IT資格は転職に不要?未経験の転職で失敗しない方法3選

転職に必要なIT資格

  • ITエンジニアの転職で重要視されるのはプログラミングスキル
  • 未経験から転職でもIT資格は要らない

これは本当でしょうか。

答えはYesでありNoでもあります。ITエンジニアと言っても職種はさまざまです。目指す職種により、業務内容も求められるスキルも異なります。一概に結論づけられません。また、誤った判断が災いして、IT転職に失敗する危険も。

今回は、未経験からITエンジニアを目指す人が取得すべき資格をエンジニアの職種別に紹介します。効率的に転職準備を進めるのに役に立つ情報ですから、ぜひご一読ください。

ITエンジニア転職の職種と業務内容

ITエンジニア

ITエンジニアに転職するといっても、職種はさまざまです。今回は以下のように、大きく3つに分類します。

  • ウェブ系エンジニア
    業務系エンジニア
    インフラ系エンジニア

それぞれのエンジニアの代表的な職種(一部)と、主な業務内容をまとめたのが以下の表です。

開発系エンジニア
職種 主な業務内容 必要なスキル 言語
フロントエンド
エンジニア
ユーザーが実際に目にする部分のプログラムを作る。 プログラミング(必要言語は案件等により
異なる
データベースの知識(SQL言語)セキュリティスキルLAMP環境のスキ(Linux・Apache・MySQL・PHP)
JavaScript

Java

C++

C#

PHP

Python

Perl 

バックエンド
エンジニア
ウェブエンジニアの中心的ポジション。ユーザーに見えない、サーバ側のシステムを開発する。
インフラ
エンジニア
ウェブサービスの運用・保守の担当者。サービスの安定稼働を支える。
業務系エンジニア
システム
エンジニア
企業内の特定の業務に直接関係する機能に限定された、情報システム全般における開発の上流工程を担当する。
プログラミング

サーバーやデータベースの知識

顧客との折衝経験

コミュニケーションスキル

 

Java

C

C#

VB

 

 

アプリケーション
エンジニア
企業内の特定の業務に直接関係する機能に限定されたアプリケーションを、開発、管理する。
インフラ系エンジニア
ネットワークエンジニア ネットワークの設計、構築、監視、運用を行う。
プログラミング

コンピューターの仕組みに関する知識

ネットワークとサーバーの知識

クラウドの知識

 

Perl

Ruby

Python

PHP

 

 

サーバーエンジニア コンピューターシステムを運用するためのサーバーに関して、設計・構築・運用・保守を担当する。

ウェブ系エンジニア

ECサイトやブラウザゲームなどのWebサービス開発分野で活躍します。即戦力になる人材が必要な職種のため、プログラミングスキルと実務経験を最重要視します。採用にあたって資格の保持が評価されにくい傾向があります。

IT資格を取得するために学習する時間を割くより、むしろ自分の作品を作り、ポートフォリオとして提出するほうが評価されやすいでしょう。

業務系エンジニア

企業における特定の業務に直接関係する機能のみに限定されたシステムやアプリケーションを開発し、管理する専門のエンジニアです。

ウェブ系エンジニアに比べると、ITの資格を取得していること自体が、意欲の現れとして評価されやすい傾向にあります。ITの資格よりもポートフォリオの方が高く評価される点は、ウェブエンジニアと同様です。

インフラ系エンジニア

インフラエンジニアは、ITインフラの設計、構築、運用保守といった業務を行います。そのためクラウドや、ネットワークとサーバー両方の深いスキルが必要です。

インフラ系エンジニアはプログラミングのスキルはもちろんのこと、さらに幅広い知識を求められます。知識の習得のためにIT資格の学習は有効です。未経験からインフラ系エンジニアを目指すなら、IT資格は欠かせません

ITエンジニアになるための基礎知識

IT資格選びで転職に成功する方法3選

ITの資格選びを適切に行うこと。それがITエンジニアへの転職に際して重要です。わざわざ膨大な時間を割いてIT資格の学習したにもかかわらず、希望する職種には必要のない資格だった。これではITエンジニアへの転職成功も遠のきます。

ITエンジニアに転職するために一番必要なものは、プログラミングスキルです。特にウェブ系エンジニアの採用においては、プログラミングスキルの提示が最も重要です。業務系エンジニアへの転職ならITの資格はあったほうがよいですし、インフラ系エンジニアに転職するならIT資格の取得は大変に有効です。

しかしITの資格は無数にあります。その中から自分の希望する職種に必要な知識を習得できる資格を選択し、学習することが大切です。

ITエンジニアへの転職に成功するための資格選びのポイント

プログラミングスキルを最重視

希望職種に適したIT資格を選択

・転職に必要ない資格を選ばない

ITエンジニアの職種別、転職に有利なIT資格

転職

数あるIT資格の中から、ウェブ系・業務系・インフラ系エンジニア系業種へ転職するために有効なIT資格を以下にまとめました。

ITエンジニアの職種 資格の
有効度
取得したいIT資格
ウェブ系エンジニア ・基本情報技術者
(いずれも必須ではない)
・PHP技術者認定試験・Oracle認定Javaプログラム
業務系エンジニア ・基本情報技術者試験

