副業が珍しくなくなった昨今、徐々に利益を上げ続けている方も多いと思います。
中にはちょっとしたお小遣い稼ぎのつもりで始めた副業が波に乗り、起業を考えている方も多いのではないでしょうか?
副業から起業することはできるのか?副業で行っていたビジネスをもとに起業することでどんなメリットがあるのか?など、様々な疑問がついてまわっているはずです。
この記事では副業から起業する際の具体的なアドバイスを徹底的に解説しますので、是非参考にしていただければ幸いです。
目次
副業をもとにプチ起業を目指す
プチ起業とは、小規模ながらも独立したビジネスを立ち上げることを指します。大きな資本投資を必要とせず、個人または少数のパートナーによって運営されます。
プチ起業はビジネスのアイデアを試すためのステップとして、または副業として始めることが多いです。
経験を積むため、スキルを開発するため、または収入源を増やすための起業のことを言います。
このようなビジネスは、通常、オーナーの専門知識やスキル、趣味、または地元のニーズに基づいて行う場合が多いようです。
例えば、フリーランスのコンサルタント、自家製の商品の販売、地元のサービス業などがあります。
副業のうちにしておくべき起業の準備は?
実際に起業するまでに行っておくべきことを紹介します。
もちろん、こちらにあげたものは一例であり、かつすべてを取り組む必要はありません。
しかし、起業することで収入の更なる増加を期待しているならば、これらを参考にして備えることで一定の成果を得ることができるかもしれません。
更なるスキルと知識の習得
ビジネスに必要なスキルは業界や職種によりますが、起業するのであればマーケティング、財務管理、営業戦略、プロジェクト管理などの基本的なビジネススキルが一般的に必要となります。
特定の業界や市場に関する深い知識や、特定の製品やサービスの専門的な知識も必要となるでしょう。
関連する書籍を読んだりセミナーなどを活用することで、本業を続けながらこれらのスキルや知識を習得することができます。
ネット上での広報活動
SNSやホームページなどを用意し、積極的に宣伝や人脈の輪を広げていきましょう。
将来的にビジネスのパートナー、顧客、あるいはメンターとなる可能性のある人々との関係を築くことができるかもしれません。
さらに、業界の最新動向を追いかけるとともに、自身のビジネスアイデアや製品に対する周りの評価を確認することができます。
また、シンプルに知名度を上げるためにもネットワーキングは不可欠です。
資金の蓄積
起業するにあたってテナント契約などの固定費が発生するようになる場合、十分に資金を確保しておく必要があります。
少なく見積もっても、起業してからビジネスが軌道に乗るまでの3ヵ月~半年分の運転資金を用意しておくといくらか安心でしょう。
この資金は、初期投資、日々の経費、緊急時の予備資金などに使用されます。
ビジネスプランの作成
個人で始める場合、無くても構いませんが有れば一つの指標になるものです。
ビジネスプランとは、ビジネスの方向性を明確にし、具体的な目標とそれを達成するための戦略を設定するための文書です。
市場分析、競合分析、財務予測などを含む詳細なビジネスプランを作成することで、自身のビジネスアイデアの実現可能性を確認することができます。
また、必要ならばこのビジネスプランを使って投資家や金融機関からの資金調達も行えます。
複数人で起業をするつもりであれば、認識を一致させるためにも作成しておくとよいかもしれません。
副業から起業をする際のメリットは?
ビジネスモデルの検証
副業を通じてビジネスのアイデアを実践しているということは、そのビジネスモデルが現実の市場で機能するかどうかを既に検証しているということです。
これにより、新たなビジネスの成功可能性や市場の反応をある程度予測することができます。
また、起業前から具体的な製品やサービスの改良点、カスタマーサービス、マーケティング戦略等を試行錯誤しながら改善していくことができます。
これは新規に事業を始める場合のリスクを大幅に減らすことにつながります。
顧客基盤の獲得
副業を通じてすでに商品やサービスを提供していた場合、ある程度の顧客基盤やブランドの認知度がすでに築かれていることでしょう。
1からビジネスを始める場合とちがい、安定して事業運営をすることができます。
既存の顧客は新製品やサービスの試験台となることが多く、また新たな顧客を引きつけるための口コミ効果を期待できます。
スキルと経験の習得
副業を行っていた期間は、事実上のトレーニング期間となります。
この期間に、ビジネス運営に必要な各種スキル(例えばマーケティング、営業、経理、人材管理等)を習得し、ビジネス運営の経験を積むことができます。
予期せぬ問題や課題に対して迅速かつ効果的に対応する能力を身に着けることができ、事業の失敗を防ぐ可能性があがります。
資金繰りの容易さ
副業から得た収入をビジネスの再投資に使用することで、資金繰りがより容易になります。
資金調達は多くの新ビジネスを立ち上げる人にとって大きな課題となります。
副業からの収入があることで、少なくとも初期段階では外部からの大規模な資金調達が不要になるでしょう。
これは、ビジネスの自由度を保ちつつ、財務リスクを軽減することになります。
軌道に乗れば独立も可能
起業が成功すれば、それがきっかけで本業を退職し、自身の事業に専念する道を選ぶことも可能になります。
これは、初めからフルタイムで事業を立ち上げるのではなく、本業を保ちながら副業として始めた事業が順調に成長することで生まれるメリットです。
自身のビジネスが一定の成功を収め、安定した収益を得られるようになった時点で、本業を退職し、事業に専念することを選択できます。
これにより、事業を立ち上げる初期のリスクを最小限に抑えつつ、事業の成長を実現することができる、ある意味理想の形となります。
本業からの収入を失うリスクを避けながら、事業を進展させ、経済的な安定性を確保することができます。
副業から起業する際に気を付ける点は?
