「30代後半の転職は不利」とよく耳にしますよね。
しかし30代後半の転職も、コツを抑えればしっかりと転職を成功させることができます。今回は30代後半でも転職が可能な理由と、成功するコツなどについて解説していきます。
転職したいけどなかなか踏み出せない人は、ぜひこの記事を読んでみてください。
30代後半でも転職はできる
結論から言うと、30代後半でも転職は可能です。以下で詳しい理由を説明します。
- 35歳の壁は過去の産物
- 労働人口の減少
- 中堅層の不足
- 転職サービスの隆盛
35歳の壁は過去の産物
35歳の壁はもはや過去の産物と言っても良いでしょう。なぜなら、転職市場は拡大し続けており、30代の転職者も珍しい存在ではなくなっているからです。
人材協の2020年の発表によると、2019年の36~40歳の転職紹介数は前年比で105.9%と伸びています。2020年度上半期は数字が落ちてしまいましたが、一時的なものと考えられます。なぜなら、全年代で数字が下がっており、コロナ影響によるものと予測されるから。今後数字が回復する可能性は十分にあるのです。
求職者転職時年齢 | 2019年度前年比 | 2020年度前年比 |
---|---|---|
36~40歳 | 105.9% | 84.1% |
参考: 一般社団法人日本人材紹介事業協会|「人材協、職業紹介会社大手3社 2020 年度上期転職紹介実績を発表」
年齢だけで転職を諦めてしまうのはもったいないと言えるでしょう。
労働人口の減少による中堅層の不足
少子高齢化により、労働人口そのものが毎年減少しています。それによって30代の中堅層も少なくなってきているため、企業は幅広い年齢を採用対象とするようになっています。
またいずれの企業も人材の数は充足しているものの、しっかりと戦力となるメンバー、および幹部候補の獲得に苦戦しています。管理スキルや会社をけん引してくれるような人材が多く求められているのです。
転職サービスの隆盛
近年は転職サービスが数々と登場しており、転職市場は活気づいています。中には企業側からスカウトを送るサービスも出てきており、転職活動と家庭・現職の両立もしやすくなっています。
30代後半の転職では求められるものが違う
30代後半の転職では、20代や同じ30代前半の人と比べて求められることが変わります。30代後半の転職で求められることを解説します。
- 30代後半の転職ではマネジメント経験が求められる
- マネジメントスキルとして、チーム力向上・新規ビジネス立案・要員補填が求められる
30代後半の転職ではマネジメント経験が求められる
30代後半の転職では、マネジメント経験が重視されます。多くの30代後半の方は管理職を経験しており、企業も管理職を任せたいと考えている場合が多いからです。
そのためスキルはもちろんのこと、部下を管理・教育した経験をアピールすることがポイントです。仮にフラットな組織で役職がついていない場合は、プロジェクトの管理経験などをアピールすると良いでしょう。
マネジメントスキルとして、チーム力向上・新規ビジネス立案・要員補填が求められる
中途採用でマネジメント経験を重視する企業で多いのが、「チーム力向上」を目的とした求人です。
中小企業では新卒採用に苦戦しているところも多く、かつ新卒の時点で将来管理職として活躍できる人材かを判断するのは非常に難しいものです。そうなると、必然的に中途採用で管理ができる人材を採用する方法が取られるのです。
また、新規プロジェクトや事業の立ち上げの際にその道の有識者として採用したり、管理職の社員の退職により交代メンバーとして同水準の経験値を持ったメンバーを採用したりするケースもあります。
いずれのケースでも言えることは、「その企業を引っ張って行ける人材を求めている」ということです。
30代後半の転職で認識しておくべきこと
30代後半の転職は確かに可能ですが、注意しておくべきこともあります。30代後半で転職する際に認識しておくべきことを解説します。
- 年収が下がる可能性がある
- 未経験の職種への転職は難しい場合がある
年収が下がる可能性がある
未経験の職種に就こうとした場合、年収ダウンは避けられません。理由は言わずもがなですが、高い年収に見合うスキルがまだ身についていないからです。
新卒から一つの職種として経験を積んだからこそ新しい挑戦をしたくなったり、現職に危機感を覚えてキャリアチェンジしたくなるものです。しかし年齢は考慮してもらえるものの、未経験領域への転職で今と同等以上の年収を求めようとすると必然的に選択肢は狭まってしまいます。
未経験の職種への転職は難しい場合がある
未経験の職種への転職は難しい場合もあります。理由は、未経験の採用は新卒や第二新卒といったポテンシャルを大きく秘めた人材がターゲットとなるためです。そのため、30代後半の場合はターゲットから外れてしまう可能性があります。
とはいえ、「新規事業立ち上げのために色々な意見を取り入れたい」といった場合は今までの経験を評価されるケースもあります。
30代後半での転職を成功させるコツ
最後に、30代後半での転職を成功させるコツについて解説します。
- 転職の成功を定義する
- 退職や有休消化を見越したスケジュールを立てる
- 面接対策をぬかりなくする
- 現職を辞めずに転職活動をする
まずは自分にとっての転職の成功を定義しましょう。人によって何をもって「転職が成功した」と感じるかは人それぞれです。
ただ現職でうまくいっていないからという理由で転職をしてしまうと、転職先でも同じことを繰り返してしまう可能性があります。そうならないために、まずは自分の中で転職の軸を持っておきましょう。
- 現職への不満を書く(給料、将来性、役職など)
- 転職先に求めるものを定義する(身に付けたいスキル、ワークライフバランス、給料や働き方など)
30代後半の転職は「これが最後」だという意識を持ち、自己分析や何をもって転職が成功したとするかのイメージを持っておくのが大切です。
退職や有休消化を見越したスケジュールを立てる
現職の退職交渉が難航しないよう準備することが大切です。せっかく内定をもらえても、入社時期が予定より遅れてしまうと転職先にも迷惑がかかってしまいますし、最悪の場合内定辞退・取り消しの可能性もあります。
特に30代後半は社内でも重要ポジションについていることが多く、若手と比べて業務の引き継ぎ量が多かったり多忙なケースも多いです。
いつまでに現職を離れ、いつまでに内定をもらうのかなど転職活動のスケジュールを立てることが重要です。
面接対策をぬかりなくする
面接対策はしっかりと行いましょう。面接では、端的に、かつわかりやすく話せているかや、身だしなみも評価されます。
また、30代後半での転職では柔軟性や自身の経験についていかに的確に回答できるかが重視されます。柔軟性とは、自分の考えが凝り固まっておらず新しい環境に適応できるかということです。
マネジメント経験も求められます。しかし、役職についていなくとも、上司として部下を教育、リードしてきた経験をアピールできれば問題ありません。自身の経験を端的に、かつ魅力的に話せるように棚卸しをしておきましょう。
現職を辞めずに転職活動をする
転職活動は現職に在職中しながら行いましょう。理由は2つです。
- 退職したら給料が入らず焦りを生む原因となる
- ブランクがあると転職において不利になる
特に収入が止まった状態が長く続くと焦りが生じ、深く考えず最初に内定が出た会社に決めてしまうなど、冷静な判断が難しくなってしまいます。
在職中の方が面接でも余裕が出て内定ももらいやすくなります。転職での成功率を高めるためには、在職中に転職活動を行うことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、30代後半でも転職できることと、転職を成功させるコツについて解説しました。「自分には無理だ」と諦めかけていた転職を、前向きに検討することができることができたのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてみてください。