プログラミングの学習を進めていくと、何度も耳にするアルゴリズムという言葉ですが、何となくわかるくらいで済ませてしまいがちですよね。
ここでは、アルゴリズムが何であるかをいったんしっかり把握して、学ぶ意味や学習方法などを紹介します。
これからプログラミングを学習するという方や、駆け出しの方、すでにエンジニアとなっている方でもあまり意識したことが無い人は是非参考にしてみてください。
目次
プログラミングとアルゴリズムは切っても切れない関係にある
プログラミングとアルゴリズムは切っても切れない関係にあります。というよりも、むしろアルゴリズムをコードで記述したものがプログラムです。
アルゴリズムとは「何かを行う際の手順ややり方」という意味を指します。そして、プログラミングはコンピュータに何かの処理や計算をさせる為に、その手順を機械が分かるように書くことに当たります。
一般的にはアルゴリズムは食材の切り方を手順化する事や、パズルの解き方を手順化することにたとえられます。
例えば玉ねぎのみじん切りの手順のうちの一つに下記のような手順があります
- 玉ねぎを縦に半分に切る
- 切れた面を下にして玉ねぎに細かい切れ込みを入れる
- 玉ねぎの横から何回か切れ込みを入れる
- 初めに入れた切れ込みと垂直に切っていく
このみじん切りの手順はいくつかあります。どの手順も最終的にはみじん切りが出来あがりますが、それにかかる手間や必要な道具などが変わってきます。
プログラミングのアルゴリズムも同じで、最終的な処理は同じでも必要な手数やリソースなどが変わります。その時にあった最適なアルゴリズムを考えられることは技術者として身に付けたい技能の一つでもあります。
プログラミングを学ぶ上でアルゴリズムを学習する意味は大きい
アルゴリズムを学習するほどに、様々な処理を、早く正確で効率の良いプログラムを行えるようになります。
また、プログラミングは処理の手数が少ないほどバグが生まれる可能性が減ります。そのため、効率的な手順でプログラミングを出来ると、作るプログラムの品質も自然と良くなります。
それ以外にも、アルゴリズムを常に意識することは応用が利くため、プログラミング以外の仕事や日常生活をも出来るだけ効率的に手順化出来るようになります。
現在はフレームワークやライブラリがとても充実しているため、あまりアルゴリズムを意識しないでも、様々な事を実装できます。
しかし、膨大なデータや大量のアクセスを処理するようなプログラムをするときに、アルゴリズムを意識することがとても重要になります。
プログラミングで定番の優れたアルゴリズム
プログラミングの世界では、いくつかのとても優れたアルゴリズムが知られています。
とても有名なものばかりなので洗練されすぎていてわかりにくいものもあるので、完全に理解しようとはしなくても良いですが、何となくわかっているだけでも、知らないとでは大きな違いがあります。
ソートのアルゴリズム
配列などデータの順番を特定の順に並べ替える「ソート」に関しては下記のようなアルゴリズムがよく知られています
- バブルソート
- クイックソート
- マージソート
これらのアルゴリズムはとても有名でサンプルコードなどもたくさんあります。内容をわかりやすく解説されていることが多いので、ソートのアルゴリズムだけでも知っておくと良いです。
検索アルゴリズム
こちらも配列などにあるデータの検索を行うアルゴリズムの種類で、有名なアルゴリズムがいくつかあります。
- 線形検索
- 二分検索
検索アルゴリズムはとても単純なアルゴリズムであるため理解がしやすいです。アルゴリズムを実際にコードで書いてみるといった際には検索アルゴリズムで試してみるととても入りやすいです。
ツリー検索、グラフ検索のアルゴリズム
検索アルゴリズムでも、検索されるデータの構造によってはアルゴリズムが変わってきます。ツリー構造やグラフの検索の際には前述した線形検索や二分木ではないアルゴリズムが選ばれます。
これらのアルゴリズムはデータの持ち方をいろいろ知るには良いアルゴリズムですが、少しわかりにくいため初学者のうちはあまり深く理解できないでも問題ありません。
セキュリティ関連に使われるアルゴリズム
セキュリティに関しても様々なアルゴリズムが考えられ使われています。下記のように、エンジニアになる学習をしていたり、エンジニアとして働く中でほとんどが耳にすることも多いアルゴリズムもあります。
- デジタル著名
- 公開鍵暗号方式
デジタル著名や公開鍵などのアルゴリズムに関しては、開発にかかわるのであれば知っておくに越したことは無い知識です。詳細な部分まで知る必要はないかもしれませんが、仕組みの概要に関しては知っておくと良い知識です。
上記のようなアルゴリズムを代表として様々なアルゴリズムが書籍などで紹介されています。詳細な解説になると数式などが出てくる場合もありますが、ソートや検索のアルゴリズムはパズルを解くような感覚もあるので比較的学んでいても楽しめます。
また、セキュリティなどのアルゴリズムはエンジニアになる場合知っておいた方が良い仕組みでもあるので、是非これを機会に調べてみてください。
アルゴリズムの学習方法、練習方法
基本的な知識は書籍やアルゴリズムで学ぶ
知識として有名なアルゴリズムや手法などは、基本的には書籍やウェブサイトなどを参考にすると理解が早いです。初めに触れる時には図解されているものが良く、定番の本として「絵で見てわかる26のアルゴリズム」や「アルゴリズムの絵本」「アルゴリズムのきほん」などがおすすめされます。
また、インターネット上の様々なサイトでアルゴリズムの解説はされているので、上で上げたような「バブルソート」などの有名なアルゴリズムは書籍とインターネットの情報で相互補完しながら理解を進めるのが効率的です。
フレームワークやライブラリのコードを見る
現在の開発現場においては、ほとんどの場合フレームワークやライブラリを多用します。そのため複雑な処理や、決まりきった処理は、すでに作られたものを利用するだけの場合が多いことが現状ではあります。
フレームワークやライブラリーはほとんどがオープンソースで開発されているため、とても多くの人がレビューをしてブラッシュアップされたコードで詰まっています。そのため、そこに書かれているコードは、効率よく且つ見やすいコードであることが多く、とても参考になります。
実際にプログラミングをしてみることで実践する
学習はアウトプットをすると理解が深まり、記憶にも定着しやすいのでソートなどの有名なアルゴリズムは自分が書けるプログラム言語で実際に書いてみるのも良いです。
環境によってできない人もいますが、メンターや上司、同僚などプログラムの事を聞ける人がいる場合にはコードをレビューしてもらうのも勉強になります。
レビューでは、コードを書いた意味や処理の順番を説明する必要があるため、自分が考えたアルゴリズムをもう一度チェックできます。更には、他の人の意見も入るためアルゴリズムが改善する事も少なくありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか、このようにアルゴリズムはプログラミングをする上で知らずとも使っているものでした。
しかし、アルゴリズムを出来るだけ良いようにしようとする意識があるとないとでは大きな違いがあります。
完全に理解するとまでは言わずとも、様々なアルゴリズムに触れて見ることを意識してみてください。