読者の皆さんはプログラミング言語ごとの違いと、それぞれの目的をご存じですか?今回はプログラミング言語の違いと、その使い分けについて解説していきます。
プログラミング言語を使い分けることで、自分の目的を達成するために何を学ぶべきなのかがわかってくるはず。まず何を勉強したらよいか分からないという方はもちろん、次に学ぶ言語を探している方も参考にしてみてくださいね。
プログラミング言語とは?
まずはプログラミング言語とは何かについて認識を改めておきましょう。プログラミング言語とは「人間がコンピューターに命令を与えるため」に使用される言語のことを指します。
コンピューターは人間のような複雑な言語の理解ができません。しかし人間もコンピューター向けの言語は理解できません。それを解決するのがプログラミング言語なのです。
プログラミング言語はまず人間にも理解できるような単語や文法で命令を記述します。記述言語は英語で、条件分岐や繰り返しなど処理の内容を記述していきます。
プログラミング言語で処理内容が書けたら、今度は翻訳にかけ、コンピューターが理解できる言語に変換するのです。この翻訳方法にはまとめて行う方法と一行ずつ実行する方法など様々な種類があります。
プログラミング言語の種類
プログラミング言語の種類はかなり豊富です。コンピューターの歴史はまだ浅いですが、前時代の言語の課題を解決させたり、効率を向上させたり、次々に新しい言語が生み出されてきました。
汎用プログラミング言語
汎用プログラミング言語とは、特定の使用用途に限られない言語のことを指します。現在主流の人気言語の多くが、汎用プログラミング言語です。
低水準言語
汎用プログラミング言語の中には大分類として、まず低水準言語と高水準言語があります。低水準言語はより機械に近い言語で、高水準言語はより人間に近い言語です。
そのため低水準言語は翻訳の手間は少ないものの、人間からは非常にわかりにくくなっているのが特徴です。
機械語(マシン語)
機械語はその名の通り機械のための言語です。コンピューターは0と1の電気信号しか読み取ることができないため、機械語は0と1のみから構成されます。到底人間には理解できません。
アセンブリ語
アセンブリ言語は機械語を少し人間向けに改良した言語といえるでしょう。一目見て即座に理解するのは難しいですが、機械語よりも人間の言語に似た表現が可能です。
アセンブリ言語は「アセンブラ」という翻訳プログラムを通して、アセンブリ言語から機械語へ変換されます。
高水準言語
低水準言語に対し、高水準言語はより人間に近い言語なので、しっかり機械向けに翻訳しなければなりません。翻訳にはいくつか種類があります。
コンパイラ言語
翻訳方法のうちの1つがコンパイラ言語です。コンパイラ言語は作成したコードを一括して翻訳し、機械に実行させます。実行のたびに翻訳する作業を「コンパイル」と呼びます。
インタプリタ言語
インタプリタ言語はコンパイラ作業が不要で、1行ずつコードを理解しながら実行させることができる言語です。コンパイルする時間が短縮でき、なおかつエラーが特定しやすいのが特徴です。
手続き型言語
高水準言語の中には、翻訳方法の分類の他、コードを書く手順によっても種類が異なります。手続き型言語は、実行する処理を実行順に順を追って書く言語です。
オブジェクト指向言語
オブジェクト指向言語は、処理に関連するデータの集合と、そのデータに関するメソッド(手続き)をまとめて「オブジェクト」が構成単位となっているプログラムをサポートする言語です。
非オブジェクト指向言語
オブジェクト指向のようにデータを内部にまとめ、外部からそのデータに対する処理を実行するプログラムをサポートしていない言語を指します。
非手続き型言語
手続き型言語に対し、非手続き型言語は順を追って書く必要のない言語を指します。
宣言型言語
プログラミング言語の多くは処理方法を記述しますが、宣言型言語は処理を記述しません。処理の代わりにデータなど対象物の性質を書きます。
関数型言語
関数型言語は関数の組み合わせで処理を行います。
論理型言語
論理型言語とは、論理演算を組み合わせて実行される言語です。
論理積(AND)、論理和(OR)、否定(NOT)などを使用し、命題の真偽を得る演算方法です。プログラマーにとっては必須の知識なので必ず理解しておきましょう。
スクリプト言言語
プログラミング言語の煩わしさや解読の難しさを解決したのが、このスクリプト言語です。簡易的な言語ですが、複雑な処理を行うことができるのが特徴です。
エンドユーザー言語
エンドユーザーと呼ばれるサービスの使用者=消費者が、特定の機能を操作できるように作られました。
特殊問題向き言語
汎用プログラミング言語に対し、特定の使用用途に限られる言語です。
プログラミング言語を使い分ける意味
目的に沿って言語を使い分けることができる
プログラミング言語は現在数百種類以上ありますが、ここまで言語が増えたのには、それぞれに目的があるからです。先述した通りApple社が開発したSwiftはApple製品向けのアプリを開発するために作成されました。
このように目的ごとや、課題を解決するために言語が多様化したのです。
プログラミング言語は日々進化している
プログラミング言語は開発された状態のままで放置されるわけではありません。プログラミング言語をサポートしている会社が日々アップデートを続けているため、記述方法や今までの使用が大幅変更になることも多々。
これからプログラマーを目指す方は、自分が軸として使用していく言語の最新情報を常にチェックすることをお勧めします。
今人気のプログラミング言語
プログラミング言語は、「今需要がある言語」と「次に需要がありそうな言語」に分けることができます。上の図は現役開発者が選ぶ、次に求めれられるであろう言語のトップ20です。
ランキングを見てみると、機械学習に強いPythonが1位に、2位には安定の人気を誇るJavaScript、3位に新しい言語であるGoがランクインしています。4位以下~20位までは古くから存在し、多くの開発者から愛されてきた言語がランクイン。特にJavaやC#などは次世代でも比較的高い順位を獲得しています。
良く初心者向けの記事に、次に必要になるのはPythonだからPythonを学べ!という旨の記事がありますが、ここではあまりお勧めしません。確かにAI社会に向け、需要が拡大するのは間違いありませんが、まだ需要が少ないからです。
Pyhtonを学ぶよりは、HTML/CSS、JavaScript、Java、PHP、C言語などを学ぶ方が、安定的な需要が見込めるでしょう。エンジニアには日々の勉強がつきものです。複数の言語を使い分ける場面も出てきますので、貪欲に学習を進めていきましょう。
まとめ
今回はプログラミング言語の使い分け方法や種類について解説しました。テレビや映画で見たことのあるコーディング作業で扱う言語は、1種類ではなく目的ごとに用意されていたとは、驚きですよね。
初心者の方は、自分の目的に合った言語を学んで効率的にプログラミングを学習していきましょう。
参考文献:
オブジェクト指向プログラミング – Wikipedia
非オブジェクト指向プログラムとオブジェクト指向プログラムのシンプルな境界
宣言型プログラミング言語を理解する!初心者でもわかる基礎知識、代表的な種類などを簡単に解説!