます。光熱費や住宅ローンなどはプライベートとの区別が難しいため、テレワークでかかった費用として認められる可能性は低いでしょう。

テレワークでかかった費用を会社に請求できるかどうかがあらかじめ知っておきたい場合は、商品を購入する前に会社に問い合わせておくことをおすすめします

会社にテレワーク助成金がないかを確認してみる

会社が助成金制度を活用している場合、設備費などの自己負担を軽減できる可能性があります。

国や地方自治体によっては、テレワークを推奨するために助成金の支給を行っていることがあります。

経費として税金の還付を受けるのは難しいですが、自己負担金額が減少すれば、手元に残るお金は多くなります。

気になる人は、一度会社の総務部に確認してみましょう。

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まとめ

  • 自営業やフリーランスであれば住宅ローンの利息部分は経費として認められる
  • テレワークのサラリーマンの住宅ローンを経費として計上することはできない
  • テレワークのサラリーマンが特定支出控除として経費計上できる費用
    • 通勤費用
    • 転任者の転居費用
    • 単身赴任者の帰宅費用
    • 研修費用
    • 資格取得費用
    • 職務に必要な経費
      • 業務に関する図書の購入費用
      • 業務に関する衣類の購入費用
      • 業務に関する交際費用
  • 特定支出控除の条件
    • 確定申告を行う必要がある
    • 勤務先の証明書が必要
    • 「職務に必要な経費」は合計65万円まで
    • 支出総額が「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えなければ適用できない
    • 支出の合計金額から「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を差し引いた金額が控除額
  • テレワークの費用を会社に請求できる可能性がある

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