Lesson21 | 請負契約と委任契約

どうも、かずきちです。

今回は、エンジニアなどがフリーランス(個人事業主)としてやっていく、もしくは法人として仕事をしていく上で大切になる「契約」についてです。

フリーランスや法人としてビジネスをしていく場合、会社員などとは違い、誰も守ってくれません。自分で自分の身を守る必要があります。

そして、ビジネスでは「契約」が全てです。

何かあった時に守ってくれるのは、取引先でも知人でもありません。守ってくれるのは、契約書です。

それなのにほとんどのエンジニアが、この契約書をないがしろにしています。

それだけビジネス意識が低いということです。会社員の延長線のまま仕事をしている人ばかりということです。

ちなみに私は契約内容を必ず一語一句確認しますし、経営者なら必ずやります。

現場に入る時も契約内容を取引先に指摘訂正してもらったことがありましたが、その時に言われたのは「個人事業主の方はこれでみんなOKしてもらってます」ということ。契約内容はめちゃくちゃ最悪で、かなり不利な内容にもかかわらず、気にしていないってことです。

もちろん、実際にそこまでのトラブルになることは少ないですが、「いざとなった時の事を考えていない」というのは、ビジネスマンとしてそもそも失格です。

なので、今回は契約について教えたいと思います。

契約は口約束

まず、大前提として契約というのは「口約束」で成り立つものだということです。でなければ、お店で「これちょうだい」「分かりました」で買えません。いちいち契約書作ってたらバカらしいですよね。

じゃあ、なんで契約書を作るのか?

それは、トラブルになった時に「言った言わない」の水掛け論になって裁判で泥沼になって解決まで時間がかかるからです。だから、契約書を作って、それを「証明書」代わりにするんです。

詳しくは「民法」を勉強してみてください。

ちなみに民法というのは、商法や色々な法律のベースとなる民事間の取り決めごとになります。法律を一番大きく分けた場合、『憲法』と『憲法以外(の五法)』で、憲法以外は、民法、商法(会社法)、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法になります。

民法の上に宅建業法があって、宅建業法で決められてない法律は民法が適用されるという具合。

契約内容は自由だ〜!

芸人サバンナの高橋の昔のコントのように契約内容をどう決めるかというのは基本的に自由です。

なんでも、決められます。誰か殺したら、何千万あげます。とか。

ただし、法律で縛っている部分もあります。今みたいな公共良俗に反することとか、各法律によって縛りがあります。

なので、「何が法律で決まっていて」「何が自由に決められるのか」は必ずおさえておく必要があります。

契約形態

フリーランスなど仕事をする時に相手と交わす契約には大きく2つあります。

1.請負契約

2.委任契約(委任、準委任)

さらに、委任契約には「委任」と「準委任」があります。

請負契約

請負契約の内容は、「仕事の完成」をもってお金をもらえるという点です。

HP制作を請負場合はコレですね。ちゃんと商品という仕事を完成させて納品(相手に渡して確認(検査)してもらってOKなら納品。細かくやるなら納品完了書ももらう)して初めてお金をもらうことができるというもの。

「仕事の結果に責任を持つ!ダメならお金は頂きません!」という契約スタイルですね。

(もちろん、中間金などという形で区切り区切りで「ここまでやったからここまでのお金はちょうだいね」という契約の仕方もできます。)

委任契約

委任契約は「仕事の遂行」によってお金をもらえるものです。

時給制、日給制も同じものですね。仕事途中でも、「ここまでやったからもらうよ」という形です。

委任契約の場合、「完成」がゴールではないので、例えばHP制作を委任契約すると「ごめん、HP完成しなかったけど、でも頑張ったから頑張った分ちょうだいね〜」ということが出来るわけです。(そんなことしたら、二度と取引してもらえないですけどね)

ちなみに普通の「委任」は「法律行為」を行う仕事を任された場合なので、エンジニアなんか一般的な仕事は「準委任」です。医者なんかも準委任になります。治るか分からないものを手術・治療するわけなので。

請負と委任(準委任)での法律の違い

仕事の完成義務の有無

さっき言ったやつです。完成しないとお金を請求できないかどうかということ。エンジニアで言えば、請負の場合は仕事の成果物をちゃんと作れないともらえないということです。

瑕疵担保責任の有無

「かしたんぽせきにん」と言って、よく「かしたん、かしたん」と言われます。法律では必ず出てくるので覚えて下さい。

瑕疵というのは「欠陥」のことです。エンジニアでいえば、「バグ(不具合)」ですね。バグ出しちゃった場合に「直す」のと「損害賠償請求」の責任があるかどうかです。

請負契約

あり

委任契約

なし。ただし、善管注意義務(通常期待される程度の注意を払う義務)は負っています。善管注意義務とは、「普通だったらこれくらいは注意できるよね」程度のものです。ガソリンの前でタバコ吸って現場を燃やしたら善管注意義務違反です。違反したら、損害賠償請求となることもあります。

※委任契約でも、瑕疵担保責任をつけることもできます。また普通は責任期間を設けます。「一生何かあったら責任取れ」なんて結婚でもしたくないですからね。

契約解除権

請負契約

なし。契約期間中は請負った側は辞められません。通常であれば、現場から抜けたくても抜けられないということ。(まぁ、実際そんなケースはまれですが、契約を持ちだされたら何も言えません)

委任契約

いつでもお互い解除できます。

報告義務

相手へ業務の報告をする義務があるかどうかというもの。

請負契約

ありません。医者が「今、お腹開きました〜。今、肝臓の中見てます〜」なんていちいち聞かれて報告しなきゃいけなかったら患者死んでます。

委任契約

相手から報告して欲しいと要求があったら速やかに報告しなければいけない義務があります。

※ちなみに法律の面白いところで「速やかに」とかって法律でよく出てくるんですが、具体的に「◯日まで」と決っているわけじゃないんです。こういうグレーな部分が裁判での争う点になりますし、法律をうまく活用するポイントでもあるんです。

契約書を見てみよう

フリーランスエンジニアの場合、普通は準委任契約です。

だって、状況によっては成果物が完了しない場合もあるわけですから。

日割りで計算してもらうわけなので、準委任でなければ困ります。

なのに!

契約内容をよく見ると請負契約になっていて、何かあった時に責任まるかぶりになっている契約が多々あります。

じゃあ、契約書が請負なのか準委任なのかどう判断するかは、まずまず「契約書に明記されているかどうか」です。

「この契約は準委任とする。」みたいな文言が契約書に明記されていれば、裁判になった時でも優先してくれます。

しかし、なければ契約内容で判断するしかありません。

(もちろん、実情も考慮に入れられますし、一般的に見れば〜という事もあります)

 

私が見た契約書では、報酬の欄に「成果物の受領をもって〜」と書かれていたり、契約解除の欄に「甲(相手)は乙(自分)へ契約解除ができる」と書かれているだけで自分からの解除に関しては明記されていなかったり、瑕疵担保の欄に「契約解除より1年」というアホみたいな責任になっていたり。(長くても90日が普通です。)

 

あなたがこれからフリーランスでやっていきたいのであれば、必ず契約書は確認して逐一相手に訂正を求めて下さい。

普通に契約内容変えて下さい。って言えば変えてくれます。(あなたがナメられていなければ)

相手に悪いという意識はビジネスでは全く不要の気遣いです。それで何かあってもあなたの責任です。