自分のサイトに他の記事を引用したいのだけど…
WordPressで引用符を出すにはどうするの?
引用先のリンクの貼り方と表示方法がわからない。
画像を引用するときのやり方は?
そもそも、引用って必要なの?
他のサイトから画像をコピーして、自分のサイトに貼ったり、他人の記事をそのままサイトに載せたり・・・
ちょっと待ってください!実はそれ、違法かも??
引用を知らなかったり、引用方法を間違えたりするのは、Webサイト運営する上でとても危険なことです。
ただ逆に、引用を理解して正しく使うことで、「ユーザにとって良質なコンテンツ」と評価されることにつながります。
ここでは、WordPressでWebサイト作成する際に知っておくべきこととして、「引用とはどういうもので」、「なぜ必要なのか?」その理由と、「具体的な引用方法」まで、引用の正しい使い方をわかりやすく解説します。
是非参考にしてください。
目次
引用って何?引用と著作物について
引用のルールを守らずに、勝手に他のサイトの画像を自分のサイトに貼ったり、他人の記事をコピーしてサイトに載せたりすることは、「著作権の侵害」になります。
初めに、引用の前に著作権法で保護の対象となる「著作物」についてお話しします。
著作物とは、
(1)「思想又は感情」を表現したものであること→ 単なるデータが除かれます。
(2)思想又は感情を「表現したもの」であること→ アイデア等が除かれます。
(3)思想又は感情を「創作的」に表現したものであること→ 他人の作品の単なる模倣が除かれます。
(4)「文芸,学術,美術又は音楽の範囲」に属するものであること→ 工業製品等が除かれます。
と定義されています。
具体的には,小説,音楽,美術,映画,コンピュータプログラム等が,著作権法上,著作物の例示として挙げられています。
その他,編集物で素材の選択又は配列によって創作性を有するものは,編集著作物として保護されます。新聞,雑誌,百科事典等がこれに該当します。
引用元:文化庁|著作物について
著作物は思想や感情を創作したもの、つまり「自分で工夫して考えたものを形として表現したもの」です。
それを勝手に利用されないように、創作した人の権利を守るのが「著作権法」です。
一方で著作権法では、
一定の「例外的」な場合に著作権等を制限して,著作権者等に許諾を得ることなく利用できる
ともしています。
つまり、要件を満たせば許可なく利用することが可能で、そのひとつに「引用」があります。
引用とは、他の人の文章や画像などを、自分のWebサイトに補完するために使うことです。
例えば、自分のサイトで他サイトを紹介するために写真を使ったり、自分の文章の根拠を示すために他人の主張や調査結果などを用いたりする場合などです。
引用して著作物を自由に使える場合は以下の通り定められています。
[1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。(注5)[2]国等が行政のPRのために発行した資料等は,説明の材料として新聞,雑誌等に転載することができる。ただし,転載を禁ずる旨の表示がされている場合はこの例外規定は適用されない。
引用元:文化庁|著作物が自由に使える場合
正当な範囲で行う分には、他人の著作物を使うことができるのです。
WordPressで引用するときのルール
もちろん、引用するには決まりがあります。
他の人の著作物である画像をや記事をルールを無視して使用する場合、故意でなくても場合によっては「悪質なコピーコンテンツ」だと認識されて、検索エンジンに低品質コンテンツと見なされてしまう可能性があります。
(注5)引用における注意事項
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)
引用元:文化庁|著作物が自由に使える場合
(1)引用する必然性があるとは、自分を主張するために、どうしても引用しなければならない、ということです。
例えば、自分の論文に他者の研究結果による図表や文章を加える、自分の主張の根拠として示す、などです。
(2)どこからどこまでが引用部分であるのか、はっきりさせるためにカギ括弧などをつけて、区分けをはっきりさせます。
(3)質的量的に自分の文章がメイン(主)で、引用部分は補足的なサブ(従)であることです。
(4)引用部分が誰の何という著作物からの引用であるのかを、見やすいように表示しなければなりません。
その方法は、引用した著作物の題名、著作者名などが読者・視聴者等が容易に分かるようにすることです。
もう一つのルールは、(5)文章を絶対に改変しないことです。
「引用」を利用して自分のWebサイトに文章を掲載する場合には、決して内容を変えてはいけないのです。
引用してくる文章は、一言一句そのまま掲載しなければなりません。
引用部分に、誤字脱字があった場合は、そのまま誤字脱字がある状態で掲載し、「原文ママ」と追記するのが最適です。
転載と参考
引用と似たものに「転載」があります。
「転載」は、著作物を複製・コピーして利用することです。
引用のレベルを超えたものが転載といい、転載する場合は、必ず著作権者に掲載の許可を得る必要があります。
ただし、以下の3つは引用と同様、出所を明示するこで無断転載が可能です。
- 行政機関が公表した広報資料など
- 新聞や雑誌に掲載された、時事問題に関する論説
- 政治上の演説・裁判上の陳述
もう一つの似たもので「参考」があります。
「参考」は、自分の考えの手がかりにするという意味があります。
例えば、自分の考えを述べるにあたって、ほかの人の意見を「参考」にして、自分の意見を主張する場合です。
その著作物を自分の考えに当てはめて、自分の言葉で要約します。
WordPressでの引用の具体例
WordPressで引用する手順
WordPressで引用する場合の手順は以下のようになります。
(1)引用する内容を引用符 “ダブルクォーテーション” で囲う
(2)引用元の出所と著作物名等を入れる
(3)引用元がWebサイトならば、URLをリンクに貼り付ける
WordPressでの引用の仕方の具体例
WordPressで実際に引用するには、メニューの引用タグを使います。
以下ではその具体例を説明します。
今回は例として、文化庁から「著作権」についての説明の冒頭部分を引用します。
1.初めに、引用したい内容を投稿に貼り付けます。
2.貼付けた引用文を選択し、メニューにある「引用アイコン(赤丸)」をクリックします。
3.引用アイコンをクリックすると下図のように、ダブルコーテーション付きのボックスで引用文が囲まれます。
4.続いて、引用文のあとに引用元を記載します。
5.引用元の文化庁のホームページのURLをコピーして、4で記載した引用元を選択し、メニューの「リンクの挿入アイコン(赤丸)」をクリックします。
6.「リンクの挿入」をクリックすると、URLをペーストする入力欄が出ます。
7.URL入力欄に文化庁の引用箇所のULRを貼り付けて、右の「⏎適用」をクリックします。
8.以下のように、リンクが反映されて、完了です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、WordPressでWebサイト運営する中で、他の記事や画像を正しく引用する方法について解説しました。
サイト内で主張したいことの根拠を示すために、出典元を明らかにすることで、サイトの信頼性が高くなり、信用のあるサイトとして、結果的に検索順位の向上につながります。
ただ一方で、引用を多用したり、使い方を間違えると、Googleからペナルティを受ける可能性や、最悪は違法として訴えられることもあるのです。
引用の仕方を正しく理解して、ルールを守って活用しましょう。
この記事が、少しでもWordPressでサイト運営される方々のお役にたてれば嬉しいです。