副業から起業する際の本業への影響
まず一つ目に、時間の制約があります。
新しいビジネスを運営するためには、多くの時間とエネルギーが必要になります。
これは本業の時間を圧迫し、休日に休みづらくなるどころか本業に費やす時間が減る可能性があります。
また、雇用契約が影響を受ける場合があります。
あなたが働いている会社の規定により、副業や起業が許可されていない場合があります。
競業避止条項がある場合、新しいビジネスがそれに抵触すると、雇用問題に発展する可能性があります。
さらに、新しいビジネスへの注力は、精神的なストレスを増加させる可能性があります。
このストレスは健康に影響を及ぼす可能性があり、結果として本業のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすかもしれません。
本業を退職した際に失業保険がおりない
起業の成功に伴い、本業を退職し自身のビジネスに専念する道を選んだ場合、失業保険の受給資格を得ることは困難となります。
なぜなら、失業保険とは、名の通り仕事を失った人々に支払われるものであるからです。
すでに自身のビジネスを運営しているという事実が明らかであれば、その条件を満たさないと判断されます。
自身のビジネスを拡大するための資金として失業保険を見込んでいる方は注意が必要です。
副業から起業をする場合の節税方法は?
個人事業主としての開業と法人設立について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
個人事業主としての開業
副業の年間所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要となります。
また、青色申告で確定申告を行う場合には、「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出が必須となります。
これは、個人事業主としての活動を開始するための手続きであり、開業届を出すことで、副業として行っていた活動を本格的な事業として始めることを表します。
開業届を出したからといって、現在勤務している会社を辞める必要はありません。
自分の能力と時間を最大限に活用して、副業と本業を両立させることが可能です。
また、売り上げの規模が小さかったとしても開業届を提出することが可能であり、これにより副業から事業主へのスムーズな移行が可能となります。
開業届は税務署で入手することができますが、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。
法人設立
まず、個人として所得を得るとその所得に対して所得税が課されます。
しかし、会社を設立すれば、その所得は法人の収益として申告することができます。
法人税の税率は所得税率より一般的に低く設定されているため、全体としての税負担を軽減することができます。
また、経費の控除もより広範に適用できるため、税金を更に削減することが可能です。
例えば、会社の事業に必要な経費は全額控除することができます。
これには、オフィスの賃料や設備の購入、電話やインターネットの料金、社員の給与や福利厚生費用などが含まれます。
また、会社の成長に資するための投資や、新しい事業に対する出資も経費として控除することが可能です。
ただし、法人を設立するためには初期の設立費用が必要です。
これには、登記費用、公証人役場への手数料、事務所の設備や備品の購入費用などが含まれます。
また、法人として運営を行うためには会計や税務に関する専門的な知識が必要となるため、外部の専門家を雇用するか、自身で学ぶ必要があります。
最終的には副業の収益、設立費用、運営の手間等を総合的に評価した上で、法人設立を検討することが重要です。
また、具体的な税務処理や法人設立の手続きは複雑なため、税理士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
どちらが節税対策になるかは利益次第
個人事業主の場合、所得税は事業所得により変動し、その税率は累進課税です。つまり所得が増えると税率も上がります。
そのため、ビジネスの利益がそれほど多くない場合、個人事業主として起業することが節税対策になることがあります。
また、青色申告を行うことで所得控除も受けられます。
一方、法人の場合税率は一定で、最大22%です(ただし、特例等を適用すると一部の中小企業は15%程度)。
また、経費を事業による必要経費として計上することができます。
そのため、利益が多い場合、特に高所得の場合、法人として設立することが節税につながる可能性があります。
これらを比較した場合、一般的には、ビジネスが一定の規模に成長し、利益が増えると法人設立の方が税負担を軽減できる可能性が高まります。
ただし、これらはあくまで一般的な話であり、具体的な事業内容や利益、経費等により、最適な選択肢は変わります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?副業を起業にするさいのメリットと本業への影響、節税対策などを紹介しました。
ゆくゆくは脱サラしたいと考える方、または副業のままがちょうどいいと考えている方にも参考になりますので、下記のポイントをしっかり押さえて起業に備えましょう。
- 副業から起業する前に、可能であればスキルアップやウェブ広報、資金の蓄積などに取り組む。
- 副業から起業すると、1からフルタイムの起業をする場合と比べていくつもメリットがある。
- 副業から起業すると本業へ影響が出る可能性があり、失業保険もおりなくなる。
- 副業から起業し、年間所得が20万円を超えると確定申告が必要になる。
- 利益が少ないほど個人事業主としての開業が節税対策になる。
- 利益が多いほど法人設立が節税対策になる。