「基本情報技術者試験を受けたい」と考えているITエンジニアは多いのではないでしょうか?
基本情報処理技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と言われているように、若手のITエンジニアが取得することが求められている資格の1つです。
では、基本情報技術者試験はどのような試験なのでしょうか?また、効果的な勉強方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、基本情報技術者試験の内容と、効果的な勉強方法について紹介します。
目次
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験は、国家資格である情報処理技術者試験の1つです。ITに関する基礎知識はもちろん、プログラミングの基礎知識を持っていることを証明します。
IT系の唯一の国家資格ということもあり、多くシステム開発会社が新入社員に資格取得を求めています。このため、若手ITエンジニアにとっては取得しておきたい資格の1つです。
情報処理技術者の取得が求められる人物像は以下の通りです。
- 高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身につけた者(情報処理推進機構「基本情報技術者試験」より)
基本情報技術者の業務と役割は、以下のようになっています。
- 企業や社会の課題に対し、ITを活用した戦略立案に参加する
- システム設計・開発を行い、最適なIT技術を組み合わせ、信頼性・生産性の高いシステムを構築する
これらの役割を担うため基本情報技術者試験では、要件定義、システム設計・開発、プログラミングなどのコンピューター関連の基礎知識はもちろん、簿記をはじめとした業務知識も出題されています。
基本情報技術者試験の試験内容
ここでは、基本情報技術者試験の試験内容について紹介します。
試験日程・試験地・受験料
基本情報技術者試験は4月と10月に行われます。試験概要は以下の通りです。
- 春期試験:4月第3日曜日(申し込み期間は1月中旬〜2月中旬)
- 秋期試験:10月第3日曜日(申し込み期間は7月中旬〜8月中旬)
- 試験地:各都道府県の主要都市
- 受験料:5,700円
正答率が約6割で合格ラインと言われています。
1度受験の機会を逃すと半年待たないといけないため、申し込み期間をしっかりと把握しておきましょう。詳細は情報処理推進機構の「基本情報技術者試験」ページをご確認ください。
試験時間
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれます。
- 午前試験:9:30〜12:00(150分)
- 午後試験:13:00〜15:30(150分)
午前試験も午後試験も150分と長丁場のため、集中力を切らさずに試験に取り組むことが必要です。
午前試験・試験内容
まずは午前試験を紹介します。
午前試験では80問が出題されます。出題の構成は以下のようになっています。
- テクノロジ系:50問
- マネジメント系:10問
- ストラテジ系:20問
なお、全て選択式の解答となっています。それぞれの具体的な出題内容を以下で紹介します。
テクノロジ系
午前問題の出題80問のうち、50問がテクノロジ系となっています。このため、合格にはテクノロジ系の得点が不可欠です。
「基本情報技術者試験シラバス」によると、テクノロジ系ではさらに以下の分野の知識問題を中心に出題されます。
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- ヒューマンインタフェース
- マルチメディア
- データベース
- ネットワーク
- セキュリティ
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
上記分野の知識を問う問題はもちろん、計算問題なども出題されます。
マネジメント系
マネジメント系ではプロジェクトマネジメントを中心に10問出題されます。知識を問う問題ばかりであり、ITに従事していない人にとっても取り組みやすい分野なので、確実に得点しておきましょう。
ストラテジ系
ストラテジ系は、法律、会計、戦略立案など、企業活動に関する問題が20問出題されます。システム開発を行う上で、背景となる企業活動を理解しておく必要があります。こちらもマネジメント系と同様、ITに従事していない人にとっても取り組みやすい分野なので、確実に得点しておきましょう。
午後試験・試験内容
午後試験では記述・論述試験となっています。11問出題され、そのうち5問を解答します。過去には以下の分野から出題されています。
- 問1:セキュリティ
- 問2〜問5:ソフトウェア、ハードウェア、データベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメント、経営・法律など
- 問6:データ構造とアルゴリズム
- 問7:プログラミング(C言語、Java、Python、アセンブラ言語、表計算)
このうち問1と問6は解答が必須。それ以外は3問選択して解答します。記述・論述試験ということもあり、難易度が高くなっています。
基本情報技術者試験の勉強法
ここでは、基本情報技術者試験の勉強方法について紹介します。
まずは午前試験の勉強を行う
書店には、基本情報技術者試験に関する参考書や問題集が多く販売されています。中には、「午前試験対策」、「午後試験対策」というように、午前と午後に分かれて編集されている本もあります。
まずはITをはじめとした基本知識を問う午前試験の勉強を行いましょう。また間違えた問題は繰り返し解き、基礎知識を身につけましょう。
次に午後試験の勉強を行う
午前試験を勉強を進め、基礎知識が身についたと思ったら午後試験の勉強を始めましょう。
午後試験は記述・論述のため、解答に慣れるまでに時間がかかります。自力で解答できるようになるまで、解説、あるいは参考書を読みながら理解を深めていきましょう。
過去問を数多く解く
情報処理技術者試験では、過去に出題された問題が公開されているため、これを解説した過去問題集も書店で多く販売されています。過去問題集を活用して過去問を解き、間違えた問題を正解するまで何度も繰り返して解きましょう。
午前試験では何度も同じ問題が出題されています。また、午後試験も似たような問題が出題される傾向にあります。このため過去問を繰り返し解くことで、傾向をつかむことができます。
もっとも効率の良い勉強法は「基礎知識を身につけた上で、過去問を解くこと」です。参考書を利用して基礎知識を身につけ、過去問を解いて合格ラインまで得点できるようにしましょう。
【2021年版】基本情報技術者試験勉強のおすすめ書籍
ここでは、基本情報処理技術者試験対策におすすめの書籍を紹介します。
令和3年 基本情報技術者 合格教本(角谷一成/イエローテールコンピュータ著)
基本情報技術者試験のシラバスVer7.1を網羅し、試験範囲を体系的にまとめられた本です。基本情報技術者試験に必要な基礎知識を身につけることができます。また、章末に掲載されている問題で、解説された内容を定着化することができます。
同書の特典として、PCやスマホで利用できる「問題演習Webアプリ」がついています。これを利用することで、いつでもどこでも問題を解くことができます。
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令和3年 イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室(栢木厚著)
「イメージ&クレバー方式」というように、初心者でもわかりやすく解説した本です。文章だらけの解説書が多い中、文章とイメージを組み合わせることで、記憶に残るように編集されています。
特に各単元のまとめに特徴があり、「○○とくれば●●」という形で要点がまとめられています。
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まとめ
この記事では、基本情報技術者試験の内容と、効果的な勉強方法について紹介しました。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとして基本的な知識とスキルを認定する国家資格です。そのため難易度が高く、体系的な勉強が必要です。
「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれている国家資格なので、是非取得を目指して勉強を進めていきましょう。