副業をしている皆さんは、お金の管理をどのように行っていますか?本業の給与が振り込まれている口座と全て同じにしているという人や、仕事によって別々にしているという人など、それぞれのやり方で管理しているのではないかと思います。
副業収入を得るようになったら、確定申告で困らないようにするために自分でお金の管理をすることが重要になってきます。そのためには、副業専用の口座を作るのがおすすめです。
とはいえ銀行には地方銀行やメガバンクなどいろいろな形態があるため、どこを選んだらいいのか分からないという人もいるでしょう。そんな人におすすめなのがネット銀行です。
手数料の優遇や時間や日付に関わらず利用できるなどのメリットから、副業専用にネット銀行口座を開設する人も増えてきています。
この記事では、副業にネット銀行がおすすめな理由や、おすすめのネット銀行の紹介をしていきます。現在副業をしている人も、これから副業を始めようと考えている人もぜひ参考にしてみてください。
副業にはネット銀行が良いの?
副業にはクラウドソーシングやアフィリエイト、ポイ活など様々な種類がありますが、副業の報酬が振り込まれる銀行の口座が必要となります。
これから副業を始めるという人は、口座の開設や管理が簡単なネット銀行がおすすめです。
ネット銀行はWebやアプリから残高確認や手続き履歴の確認や振り込みなどの手続きを行うことができます。プライベートの口座と分けることで副業の報酬だけでなく必要な経費や購入品などの把握がしやすくなり、近くのコンビニなどのATMで時間や日付を問わず利用することができます。
また、ATM手数料や振込手数料も地方銀行やメガバンク等に比べて安くなるところが多くなっています。手続きに応じて提携するサービスのポイント獲得やキャッシュバックなどの特典があるネット銀行もあり、副業専用口座としておすすめです。
副業にネット銀行を利用するメリットとデメリット
では副業にネット銀行を解説するメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
副業にネット銀行を利用するメリット
副業にネット銀行を利用するメリットは大きく5つあります。
確定申告の際に役立つ
副業をしている際に気をつけなければならないのが「確定申告」です。副業でも年間所得が20万円以上ある場合は、確定申告を行わなければなりません。
確定申告では、年間の報酬額やかかった経費などをまとめて税務署に提出する必要があります。
副業専用に銀行口座を作っていた場合は仕分けする手間が軽減されるため、経費や売り上げ、入出金などの把握や集計がしやすくなります。
副業のお金の流れを把握しやすい
プライベートで利用している口座と副業の口座を分けておくことで、副業に関するお金の流れを正確に把握しやすくなります。
プライベートの口座からは毎月生活費や光熱費などの引き落としや支払いなどを行っていて入出金も多くなるため、全て同じ口座にしていた場合はお金の仕分けが難しくなってしまいます。ネット銀行に副業専用の口座を作っておくと、お金の流れが分かりやすくなり、Webやアプリから残高や入出金記録などの確認をいつでも行うことができます。
提携するサービスが多い
ネット銀行は、関連する企業との提携サービスが豊富です。楽天銀行やPayPay銀行など、取引などの利用に応じてポイントを貯めることができます。普段から楽天市場やPayPayでの支払いなどを利用する人にお得なサービスやキャンペーンなどもあります。
また、クラウドソーシングサイトのランサーズの場合、楽天銀行を振込先口座に指定すると送金手数料500円から400円割引されて100円となるなど、副業やフリーランス向けのサービスも充実しています。
手数料が安い
ネット銀行は入出金や振り込みなどの手数料が無料や安く済む銀行が多くあります。その理由は、専用の店舗をもたないため、店舗の運用にかかる費用を抑えることができるからです。
ATM利用3回まで手数料無料や、金額を限定しての手数料無料など、サービス報酬受け取り口座に指定することで特典なども充実しています。
時間を気にせず利用できる
基本的にネット銀行は24時間365日利用することが可能です。平日は仕事で銀行に行く時間がないという人も多いと思いますが、ネット銀行の場合は時間を気にせずに残高確認や送金、入出金処理などを行うことができます。
副業にネット銀行を利用するデメリット
お金の管理をしやすくなるメリットがある一方で、ネット銀行にはデメリットもあります。
店舗数が少ないため、何かあっても自分で対応しなければならない
ネット銀行の口座開設や振込などの手続きのほとんどはネット上で行うことができます。わざわざ店舗まで出向かなくて良いためとても便利ですが、手続きの途中で何かトラブルが起こったり分からないことが出てきたりしても基本的には自分で対応する必要があります。
