と思っていませんか?客先常駐というのはIT業界で働いているとよく聞きます。今回はそんな客先常駐についてのメリット、デメリットを解説します。
目次
客先常駐の働き方
まずは客先常駐の雇用契約について詳しく解説していきます。
客先常駐の雇用契約を知ろう
客先常駐の雇用契約は企業間の交渉によって決まります。ですので、雇用契約の内容はケースバイケースです。ここではよくある雇用契約を2つ紹介します。
ひとつは指揮命令権が派遣元の企業にある準委任契約です。準委任契約の場合、常駐先の企業が常駐するエンジニアに対して残業を命令することは契約上できません。
もう一つは指揮命令権が派遣先の企業にある派遣契約です。派遣契約の場合、派遣社員として派遣先の企業で働くことになります。
準委任契約、派遣契約どちらの場合でも労働時間に対して報酬が支払われ、契約期間が終了するとその職場からは離れることになります。
フリーランスとの違い
フリーランスは準委任契約でSESのように働く場合もあれば、一人で開発できるレベルのものを受注、開発し納品する請負契約で働く場合もあります。ですので、フリーランスが客先常駐のエンジニアとして働くことも可能です。
フリーランスと企業から派遣されるエンジニアは同じ客先常駐であっても支払われる報酬に差があります。フリーランスの場合、常駐先企業から直接報酬が支払われるため、企業から派遣されるエンジニアより多くの報酬を得ることができます。
フリーランスの仕事の探し方と取り方客先常駐が多い理由
どこの企業もエンジニアが足りていません。IT人材白書2020の調査では以下のような調査結果があります。
この調査結果が示しているようにIT人材の不足感を感じる企業は年々増えています。そういった企業は以下のような悩みを抱えていることが多いです。
・新しいシステムを開発するために人手が欲しい
・既存のシステムに機能を追加して、業務の効率化を進めていきたい
・社外に情報を持ち出されないために常駐して開発してくれるエンジニアがほしい
こういった背景を理由に客先常駐に限らず、エンジニア全体の需要は更に増えていくと予想されます。
客先常駐のメリット
ここからは客先常駐で働くことのメリットを解説します。
いろいろな案件に関われる
客先常駐のエンジニアは基本的に契約期間があリ、その期間は契約内容によって数ヶ月の契約の場合もあれば数年の場合もあります。契約期間が終われば次の現場、次の契約期間が終わればまた次の現場、というふうに客先常駐のエンジニアは企業を転々とするため、いろいろな開発案件に携わることになります。
大手企業の開発案件に関わることもあれば、スタートアップの案件に関わることもあるでしょう。このようにいろいろな案件に関わることができるのが客先常駐として働くメリットです。
残業が少ない
SESとして働くのであれば指揮命令権は派遣元の会社にあるので、常駐先の企業から残業を命令されることは契約上はありません。残業が契約上ないといっても、エンジニアの仕事としてシステムの深夜リリースや緊急対応しなければならない場合もあります。
ですが、残業時間は少ないというのは事実であり、客先常駐のメリットです。ある程度のプライベートな時間を大切にしたい人にオススメの働き方と言えます。
客先常駐のデメリット
客先常駐として働くのはメリットだけではありません。ここからは客先常駐として働くデメリットについて解説します。
設計やマネジメントの経験が積めない
客先常駐を依頼する企業でよくあるケースとして、要件定義や設計、案件におけるマネジメントは自社の社員が担当し、実際に開発するのは客先常駐のエンジニアに任せるというケースがあります。
このような場合、開発経験が浅い人にとっては手を動かしながら開発経験を積めることはメリットとなります。ですが、客先常駐のエンジニアが要件定義や設計に携わるのは難しいというデメリットと捉えることもできます。
会社から評価されにくい
客先常駐は会社から評価されにくいです。常駐先で頑張って成果を出したとしても常駐先の企業が報告しない限りは、会社はその成果を知ることはありません。すると常駐するエンジニアにはこんな思いが生まれてきます。
更には自社に対する貢献感がなくなり所属感が薄れ、最終的には働くこと自体が辛くなっていきます。
通勤する必要がある
客先常駐と言うからには、基本的に常駐先のオフィスに出勤することになります。ですので、たとえ常駐先のオフィスが自宅から遠方であっても、出勤しなければなりません。
通勤時間とストレスを感じる度合いは比例すると言います。客先常駐のエンジニアにとって通勤時間は悩みの種になるでしょう。
客先常駐SEのメリット・デメリットは?|SEのキャリアパスを考える客先常駐に向いている人
ここからは客先常駐として働くのに向いている人を解説していきます。
エンジニアとして働き始めたい人
客先常駐としてエンジニアを派遣するSES企業は就職しやすいです。エンジニアのキャリアとして、まずは現場で開発経験を積みたいという人には客先常駐やSESはオススメです。
いろいろな開発案件に関わりたい人
客先常駐として契約期間ごとにいろいろな企業で開発業務を行います。ですので、いろいろな開発案件に関わりたいと思う人には客先常駐は向いています。
企業によってシステムの新規開発案件の場合もあれば、既存のシステムに機能を追加するような保守運用の案件もあります。そういったいろいろな案件に幅広く関わりたい人にオススメです。
客先常駐のキャリアパス
長く客先常駐として働くつもりはない、と思っている人もこの記事を読んでいる人の中にはいるかもしれません。ここからはWEB系企業に働くためのキャリアパスを解説します。
システム開発の経験を積み、転職する
プログラミング未経験の人がWEB系企業に就職できる現実的な方法があるとしたら、知りたくありませんか?その方法は以下のようなキャリアになります。
ステップ2. 開発経験を実績として転職する
WEB系企業よりもSES企業のほうが就職しやすく、SES企業のエンジニアは準委任契約で常駐先の企業で働いた時間に対して報酬が発生します。このようにしてSES企業で働きながら金銭的な安全を確保しつつ、開発経験を積むのがステップ1です。
そして、ある程度の開発経験を積んだらそれを実績として転職するステップ2を実行する。これが未経験からエンジニアになるための現実的な方法です。
常駐先の企業にアピールして正社員になる
転職を何度もやるのは体力が必要ですし、もしうまく転職できたとしてもその企業の文化にあまり馴染めない可能性もあります。ですが、客先常駐は派遣元の企業から給与をもらいながら、常駐先の企業の働き方や文化を知ることができます。
もし、常駐先の企業が気に入ってそこで長く働きたいと思うのならば、いい方法があります。それは常駐先の企業で自分がいなくなると困るような状況をつくり出すことです。
例えば、常駐先のシステムの仕様を深く理解しておくと、常駐先の企業にとっては貴重なエンジニアとなります。このような状況ができたタイミングで常駐先の企業にアピールしましょう。派遣元と常駐先の契約に違反しないように気をつける必要はありますが、リスクを限りなく減らしてWEB企業で働く一つの方法です。
まとめ
いかがでしたか?今回は、客先常駐のメリットとデメリットについてご紹介しました。これで客先常駐について少し詳しく知ることができたと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。