・Oracle認定Javaプログラム

インフラ系エンジニア ・基本情報技術者試験

・CCNA(ネットワーク系資格)

・LinuC(LPIC)レベル1
(サーバー系資格)

エンジニア転職に有利なIT資格の詳細

IT資格

基本情報技術者
種別 合格率 受験資格 試験日
国家試験 約25% 誰でも受験可能 年2回実施

春季試験:4月の第3日曜日

冬期試験:10月の第3日曜日

基本情報技術者は、経済産業省が認定する国家試験であり「情報技術試験」の一つです。ITに関する幅広い知識が問われます。IT業界に転職するならぜひ取得しておきたい資格です。基本情報技術者資格を取得している場合、資格手当を毎月付与する企業も数多くあります。

基本情報技術者資格に似た資格で、ITパスポートがあります。両者の違いは2点あります。
・難易度
・ITエンジニアとして勤務する際の実用性

難易度は基本情報技術者資格の方がワンランク上の上位資格です。ITパスポートは、ITを利用するユーザーが知っておくべき知識を問います。つまり、ITエンジニアへの転職には不要な知識です。エンジニアに転職を目指すならITパスポートではなく、ITエンジニア向きの学習内容を網羅した基本情報技術者資格の学習から始めることをおすすめします。

参考:IPA(情報処理機構) 

PHP技術者認定試験
種別 合格基準 受験資格 試験日
民間資格 70% 誰でも受験可能 随時開催

PHP技術者認定試験は、2011年2月に設立された一般社団法人 PHP技術者認定機構が運営する、比較的新しい民間資格です。個々の技術者間での技量に差を埋めることを目的に設立されました。初級試験、上級試験、認定ウィザードの3段階があります。初級では学生、または社会人1~2年目の受験を想定した試験内容です。

参考:PHP技術者認定機構 

Oracle認定Javaプログラム
種別 合格基準 受験資格 試験日
民間資格 60% 誰でも受験可能 随時開催

Oracle認定Javaプログラム は、Javaを開発しているOracle社が提供する資格試験であり民間資格です。ブロンズ、シルバー、ゴールドの3段階に分かれており、それぞれ入門者、開発初級者、開発中上級者向けの試験内容です。ブロンズは国内でのみ通用する資格ですが、シルバーとゴールドは海外企業でも通用する国際的な資格です。

ブロンズは、プログラミング言語が未経の人を対象とした入門資格です。Java言語を使用したオブジェクト指向のプログラミング。つまり、モノを組み立てるように Java言語で表現し、コンピュータに動作させるための基本的な知識があることを評価するものです。

参考:Oracle社

CCNA
種別 合格率 受験資格 試験日
民間資格 55% 誰でも受験可能 月~土曜日の毎日

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、世界最大手のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施する検定試験の一つです。ネットワークエンジニアの技能を認定することを目的としています。

シスコシステムズの技術者認定資格は5種類あります。難易度の低い方から、CCENT(入門)⇒CCNA(初級)⇒CCDP(プロフェッショナル)⇒CCDE(エキスパート)⇒CCAr(熟練者)です。

初級のCCNAが最も受験者が多いです。インフラ系のITエンジニアで転職を目指すならCCNAを取得すると良いでしょう。
CCNAは資格取得から3年で失効します。学び続ける姿勢が求められる試験でもあります。

参照:Cisco

LinuC(Linux技術者認定試験)
種別 合格基準 受験資格 試験日
民間資格 不明 誰でも受験可能 月~土曜日の毎日

Linuxと呼ばれるOSについての技術力を測る認定試験であり、世界基準で歴史もある「LPIC(エルピック)から、218年に独立したのがLinuC(リナック)です。LinuCは日本市場に特化したLinuxの認定試験でもあります。

LinuCは、難易度の低いレベル1から最も難しいレベル3までの3段階です。レベル1には101試験と102試験の2種類のテストがあり、両方を5年以内に合格した場合にLinuC-1として認定されます。
5年以内に両方とも合格しなければ、一方に合格していても無効です。

また、認定されてから5年以内に同一レベルの再認定、もしくは上位レベルの取得しない場合、ステイタスが「INACTIVE(休止中)」に変更されます。

参照:LinuC 

まとめ

成功

いかがでしたか?今回は「IT資格は転職にいらない?未経験の転職で失敗しない方法3選」をご紹介しました。未経験からのエンジニア転職を目指す場合、希望職種に適したIT資格を取得することで転職成功の可能性はぐんと上がります。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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