可読性の高い文字サイズを指定するCSS【font-size-adjust】プロパティの基本と重要性

CSSでは文字に関するプロパティが数多く存在し、その中でもfont-sizeプロパティやfont-familyプロパティでは、使用するだけで簡単に文字サイズとフォントを設定できます。

しかし案外注意が必要なのが、ブラウザなどユーザごとに異なる実行環境で、設定したCSSが適用できなかった場合。その場合、サイトの読みやすさが著しく低下してしまうのです。

font-size-adjustプロパティを使用して、CSSでより最適なサイトを作成するには?

今回は、font-size-adjustの

・基本的な使い方
・font-size-adjustの重要性
・font-size-adjustはどの場面で使用するのか

について説明します。より多くのユーザの可読性を確保するため、ぜひCSS内に取り入れましょう!

font-size-adjustとは

font-size-adjustの読み方

font-size-adjustプロパティは「フォントサイズアジャスト」と読みます。font-size-adjustのadjustは”環境に順応させる、合わせる”という意味があります。

font-size-adjustの説明

font-size-adjustは小文字の高さで、文字のサイズを指定します。このfont-size-adjustプロパティが役に立つのは、font-familyプロパティで指定したフォントが適用できなかった場合。少しややこしいので、画像をもとにご説明します。

CSS適用段階では、フォントに「JetBrains Mono」を適用していますが、表示時にはそのフォントが適用できず、第2フォントで指定した「Serif」が適用されました。
その結果、JetBrains Mono用に設定したfont-size: 10pxがSerifに適用されてしまうのです。

font-size-adjustは、このようなエラーが発生した際に力を発揮します。「JetBrains Mono」のために設定した10pxの文字サイズが「Serif」に適用されてしまうため、表示時に崩れてしまうのです。

font-size-adjustで利用できる値

font-size-adjustでは以下の値を使うことができます。

説明
 none  font-sizeプロパティで設定した値のフォントサイズのみが指定されます
number (数値)  font-size × number(数値)の値が文字のフォントサイズになります。

対応ブラウザ

対応ブラウザは以下の通りです。

PC用ブラウザ 対応状況
Chrome 43
Edge 79
Firefox  40
nternet Explorer  未対応
Opera  30
Safari  未対応
スマートフォン用ブラウザ 対応状況
Android webview  未対応
Android版Chrome  43
Android版Firefox  4
Android 版 Opera  30
iOS版Safari  未対応
Samsung Internet  未対応

font-size-adjustの基本的な使い方

font-size-adjustの使い方

font-familyで指定するフォントの中には、通常の文字よりも小さく表示されるフォントがありますが、そのフォントを使用する際にfont-size-adjustを使用します。

注意
現在特別な設定を施さずに、このプロパティが適用できるのがFirefoxだけなので、以下のCodepenのコードでは上手く動作が確認できないかもしれません。
Firefoxで実行できる環境がある方はコードエディターにコードをコピペし、Firefoxで実行結果を確認してみてください。環境がない方は、こちらでFirefoxでの実行結果を画像でご用意したのでそちらをご覧ください。

See the Pen
font-size-adjust 基本
by rabbittyu (@rabbittyu)
on CodePen.

2021年現在、Firefoxでのみ動作可能です。

大き目のフォントと小さいフォントでは、表示する際のサイズにかなりの差が出ます。それをfont-size-adjustで埋めるのです。こうすれば小さなフォントも可読性に配慮することなく、導入できますね!

フォントサイズの計算式は以下の式を利用してください。サンプルコードでは大まかな値を目視で算出しています。

font-size × font-size-adjust = 設定したフォントの小文字xのフォントサイズ

少しわかりにくいかもしれませんが、font-size-adjustはそのフォントの小文字xのサイズを基準にしています。実際にどの数を掛け合わせるかは、ひたすら実行とコードの編集を繰り返すのが良さそうです。

font-size-adjustと類似するfont-sizeプロパティとの違い

初めてこのプロパティに触れるうちは、font-sizeとfont-size-adjustと混同してしまうかもしれません。ここで簡単に使い方を区別しておきましょう。

・font-sizeプロパティ

文字サイズを変更するのに使用する

・font-size-adjustプロパティ

特殊なフォントの文字サイズを調整するのに使用する

font-size-adjustの実用的な使い方

font-size-adjustプロパティは実際に長文を見てみると、その効力が良く分かります。font-size-adjustを適用する前は、文字が若干小さく読みづらさを感じます

しかしfont-size-adjustを適用することで、文字の大きさを通常フォントに近づけることができました!

See the Pen
font-size-adjust 具体例
by rabbittyu (@rabbittyu)
on CodePen.

黒文字がノーマル
緑文字がフォントのみ適用
ピンクの文字がfont-size-adjustを適用したものになります。

まとめ

 

今回は可読性を向上させる【font-size-adjust】プロパティをご紹介しました。必要性があまり見出せないかもしれませんが、実際にサイトを作成し、様々なフォントと触れ合うことで、このプロパティの便利さを感じ取れることでしょう。

Webサイトを作成する際は、常にユーザ目線に立ち、デザイン性ばかりを追い求めていないか逐一確認しましょう。より良いサイトが完成するはずです!

参考文献:
MDN web docks font-size-adjust
HTMLクイックリファレンス
文字にこだわるなら知っておきたい!CSSのfont-size-adjustの意味と使い方
総称ファミリ名分類のフォント名一覧
Wikipedia

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