金融系システムには何がある?エンジニアの仕事とは?

金融系システムは社会活動を支える重要なシステムです。また、新しい技術も取り入れられるなど、便利なサービスが続々と登場しています。

では、金融系システムにはどのようなものがあるのでしょうか?また、金融系システムを支えるシステムエンジニアの仕事とはどのようなものでしょうか?

この記事では、金融系システムの種類や内容、金融系システムエンジニアの仕事内容について紹介します。

金融系システムには何がある?

金融系システムとは、金融機関が業務を行うために使用するシステムです。とはいえ、一言で金融系システムと言っても、業種や業務によって、様々なシステムがあります。ここでは、銀行、証券会社、保険会社の代表的なシステムについて紹介します。

銀行

銀行のシステムは、「勘定系システム」、「情報系システム」、「その他システム」の3つに分類されます。

勘定系システム

「勘定系システム」は、銀行の「総勘定元帳」を管理するためのシステムです。総勘定元帳とは、全てのお金の入出金を勘定科目毎に管理している帳簿のことです。具体的には、預金や貸出などの資産・負債勘定の元帳や明細の入出金管理、支払利息や受取手数料などの損益勘定の元帳や明細の入出金管理などです。

「勘定系システム」は「銀行の心臓部」とも言うべき最重要の基幹システムです。ひとたび障害が発生すると、銀行業務が停止する可能性があるなど、その影響は計り知れません。このため、障害が発生したとしても業務が継続できるようにバックアップシステムを構築するなど、可用性・信頼性を高めているのが特徴です。

情報系システム

情報系システムは、勘定系システムなどのデータを分析しやすいように加工・編集し、蓄積したシステムです。経営管理やマーケティングなどへの活用を目的としています。具体的には、データウェアハウス(DWH)、経営管理システム、リスク管理システム、営業支援システムなどがあります。近年はビッグデータが注目を集めており、それに伴い情報系システムの役割は拡大しています。

その他システム

「その他システム」は、勘定系システムや情報系システム以外のシステムです。具体的には営業店端末やATM、データ通信システムなどです。また、運用担当者などが使用する障害監視システムなどもその他システムに分類されます。

証券会社

証券会社のシステムは、「基幹系システム」、「情報系システム」、「その他システム」の3つに分類されます。

基幹系システム

「基幹系システム」は、証券会社の業務を支えるための基盤となるシステムです。「注文系システム」、「約定系システム」、「決済系システム」などがあります。これらのシステムは、証券会社の業務上、最も重要なシステムです。このため、銀行の勘定系システムと同様、障害が発生しても業務が続けられるよう、可用性・信頼性を高めたシステム構成になっているのが特徴です。

情報系システム

「情報系システム」は、投資情報配信システム、顧客管理システムなどから構成されます。「投資情報配信システム」は、株価情報、経済情報、投資情報など、投資に関連する情報を顧客に配信するシステムです。一方、顧客管理システムは顧客属性管理など、マーケティングなどで活用することを目的としたシステムです。取引回数の引き上げや手数料収益向上を目的に活用されます。

その他システム

「その他システム」は、基幹系システム、情報系システム以外のシステムです。証券会社自身が自己勘定取引で使用する「ディーリングシステム」、市場リスクを計量・管理する「リスク管理システム」などがあります。

保険会社

証券会社のシステムは、「基幹系システム」、「資産運用系システム」、「その他システム」の3つに分類されます。

基幹系システム

「基幹系システム」は、保険会社の業務を支えるための基盤となるシステムです。「契約管理システム」などがあります。「契約管理システム」は契約成立した保険の保全業務、保険料の請求や収納、保険金支払などを管理するシステムです。このため保険会社にとって最も重要なシステムです。

資産運用系システム

「資産運用系システム」は資産運用を支援するシステムです。保険会社は将来の保険料支払いに備え、安全性や収益性を考慮しながら資産運用を行っています。「このタイミングで債券を購入したら、将来のリターンはいくらになるのか?」など、資産運用に必要な情報を提供しています。

その他システム

「その他システム」は、基幹系システム、資産運用系システム以外のシステムです。保険会社の収益、コスト、自己資本等を管理する「経営管理システム」などがあります。

金融系システムエンジニアの特徴は?

金融系システムエンジニアの特徴は、金融機関の業務システムや情報系システムなどのシステム開発や保守を担当するため、非常に重要な役割を担っている点です。なぜならば、金融機関のシステムは、融資や決済など、経済を支えるための重要なシステムが多いからです。このため、金融系システムエンジニアはシステムトラブルが発生しないよう、高品質な作業とチェックが求められます。

また、開発したシステムや機能の本番環境へのリリースでは休日出勤や深夜作業が一般的です。なぜならば、平日日中は通常業務でシステムが稼働しているため、停止する訳にはいかないからです。このため、ストレスやプレッシャーがかかることが多い仕事です。

しかし、困難な仕事を達成した時のやりがいは代え難いものがあります。このため、金融系システムエンジニアはやりがいのある仕事です。また、インターネット取引やFinTechなど、最新技術に触れることができるのも特徴の一つです。

また、金融系システムエンジニアの給与は他の業界のシステムエンジニアに比べて平均年収が高いのも特徴です。転職サイトの「リクナビネクスト Tech総研」の調査によると、業種別システムエンジニアの平均年収では、金融・保険系のシステムエンジニアが744万円とトップでした。

このように、金融系システムエンジニアはストレスやプレッシャーもあるが、メリットも多い職種といっていいでしょう。

金融系システムエンジニアに向いている人は?

ここでは、金融系システムエンジニアに向いている人について紹介します。業務の特性上、金融系システムエンジニアには以下の人が向いています。

責任感の強さ

先にも述べたように、金融系システムエンジニアは社会的影響の大きいシステムの開発や保守を担うことが一般的です。また、個人情報、預金情報、融資情報など、機密性の高い情報を取り扱っています。このため、特に金融系システムエンジニアには「責任感の強さ」が求められます。

正確な作業ができる

金融業界のシステムの特徴の一つに「計算処理が多い」ことがあげられます。特に利息計算や保険料計算などは計算式が複雑です。また、社会的影響が大きいため、処理ミスが大きな問題となる可能性があります。このため、正確な作業ができる人の方が金融系システムエンジニアに向いていると言えます。

まとめ

この記事では、金融システムの種類や内容、システムエンジニアとしてのメリットややりがい、向いている人の特徴について紹介しました。

金融系システムには、銀行の勘定系システムなどに代表されるように、多くの基幹システムが存在します。そして、システムエンジニアは、これらの基幹システムの開発や保守を担当します。「年収が高い」、「高いスキルを身につけることができる」というメリットがある一方、強い責任感が求められます。

金融系のシステムエンジニアはやりがいのある仕事です。興味ある方は、是非、金融系エンジニアを目指してみてください。

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