【初心者向け】統合開発環境(IDE)とは?選び方も解説!

プログラミングを学ぶには、実際にコーディングやデバッグの経験を積み重ねることが重要。しかし、ソースプログラムを書くためのエディタやデバッグ・テストできる環境(開発環境)などを、自分で整えるのはハードルが高いです。

そんな時は学習するプログラミング言語にマッチする統合開発環境(IDE)を導入するのが近道!

また、統合開発環境(IDE)は複数のエンジニアが集まって規模の大きいプログラム開発を行う際によく利用されますので理解しておいて損はありません。

今回は統合開発環境(IDE)をわかりやすく説明するととともにおすすめの統合開発環境(IDE)を紹介します。

統合開発環境(IDE)とは?

IDEとは

統合開発環境(IDE)って難しそうな名前ですが、プログラム作成やシステム開発では必須のツールです。プログラムはPC用、スマホ用、ゲーム用とさまざまな機器上で稼働します。そのため、開発用のツールなどをそろえるの手間もコストもかかります。統合開発環境(IDE)を導入することでそうしたわずらわしさを減らすことができます。

 統合開発環境(IDE)の定義

プログラムを開発する手順は一般的には以下のようになります。

(1)要件定義・仕様作成
どんなプログラムを作るのかを明確にする。

(2)プログラミング
エディタなどを使って対象のプログラミング言語でソースファイルを作る。

(3)ビルド(実行形式作成)
コンパイラなどでソースファイルから実行できる形式のプログラムを作成する。

(4)デバッグ・テスト
プログラムをテストして想定通りの動作を行うか確認する

(5)製品化
ドキュメントなどをまとめて誰でも使えるものとする。

統合開発環境(IDE)は、コーディングからデバッグまでを同じ画面上で統一された操作で効率的に行なうための機能を備えており、

統合開発環境(IDE)は、おもに上記(2)~(4)のステップを支援するためのツールです。

統合開発環境(IDE)では、以下の手順でプログラムを開発します。

(ア)プロジェクトの作成
プログラムを作るには、ソースコードのほかにも、ライブラリやアイコン画像など多様な素材を使います。プロジェクトはこれらをひとまとめに管理するためのまとまりです。プログラムの開発に先立ってまずプロジェクトを作成します。
(イ)ソースコードの作成
作りたいプログラムのソースコードをプログラミング言語を用いてソースファイルとしてプロジェクトに追加、編集します。
(ウ)ビルド、デバッグ
ソースファイルなどから実行用のプログラムを作成することをビルドといいます。ビルドできたら、デバッグをしてプログラムが仕様通りに動作し不具合がないかを確認して完成させます。

 統合開発環境(IDE)の機能

ソースコードの編集機能

ソースコード編集のためのテキストエディタに加え、入力補助や構文エラーチェックなどの支援を行なってくれます。

GUIデザイン管理機能

グラフィカルなユーザーインターフェースを備え、画面作成などが容易に行なえます。

コンパイル・ビルド機能

複数のソースファイルやライブラリ間の依存関係を気にすることなくビルドできます。

デバッグ機能

ソースコードを見ながらテストするなど効率的なデバッグが可能です。

バージョン管理機能

ソースファイルや各種データをGithubなどのバージョン管理ツールと連携して管理できます。

チーム開発支援機能

複数の開発者で共同開発する際のルールやコーディング規約などを統一的に反映できます。

 統合開発環境(IDE)の導入効果

統合開発環境(IDE)を導入するとどんなメリットがあるのかを説明します。

開発者の仕事を効率化

プログラム開発に使用するエディタやコンパイラなど多くのツールを統一的な操作方法で使用できます。さらには、エラーチェックや入力補助などの支援機能を有しており、開発作業の効率化が図れます。

プログラム管理の効率化

プログラム開発では、ソースコード、アイコンや画像データ、各種設定データなどいろんなデータを何度も修正や変更を繰り返すことになります。
こうした変更の履歴を的確に保存しておかないとプログラムに思わぬバグなどが混入し完成が遅れることがあります。
統合開発環境(IDE)は、ソースコードや各種データの履歴管理を行う機能を提供してくれますのでリソースの管理負荷をへらすことができます。

開発プロジェクト支援

規模の大きいプログラムでは、複数の開発者がチームを組んで開発をすすめるプロジェクトを進行します。こうした場合、プロジェクトの標準ルールに従って開発を進めることが必要です。
統合開発環境(IDE)ではプログラミングやデバッグ・テストなどにプロジェクトの標準ルールを組み込むことができるようになっています。

