ビッグデータを解析して新しいビジネスに活用する人達のことをデータサイエンティストといいます。データサイエンティストは近年需要を高めている注目の職業です。
そこで今回は、データサイエンティストの将来性と必要スキルについて紹介していきます。データサイエンティストの将来性が懸念されている理由についても解説していますよ。
データサイエンティストを目指したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
データサイエンティストの将来性
データサイエンティストは、近年需要を高めている注目の職業です。そこで、需要が高まるデータサイエンティストの将来性について考えてみましょう。まず、データサイエンティストとIT業界の現状をまとめると次のようになっています。
- AI開発の需要が高まっている
- ビッグデータの活用が進んでいる
- データサイエンス教育が強化されている
- アメリカでも注目されている職業
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
AI開発の需要が高まっている
ITの発展に伴い、社会の様々なインターフェースがシステム化されました。そして、次に求められているのが、AIを導入することによる自動化や無人化です。つまり、IT化により急速に発達した現代社会は、次の段階であるAI化にシフトしているといえます。
AIの代表的な活用例として、自動運転があります。自動運転を実現するには、走行中の映像データなどを分析しながらハンドリングやブレーキなどを制御する必要があります。こういったAIの開発を担っているのがデータサイエンティストだからこそ、近年急速に需要を高めています。
ビッグデータの活用が進んでいる
現在の多くのエンジニアは、決められたアルゴリズムに従って動作するプログラムを開発するのが仕事です。しかし、データサイエンティストは、ビッグデータを分析して新しいビジネスやサービスを生み出すのが仕事です。
例えば、一昔前には、まともに認識されなかったら音声入力ですが、多くのユーザーに利用されてきたことでビッグデータが蓄積され、音声認識は格段に精度が上がりました。他にもWebの閲覧履歴(Cookie情報)を元に、各ユーザーに合った広告を表示するなどといった活用もされています。
データサイエンティストは、膨大なデータで裏付けされた規則性と人工知能を利用して、新しい技術を生み出しているのです。これからの時代の重要な役割を担っているデータサイエンティストの需要は、今後もますます高まっていくでしょう。
データサイエンス教育が強化されている
データサイエンティストの需要が高まるにつれ、日本国内の高等教育機関でもデータサイエンス教育が強化されています。
例えば、滋賀大学が「データサイエンス学部」を開設したり、東京大学の教育プログラムに「数理・データサイエンス教育プログラム」が開設されたりしています。政府は以前からIT人材の育成に力を入れてきましたが、近年ではAI人材の育成にも力を入れています。
現状は、IT業界全体が人材不足の状態なのでプログラマーやWebデザイナーを目指す人が多いです。しかし、将来的なことを考えるとAI開発に特化したデータサイエンティストを目指すという選択肢も悪くないといえるでしょう。
アメリカでも注目されている職業
データサイエンティストは、日本国内だけでなく世界中で需要を高めている職業です。アメリカの大手求人情報サイトが2019年に行った調査では、将来性のある職業1位に選ばれたのがデータサイエンティストでした。
データサイエンティストは、世界中で注目されている将来性のある職業だといって間違いないでしょう。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストは、ITエンジニアに含まれる職業です。しかし、データサイエンティストに求められるスキルには、他のエンジニアとは異なるスキルも含まれます。データサイエンティストを目指すのであれば、次のスキルを身につけるようにしましょう。
- プログラミングスキル
- 数学や統計学の知識
- 機械学習に関する知識
- コミュニケーション能力
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
プログラミングスキル
データサイエンティストには、PythonやR言語、SQLなどのデータ分析に特化したプログラミングスキルが必要です。また、プログラミングスキル以外にも、データ解析ツールを使いこなす対応力も必要でしょう。
IT業界は、続々と最新技術が開発される分野でもあるため、常に情報収集をして、新しい技術に対応するようにしましょう。
AIプログラミング入門【Python】 AI開発に必須!?Pythonプログラミングの魅力を紹介!!数学や統計学の知識
データサイエンティストには、情報科学系の知識も求められます。ビッグデータを解析して、ビジネス課題を解決するには、数学や統計学の知識も必要になります。
実際、データサイエンティストは、統計モデリングを使ってビッグデータを解析し、これまで気づいていなかったデータの規則性などを探します。ほとんどの場合、ツールを使って分析をするので、専門的な深い知識は必要ありません。しかし、他のエンジニアに比べると情報科学系の知識の重要性は高いといえるでしょう。
機械学習に関する知識
一般的なシステム開発では、設計書に従ってソースコードを書き、正しく動作するかテストするのが開発の大まかな流れです。しかし、AI開発においては、ビッグデータを機械学習する工程が発生します。
そのため、機械学習に関する知識は、データサイエンティストならではの必要スキルだといえます。
コミュニケーション能力
データサイエンティストに限らず、エンジニアはチームでプロジェクトを行うため、コミュニケーション能力が重要です。
ただし、データサイエンティストは、内勤のエンジニアに比べると、クライアントや関係各所の人達とのコミュニケーション機会が多い職業です。いつも一緒に開発しているプロジェクトメンバーだけでなく、初めて会う人と意見交換する機会も多いため、誰とでもコミュニケーションを取れる力が必要です。
データサイエンティストの将来性が懸念される理由
将来性の高いデータサイエンティストですが、実は近い未来に需要がなくなるのではないかとも噂されています。データサイエンティストの将来性が懸念されている理由は、次の通りです。
- AI化が進み自動化される
- ITスキルが常識になる
まず、最初の理由がAIにデータサイエンティストの仕事が奪われるという懸念です。確かにAIプラットフォームの普及により、現在のデータサイエンティストの業務は効率化され、需要が著しく減少する可能性はあります。
また、これまでのエンジニアは、それぞれのやり方でITスキルを身につけた一種の職人でした。しかし、近年では政府がIT人材の育成に力を入れているため、これまで一部の人間しか習得していなかったITスキルが特別なものではなくなってきています。将来的には、学校教育で誰でも簡単にエンジニアに必要なスキルが身につくかもしれません。
すると、データサイエンティストという職業に希少価値はなくなってしまいます。AIや解析ツールが発展することで、専門家に依頼しなくても、クライアントが直接データ解析を行える時代になる可能性も高いです。
これらが、データサイエンティストの将来性が懸念される主な理由です。
【AIに侵略される?】IT企業のこれからを大胆予想!将来性はある?ない?まとめ
データサイエンティストは、AI開発やビッグデータ解析の現場で活躍している先端技術の担い手と言っても過言ではないでしょう。日本国内だけでなく、世界中でますます需要が高まっている職業です。
データサイエンティストは、他のエンジニアとは違い、データ解析に必要な情報科学系の知識も必要です。また、使用するプログラミング言語もデータ解析が得意な言語がおすすめです。
なお、AI化やIT人材の育成が加速することにより、データサイエンティストの将来に懸念点もあります。データサイエンティストを目指すのであれば、今後の需要や将来性を意識すると良いでしょう。