問い合わせやヘルプセンターなどのサービスもありますが、すぐに解決したいという時には不便に感じてしまうこともあります。
自社ATMがないため、利用場所によっては利便性が大きく変わる
上述したように、ネット銀行は店舗数を限りなく減らして必要な経費を削減している分、手数料や振込手数料を安く抑えることができています。
近くのコンビニや銀行などに設置してあるATMが提携しているかどうかで利便性が大きく変わります。また、ATMによっては手数料が必要になることもあるため、注意が必要です。
副業におすすめのネット銀行5社
ここからは副業におすすめのネット銀行のサービスや特徴について解説します。
ネット銀行によってそれぞれサービスが異なるため、自分が行っている副業や目的に合わせて選んでみてください。
楽天銀行(旧イーバンク)
ネット銀行の中で一番の知名度と利用者数を誇る「楽天銀行」。2001年に「旧イーバンク銀行」として設立されて以来、楽天ユーザーだけでなくたくさんの人に利用されている老舗のネット銀行です。楽天銀行の特徴は以下の通りです。
- コンビニATMで手軽に入出金が可能
- ATM手数料がランクに応じて最大月7回まで無料
- 普通預金金利が大手銀行の20倍
- 振込手数料がランクに応じて最大月3回まで無料
- 残高や取引に応じてポイント獲得や手数料優遇
- セキュリティ面も強固で安心
- 口座開設手続きは3ステップ、最短3分で完了
- キャンペーンで楽天ポイントや現金が貯まる
楽天銀行は提携しているATMが多いため、近くのコンビニのATMで24時間365日入出金を行うことが可能です。手数料はランクに応じて月最大7回まで無料になるため、手数料を気にせずに利用することができます。
他行への振込手数料は最大月3回まで、楽天銀行同士の振込は何度でも無料です。家賃や買い物などの振込にもお得となっています。
楽天市場などを利用して貯まった楽天ポイントは、振込手数料や支払いなどに使うことも可能。普段から楽天を利用する人にはうれしいサービスです。
残高確認や入出金履歴なども全てアプリからチェックすることができます。セキュリティ面でもワンタイム認証やセキュリティカード認証、合言葉認証などの対策を充実させており、不正送金やフィッシングに備えることができます。
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
2000年に日本初のネット銀行として誕生した「ジャパンネット銀行」。現在はPayPay銀行となり、個人事業主や副業をする人にも人気のネット銀行となっています。
PayPay銀行の特徴は以下の通りです。
- 個人事業の屋号を名義とした口座開設がしやすい
- セキュリティがしっかりしているため、ビジネスとして利用する人も多い
- 取引額が3万円以上であれば、ATM手数料が無料
- PayPayから残高確認や振込が可能
- 各種キャッシュレス決済にも対応
- アプリがあればカードレスで入出金できる
- 最短即日で口座開設可能
最短で当日に口座開設をすることが可能。PayPayから1タップでPayPay銀行と切り替えられます。また、PayPayの口座残高を確認しながらのチャージや振り込みもPayPayアプリで行うことができます。普段からPayPayを利用している人にはうれしいサービスです。
セキュリティ面でも、セキュリティの強いトークンやトークンアプリを使っているため安心して使うことができます。
ポイントが貯まるキャンペーンなども多いため、効率的にポイントも貯めることができます。
auじぶん銀行
「auじぶん銀行」は、携帯電話事業を手掛けるKDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立されたネット銀行です。auを利用している人はもちろん、それ以外の人も利用することができます。auじぶん銀行の特徴は以下の通りです。
- じぶん銀行アプリひとつで残高照会から振込、定期預金などの全ての銀行サービスが利用できる
- キャッシュカードがなくてもアプリから入出金ができる
- 近くのコンビニのATMで24時間365日利用できる
- 三菱UFJ銀行への振込手数料が無料
- auIDを持っている人はさらにお得
じぶん銀行アプリを持っていれば、口座の開設やATM利用もアプリひとつで行うことが可能です。auIDと連携させることで、取引に応じてPontaポイントを貯めることもできます。お店でPontaポイントを利用することが多いという人にもおすすめです。
ATMは近くのコンビニで24時間365日利用することができ、利用手数料もランクに応じて無料となっています。
