会社は副業を禁止しているけど副収入が欲しい、そんな風に考えたことはありませんか?
漠然とした不安がぬぐえない時代ですから、将来を見据えて、現役時代から収入を増やし備えておきたいと思いますよね。
このページでは、
- 会社が副収入を得るのを禁止する理由
- 副業が禁止されている会社でバレたらどんな処分が考えられるか
- 副収入を得ることで起こるメリットとデメリット
- 副業をしていく上での注意点
などをご紹介します。
副収入が欲しいけど、なかなか踏み出せない方の参考になれば幸いです。
将来的に貯えを増やして余裕のある生活を目指してみませんか。
目次
副収入を会社が禁止する理由は?
会社員が副収入を得ようとするとき、一番最初に考えるのは副業して会社は大丈夫か?と言うことですよね。
平成30年1月には厚生労働省がモデル就業規則を改定、副業の禁止についての規定は削除されたことをご存じの方も多いと思います。
そして、副業・兼業の促進に関するガイドライン(最終改定令和4年7月)も作成され、現在日本では副業を後押しするような流れになっています。
参考 副業・兼業の促進に関するガイドライン厚生労働省給与はなかなか上がらず、税金や社会保険、物価までもが上がっていく一方ですので、働いている現役世代のうちに、収入を増やしたり他のスキルを身に着けておきたいと思う人は年々増えています。
将来に向けてお金を貯めることができるのも、健康で働ける現役世代のうちだけですし。
数年前はおよそ7割の企業は副業が禁止でしたが、現在では本業以外の副業で収入を得ることを禁止・検討中、条件付きにしている企業は、2022年の調査では全体のおよそ5割に当たります。
出典:クラウドワークス
徐々に容認している企業が増えてきているとは言え、なかなか全体的に副業が認められない背景には、自社の社員が他の仕事で副収入を得ることで出現する、様々なリスクがあるからです。
社員に副業を認めることで考えられるリスク
企業側が本業以外の仕事を認めることで、具体的には以下のようなリスクが出てきます。
- 情報漏洩のリスク
- 本業の業務内容の悪化
- 企業イメージの悪化の恐れ
情報漏洩のリスク
会社員が副収入を得るには、本業の企業以外で働くことになります。
自社の従業員が他の企業や競合他社と関わる場合、機密情報の漏洩が絶対にないとは言い切れません。
自社の情報が漏れることで、会社の利益に大きな影響を与える場合があります。そのため、本業以外の副収入は禁止されることが多いのです。
特に同じ業種の他社で副収入を得る場合、情報漏洩を懸念してそもそも本業の会社で副業の許可が下りない可能性もあります。
本業の業務内容の劣化
副収入を得るには、本業の会社の勤務時間以外の時間を使うことになります。
2つの仕事を持つことは、それだけで長時間労働になりやすく、疲労が蓄積される心配があります。
今まで休んでいた時間を労働いあてることになりますので、体を休める時間が物理的に減ります。
副業が長期になればなるほど、本業の仕事に支障が出る可能性があるため、会社は副収入を得ることを禁止することがあるのです。
もし自分が会社の経営者なら、従業員が本業に十分な時間やエネルギーを費やせなくなるのは、やはり歓迎できないですよね。
企業イメージの悪化の恐れ
会社は従業員の行動や関与に責任を持つ必要があり、従業員の副業が企業のイメージや評判に
悪影響を及ぼす可能性がある場合、副収入を得るのを禁止することがあります。
軽い気持ちで始めたアルバイトが、実は反社会的な背景がある企業だったという可能性もあります。
万が一、矛盾した価値観や行動が公になると、顧客や株主からの信頼を損なうリスクは計り知れません。
一度企業のイメージが悪化すると、そこから改善するのは時間がかかります。
副収入を得たい時は会社の就業規則を初めに確認する
会社には社内の規則を記載した就業規則があります。
そこには、副業に関する記載や特定のガイドラインが書かれている可能性が高いです。
もしもまだ確認したことがなければ、副収入を得る前に副業についての記載を確認しましょう。
副業に対しては、
- 絶対に禁止
- 申請すれば認められる場合がある
- 届け出を出せば原則OK
などいろいろなパターンが考えられます。
自分の会社はどんな規則になっているのか確認して、規則通りに動きましょう。
許可をもらえば認められるのに、許可を取るのを怠って副業がバレてしまうと、特に罰則がなくてもあまりいい心情は与えませんので、必ずもらうようにします。
副業が禁止されているけれどどうしも副収入を得たいときは、一度人事に相談してみるのも手ですね。
会社で副業が禁止でも法的な効力はない
副業で副収入を得るのは、企業側が禁止していても実は法的な効力はありません。
日本国憲法の第22条1項には、以下のように書かれています。
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
参照:日本国憲法
つまり、企業側が副業を禁止していても、それ自体が法律を犯していることにはならないと言うことです。