統合開発環境(IDE)を選ぶポイント

統合開発環境(IDE)を選ぶ際のポイントとして、対応OS、対応言語、導入形態、価格についてご説明します。

対応OS

開発プログラムが動作するOSおよび統合開発環境(IDE)をインストールするマシンのOSをサポートしているかを確認しましょう。

対応言語

開発に使用するプログラム言語をサポートしているか確認しましょう。また、どのバージョンまでサポートしているかの確認も必要です。

価格

無料で使用するための条件が設定されている場合がありますので確認しましょう。また、使いたい機能が有料化されている場合もあることにも留意しましょう。

統合開発環境(IDE)のおすすめ7選

IDEおすすめ

無料で使える主要な統合開発環境(IDE)について、特徴、ポイントを説明します。

Eclipse

IBMが提供しているjava向けの統合開発環境(IDE)です。プラグインを導入すればC++、PHP、Perl、C#、Python、Ruby、JavaScriptなども利用できます。

公式ページ https://eclipse.org/
対応OS Linux、Max OS X、Windows
対応言語  Java
プラグインでサポート:C++、C#、PHP、Python、Rubyなど
価格  無料

Visual Studio(Community)

Microsoftが提供している統合開発環境(IDE)です。WindowsをはじめAndroid、iOSやMacOS、Webアプリなど、あらゆるOSのアプリを開発できます。
個人での開発には自由に使用できますが、一定の商用ルールが定められていますので留意が必要。

公式ページ https://www.microsoft.com/ja-jp/dev/products/community.aspx
対応OS Windows
対応言語  C#、Visual Basic、F#、C、C++、Python、Node.js、HTML、JavaScriptなど
価格  無料版あり、有料版(6万円前後〜)

Xcode

Appleが提供しているIOSアプリ用の統合開発環境(IDE)です。Swiftにも対応しています。

公式ページ https://developer.apple.com/jp/xcode/
対応OS Max OS X
対応言語  Swift、Objective-C、Java、C、C++、AppleScriptなど
価格  無料

Android Studio

Googleが提供しているAndroidアプリ用の統合開発環境(IDE)です。Androidアプリの開発をしたい方におすすめです。

公式ページ https://developer.android.com/studio/index.html?hl=ja
対応OS Linux、Max OS X、Windows
対応言語  Java(Android開発)
価格  無料

 

IntelliJ IDEA

チェコのJetBrains社製のjava用の統合開発環境(IDE)です。Java、Scala、Groovy、Kotlinなどに対応しています。Scalaなど新しいプログラム言語をサポートしています。
Community版は無料ですが、有料のUltimate版に比べると、JavaScriptやMySQLなどは使えないなどの制限があります。

公式ページ https://www.jetbrains.com/idea/
対応OS Linux、Max OS X、Windows
対応言語  Java、Kotlin、Scala、Groovy、HTML/CSS、JavaScript、TypeScript、SQL(RDBMS)など
価格  Community版は無料、Ultimate版は¥16,100~

XAMPP(ザンプ)

XAMPP(ザンプ)は、PHP開発におすすめの統合開発環境(IDE)です。Webアプリ開発に必要なサーバやDBも一括でインストールすることが可能です。

公式ページ https://www.apachefriends.org/jp/index.html
対応OS Linux、Max OS X、Windows
対応言語  Apache、MySQL、PHP、Perl
価格  無料

AWS Cloud9

Amazonが提供するクラウド上の統合開発環境(IDE)です。Python、PHP、Rubyなども利用できます。WEBアプリケーション開発をしてみたい方は「AWS Cloud9」で学習してみてもよいかもしれません。なお、AWSを含め、利用期限が設定されることに留意が必要です。

公式ページ https://aws.amazon.com/jp/cloud9/
対応ブラウザ Google Chrome、Safari、Firefox、Microsoft Edge
対応言語  Node.js (JavaScript)、Python、PHP、Ruby、Go、C++ など、40 以上のプログラミング言語をサポート
価格  無料期間あり

統合開発環境(IDE)導入の留意事項

留意事項

統合開発環境(IDE)は、エディタからデバッガーやプロジェクト管理ツールまでが一体的にサポートされています。このため、以下の点に留意が必要です。

  • それなりの処理能力を有するPCやディスクスペースを割り当てる必要があり、また、複数ウィンドウを表示して問題ないサイズのディスプレイも必要。
  • 豊富な機能を使いこなすにはそれなりの時間がかかること、使い始めると他への統合開発環境(IDE)への移行は難しいことから、本格的な利用には検討が必要

まとめ

いかがでしたか? 今回は、統合開発環境(IDE)について説明しました。

統合開発環境(IDE)を活用することが、プログラミング言語を学び自在にプログラムを開発していくのに有効であることがおわかりいただけたと思います。自分にあった統合開発環境(IDE)の選び方をイメージできたでしょうか。

この記事が、プログラミング言語やプログラム開発の学習のお役に立てば幸いです。

 

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