セキュリティ対策には、ATMからの出金や残高照会をロックできるATMロック機能を搭載。不正な取引などから口座を守ることができます。
往信SBIネット銀行
「往信SBIネット銀行」は、ネット銀行として2007年に設立されました。往信SBIネット銀行の特徴は以下の通りです。
- ATMでの入出金がアプリでできる
- 認証NEOを登録すると入出金や振り込みが月5回まで無料
- ApplePayに対応しているためキャッシュレスでお買物ができる
- ポイントを貯めるとマイルとの交換や、現金で受け取ることもできる
- SBI証券連携や外貨預金など資産運用もできる
- セキュリティ対策も万全
アプリから口座開設を行うことで、口座入力時の情報入力を簡単に行うことができます。本人確認書類の確認はスマホから写真を撮るだけなので、書類を郵送する手間も省けます。
キャッシュカードがなくてもアプリを使ってATMでの取引ができる「アプリでATM」というサービスを使って全国のATMで取引を行うことが可能です。
「スマート認証NEO」を登録することで生体認証での本人確認ができるようになるため、より安全に取引を行うことができます。
往信SBIネット銀行のデビットカード(Mastercard)はApplePayにも対応しているので、キャッシュレスでの買い物がしやすく、明細もアプリ上から確認することができて便利です。
GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行は、「あおぞら銀行」と「GMOインターネットグループ」とが集結して2018年に設立されたネット銀行です。
それぞれの強みを生かしたサービスやラインナップを取りそろえ、様々なニーズに対応できるような取り組みを実施しています。
- 振込手数料は同社宛無料、他行宛も一律145円と、他社よりも手数料が安い
- 口座開設は来店不要でWebから行うことができ、アプリやパソコンから24時間365日利用が可能
- ビジネス用デビットカード利用で最大1パーセントをキャッシュバック
- 各取引に応じたセキュリティ認証方法で安心して利用できる
- 口座運用に必要なサービスを取りそろえているため、個人でも法人でも利用しやすい
振込手数料は同行宛ならば無料、他行宛の場合でも一律145円と低価格で利用することができます。口座設立1年未満の法人の場合は月20回まで無料で使うことができるため、振込が多い場合にもおすすめです。
口座開設は来店して行う必要がなく、ネットから行うことが可能。振り込みなどの取引もアプリやパソコンから時間を問わずに行うことができます。
ビジネスデビットカードを使うことで利用分の最大1パーセントを毎月キャッシュバックできるのもうれしいサービスです。
ワンタイムパスワード認証や生体認証、トークンアプリ認証など、それぞれの取引に応じたセキュリティ対策を行っています。
ネット銀行の選び方
ネット銀行を選ぶ際は、利用の仕方や目的に合わせて銀行を選ぶようにしましょう。ネット銀行を選ぶにあたって重視したいポイントは4つあります。
- ATM手数料
- 提携しているATM
- セキュリティ面
- 他サービスとの提携
ATMの利用の仕方に合わせて選ぶ
ネット銀行は専用の店舗やATMがないため、基本的にはコンビニなどの提携しているATMを使って入出金を行います。そのため近くのコンビニや銀行の支店に提携するATMがあるかどうかというのは重要です。
ATMでの出金については、PayPay銀行や楽天銀行は、出金金額が3万円以上で手数料が無料となります。往信SBIネット銀行も回数制限を設けて手数料無料となるなど、ステージや回数に応じて手数料を安くすることができます。
振込回数に合わせて選ぶ
振込を利用することが多い場合は、振込の無料回数や手数料の安さを重視して選びましょう。
ネット銀行の多くは、回数制限で手数料無料というものが多いです。月の支払回数が多くなる場合は、無料回数以降の振込手数料ができるだけ安くなる銀行を選ぶようにしましょう。
往信SBIネット銀行やGMOあおぞらネット銀行は、同行間の振込であれば手数料が無料、他行への振込も安くなっており、振込を多く行う人におすすめです。
セキュリティ面を重要視して選ぶ
ネット銀行の利用を考えている人の中には「セキュリティ面がしっかりしているかどうか心配」という人も多いと思います。
昨今は不正送金ウイルスやフィッシング詐欺、スパイウェアなどのネットバンキング犯罪が急増しているため、口座を守るために自分でもセキュリティ対策について理解しておくことも必要です。
ネット銀行はネット上での振り込みや入出金ができて便利ですが、その分セキュリティ対策は各自でしっかり行わなければなりません。各ネット銀行ではそれぞれセキュリティ対策にも力を入れていますが、それぞれの会社ごとにセキュリティ対策も様々です。