もちろん、だから許可なしに堂々と副業をしていいわけではありません。やはり、組織の中で円滑に業務をしていくには、就業規則には従った方が無難です。
副収入を副業禁止の会社にバレないようにするには
許可がもらえるのが理想ですが、中には内緒で副業を開始する人もいると思います。
副業を会社にバレないようにするためには、以下のことを気をつけて下さい。
匿名性の確保
副業で副収入を得る場合、匿名性を確保することが重要です。
副業に関連するオンラインプロフィールやソーシャルメディアのアカウントは、本名や会社の情報と関連付けないようにすることが大切です。
SNSへの投稿は特に慎重に、顔を写したり個人が特定できるような情報は避けてください。継続して副収入を得るなら、副業専用のアカウントを作成した方が無難です。
住民税の申告を普通徴収に
アルバイトなど給与として得た副収入は、住民税が「特別徴収」の対象となり、その情報が
本業の会社へ通知されてしまいます。
特別徴収とは、あなたにかかる住民税を給与から天引きして、会社が代わりに支払うシステムのことです。
基本的に企業は社員の住民税をこの「特別徴収」の形で納めなくてはいけないことになっています。
そして会社が代わりに納めるべき住民税額は、決定すると給与の多い方の企業(通常は本業の方)へ通知が送られることになっています。
この住民税の決定の通知には、本業の給与以外で発生した副収入についても記載する項目があります。
赤丸がついた「主たる給与以外の合算所得区分」の欄がそれにあたります。
この項目に数字が入っていると、「本業以外に副収入がある」と一目瞭然で分かってしまいます。
副収入分の住民税の通知を自分宛てに送るには、確定申告の際に副収入分の税金の支払い方法に「普通徴収」を選ぶ必要があります。
ただし、普通徴収にできない副業もありますので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
普通徴収なら副業はバレない?住民税の正しい申告方法と注意点副収入が会社にばれるとどうなる?
副業が禁止されている場合は、発覚すると会社の規定によって懲戒処分を受ける可能性があります。
軽微な場合は注意や警告、重大な場合には減給や解雇といった措置がとられることがあります。
解雇まで重い処分が下されることは稀だと言われていますが(法律を犯しているわけではないため)
例えば、競合他社で副業をしていて情報漏洩が発覚した時は、本業の会社に大きな影響を与える可能性が高いので、重い処分の可能性が高いです。
どうしても会社にバレるのが心配、でも副収入が欲しい場合は、資産運用がおすすめです。
副業を禁止している会社でも資産運用は副業に該当しないことが多いので、本業以外の労働にこだわりがないなら検討してみてください。
投資は副業にならない?投資と副業の違いやおすすめの投資9選!万が一副収入があることがバレた時の言い訳
副業を内緒にしていても、会社にバレることもあるかもしれません。
会社は放置することはできず、必ず説明責任を求めてきます。
そもそもなぜ副収入が必要だったのかは、説明できるようにしておく必要があります。
住宅ローンの返済のため、子供の教育資金のため、親の介護が必要でその資金にするなど、
副収入がないと生活がなかなか厳しいと言う理由があれば、会社の心情も変わってきます。
そして、副業の内容、本業に支障をきたしていないか、情報漏洩がないかなどヒアリングを受けることもになると思います。
万が一の時のためにしっかり説明責任を果たせるように、以上のような自分なりの理由は準備しておきましょう。
副収入を得るメリットとデメリット
本業以外に副収入を得るのは、メリットとデメリットがあります。詳しく解説していきます。
本業以外に副収入を得るメリット
- 収入が増える
- スキルの向上
- 人脈の拡大
- 自己成長と充実感
収入が増える
もっとも明確なメリットは、収入を増やすことができると言う点です。
副業を始める理由は人それぞれ違うと思いますが、収入源を増やすことで、
- 生活費の補填
- 貯蓄の増加
- 借金の返済
- 子供の教育費の備え
- 住宅ローンの繰り上げ返済
など、経済的な安定感を得ることができます。
貯蓄が目的の場合は、貯めた資金を長期的な投資に回すことで、労働しなくても利息分が将来的にさらに増えると言うメリットもありますね。
スキルの向上
副業をすることで、新しいスキルや知識を獲得する機会を得られる可能性があります。
異なる業界や分野での経験を積むことで、自身の能力を広げることもできます。
また、本業と副業のバランスをとる自己管理術や起業家精神など、新たなスキルや資質を身に着けるチャンスもありますね。
本業とは違う分野でずっとやってみたかった仕事がある人は、その仕事を副業にすることで、生活費の心配をすることなくチャレンジできます。
人脈の拡大
副業は、新たな人々とのつながりを築く機会でもあります。
本業とは異なる業界やコミュニティに足を踏み入れることで、新しいビジネスパートナーやメンター、クライアントなどとの関係を構築することができます。
このような人脈は、将来的なキャリアの発展やビジネスの成果に寄与する可能性があります。