ネット銀行のセキュリティ対策には、セキュリティが強い順に「トークン」「アプリ認証」「ワンタイムパスワード」「セキュリティカード」「合言葉認証」といった方法が取られています。
できるだけセキュリティレベルが高く、安全性の高いネット銀行を選ぶようにしましょう。
トークン・トークンアプリ
「トークン」は最もセキュリティが高いと言われているセキュリティ対策で、1度のみの有効なパスワードを使って本人認証ができるトークンという専用機器を使って手続きを行います。トークンは一人ひとり個別に発行されるため、外部からパスワードを知られることがなく安全性も高くなっています。
トークンの機能をもった「トークンアプリ」もありますが、アプリの場合はアプリの個人情報が盗まれてしまう可能性もあります。また、アプリ起動の際の認証方法によってはセキュリティが弱くなってしまう可能性もあり、セキュリティ対策を考えるならトークンの方が安心といえるでしょう。
対応しているネット銀行:PayPay銀行、GMOあおぞらネット銀行など
アプリ認証
「アプリ認証」は、スマートフォンのアプリから本人確認を行えるという認証方法です。
顔認証や指紋認証などは生体認証と呼ばれ、本人確認が行いやすく安全性も高くなっています。一方でパスコードやパターン認証といった方法の場合、他人に知られてしまう可能性があるため注意が必要です。
アプリ認証での本人確認を行っているネット銀行の場合は、生体認証ができるかどうかを確認しましょう。
対応しているネット銀行:往信SBIネット銀行、auじぶん銀行、GMOあおぞらネット銀行など
ワンタイムパスワード
「ワンタイムパスワード」とは一度のみ有効になるパスワードのことで、メールやショートメッセージなどで送られてきたワンタイムパスワードを入力することで認証されるというものです。
パスワードは毎回別のものになり、30分以内などの制限が設けられている分安全性も高くなりますが、パスワードが送られてくるメールアドレスが他の人に知られた場合、ワンタイムパスワードを知られてしまう可能性もあり注意が必要です。
対応しているネット銀行:楽天銀行、GMOあおぞらネット銀行など
合言葉認証
「合言葉認証」とは、いくつかの質問の中から選んだ問いと設定した答えで認証を行う方法です。
質問は出身地や母親の旧姓、ペットの名前など様々なので、忘れにくく推測されにくい質問と答えを設定することが大切です。
対応しているネット銀行:楽天銀行など
セキュリティカード
「セキュリティカード」とは、認証番号が記載されているカードのことで、表にアルファベットや数字などがあらかじめ記載されています。
振り込みや入出金手続きを行う際に指示された番号を入力することで認証することができます。セキュリティカードは一人ひとりで違うため他人には知られにくいですが、手続きの際にカードを持ち歩かなければならなくなり落としたり紛失してしまったりする可能性もあります。
対応しているネット銀行:往信SBIネット銀行、auじぶん銀行など
他サービスとの連携を重視したい場合
提携するサービスにより、各取引に応じて効率的にポイントを貯めることができます。普段から連携しているサービスを利用することが多い場合は、ポイントが効率的に貯められる銀行を選ぶのもおすすめです。
まとめ
今回は副業するのにおすすめのネット銀行4社の紹介と、ネット銀行のメリットや選ぶ際のポイントについて解説しました。
- ネット銀行は口座の開設やネット上で口座の管理ができるため副業にもおすすめ
- 専用のアプリを通して残高の確認や振り込みなどの手続きができる
- ネット銀行は口座開設もWebやアプリから行うことが可能、最短即日で口座を開設できる
- プライベートの口座と分けることでお金の流れを把握しやすくなり、確定申告の際に便利というメリットがある
- ネット銀行は近くのコンビニなどのATMから24時間365日利用することができ、手数料もお得
- ネット銀行のデメリットとして、ATMの種類によっては手数料がかかったり、トラブルの際にすぐに対応してもらえなかったりすることがあげられる
- 楽天銀行やPayPay銀行は貯まったポイントを買い物に利用できる
- auじぶん銀行は、au利用者はもちろんそれ以外の人でもお得なサービスを受けられる
- 往信SBIネット銀行やGMOあおぞらネット銀行は振込手数料が安く、振込を多く行う人におすすめ
- ネット銀行を選ぶ際は、口座を作る目的に合った銀行を選ぶことが大切
副業をする場合はプライベートの口座と分けて専業専用の口座を作るのがおすすめです。そして副業専用の口座にはお金の管理がしやすいネット銀行が便利です。
ネット銀行を選ぶ際は、自分の目的に合った銀行を選ぶようにしましょう。