特にいずれ自分のビジネスを持ちたいと思っている人には、新たな人脈がその足掛かりになることもあるため、大きなメリットと言えます。
自己成長と充実感
本業の会社では、自分自身のアイデアや興味をなかなか仕事につなげることが難しくても、副業先では発揮できる可能性があります。
そのことで、自己実現や自己成長が感じられ、本業では得られない達成感や充実感に繋がることも。
また、副業を通じて自己の能力や限界を超えるチャレンジをすることで、自信や自己評価の向上にもなる場合があります。
本業以外に副収入を得るデメリット
副業をすることにはいくつかのデメリットもあります。
- 長時間労働や疲労の蓄積
- 仕事の品質やパフォーマンスへの影響
- 契約違反のリスク
- ストレスや負担の増加
長時間労働や疲労の蓄積
本業に副業を追加することで、労働時間が必然的に長くなります。
今まで休息に当てていた時間を労働に費やすことになるので、仕事や個人の生活のバランスが崩れる可能性があり、少しずつ疲労が蓄積されます。
短期間の副業なら乗り越えられても、長期になればどこかで十分な休息や自己のケアの時間を確保しなければ、継続することが難しくなります。
仕事の品質やパフォーマンスへの影響
副業によって、本業への集中力やパフォーマンスが低下する可能性があります。
疲労やストレスが増えるとどうしても集中力にかけるので、本業における仕事の品質や成果に影響を及ぼす危険が出てきます。
本業に支障が出てくると、副業を許可していた会社も良い印象を持たなくなります。場合によっては副業の許可が取り消される可能性もあります。
契約違反のリスク
会社の就業規則や雇用契約に副業禁止が明記されている場合、副業を行うことで契約違反のリスクが生じます。
特に副業が会社の競合他社との関わりを持つ場合や、機密情報の保護に関わる場合は慎重に対処する必要があります。
ストレスや負担の増加
本業と副業を両立することは、体力的にも時間的にも負担を抱えることになり、ストレスの増加につながります。
本業の仕事や責任、副業に対応するために、日常生活や休息の時間が犠牲になることも考えられ、家族との時間が短くなるなど、収入では賄うことができない問題が起こる場合があります。
副業で副収入得る時の5つの注意点
副業をする際には、以下の5つの注意点に気をつけて下さい。
- トラブルを避ける
- 時間の管理と生活のバランスを保つ
- 自己の能力と限界を認識する
- 安全性の確保
- 周囲とのコミュニケーション
トラブルを避ける
副業が本業と競合する可能性がある場合、特に慎重な対応が必要です。
副業の分野に大きなこだわりがないなら、会社の機密情報の漏洩などのトラブルを避けるためにも、競合する業界や企業での副業は避けた方が無難です。
時間の管理と生活のバランスを保つ
副業をする際には、時間管理と仕事とのバランスが重要です。
副業が本業に支障をきたさないよう、十分な休息と自己ケアの時間を確保してください。
特に、在宅で副業をする場合は、就業時間などが決められていませんので、時間の管理が難しいです。
気づいたらいつも寝る予定の時間を過ぎていたということも起こります。
初めに計画を立て、優先順位をつけることで、効果的な時間管理が可能になります。
- 例:副業に費やす時間は帰宅してから就寝までの間の2時間のみにする。週末は休息に当てるなど
自己の能力と限界を認識する
副業を選ぶ際には、自身の能力や限界を正直に評価しましょう。
無理な負担やストレスを避けるためには、自分に合った副業を選択することが重要です。
収入が高い副業でも、心身ともに疲弊したり、睡眠時間を削りながら作業したりすれば、いずれ限界を迎えます。
もしもしんどいと感じたら、何のための副業なのかをもう一度確認して、無理なく続けられるように計画を立て直してください。
安全性の確保
世の中には、短期間で高収入になると謳っている副業がたくさんあります。
その中には、安全なものも実現可能なものもありますが、中には詐欺まがいのものも存在します。
初めに高い登録費用を要求されたり、高額な勉強代が発生するなど、収入を得る前にお金がかかるものは慎重に検討したり、家族や友人に相談することも考えてみてください。
周囲とのコミュニケーション
副業をする場合には、家族やパートナー、同僚とのコミュニケーションを大切にしてください。
副業による時間やエネルギーの変化を周囲に伝え、理解と協力を得ることが重要です。
特に同居する家族がいる人は、
- 副業をして副収入を得る目的
- 今後の時間の使い方
- 協力してほしい部分の明確化
など、きちんと話しておく必要があります。
また、会社に届け出を出してきちんと副業を行う時も、同僚などに迷惑をかけないように注意するとともに、定期的に本業が円滑に回っているか、冷静に周りの環境も含めて確認することが必要です。
まとめ
- 会社が副収入を禁止している理由は様々なリスクがあるから
- 副業を持ち副収入を得ることはメリットとデメリットがある
- 許可を取って副業を開始する際も本業への影響が出ないよう注意を払う
- 副収入を得る代わりに心身を疲弊しないよう体調管理に気を付ける